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ゲーム日記特別篇
「カイと杉浦武夫のオリジン・ゲーム日記」 |
○7月4日
久しぶりに熟睡。9:00頃、タケオクンの電話でやっと目を覚ます。
あわてて用意を整えて、会場に向う。今日は昼から「エンパイア・ビルダー」と「レイルウェイ・ライバルズ」を遊ぶ予定だが、その前に大仕事がある。
タケオクンがミニチュアゲーム用のダンジョン*5を3セット購入することを決意したのだ。そりゃあもう尋常じゃない細工で、高価ではあるがその出来栄えからするとかなりのお買い得。むちゃくちゃ重いし、かさばるし、日本まで持ってかえるのは一苦労だろうけど、どうしてもほしいってことで思い切ったというわけ。
このダンジョン、7月19日のSNECON4でさっそくお目見え。プレイヤーたちは臨場感溢れるプレイを満喫していた。(JGCにはちょっと持ってけないかなあ……)
*5:オリジンはミニチュアゲームのメッカでもある。RPGやウォーゲームだって、もともとはこれから発展したんだものね。タケオのダンジョンは7月19日SNEコンのT&Tで使用された。凝ったデストラップの待ち受けるダンジョンを、プレイヤーの人たちは存分に楽しんだにちがいない。
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感動的なまでの細工、
実物をお見せできないのが残念! |
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さて、無事買い物を済ませてから、少し会場を見てまわる。ここはやっぱりお仕事…めずらしくタケオクンがカイをひっぱって「マジック;ザ・ギャザリング」のトーナメント会場に向う。
「舞踏場」という広い部屋に、数百人の参加者がびっしり。まずその数に圧倒される。東洋系の参加者も多い。さすがに世界中のツワモノが集まっている観がある。
モンコレも早くこれくらい広まるといいなあ…。トーナメント用のパンフレットをもらってきたので、これからのモンコレ大会に活かせるだろう。
フリープレイの卓では、なんと4人で「マジック;ザ・ギャザリング」を遊んでる。「マジックの複数対戦ですかあ」タケオクンの目がきらりと光ったつぎの瞬間、悔しげに細まる。どうやら、モンコレでもいろいろと考えることがあるらしい。
トレーディング・カードゲームで他に目立ったのが「ファイブ・リングス」(おお、ボスのお気に入りだ!)、「バトルテック」「シャドウラン」「スター・ウォーズ」など。95年のオリジンズでは「マジック〜」の大ヒットの直後で、新作カードゲームが乱立していたようだが、今回はそれほど新作は目立たない。さすがに淘汰されてきたということか。
さて、12:00からはいよいよ「エンパイア・ビルダー」だ。鉄道ゲームの部屋に行くと、デイブがいて、「そうか、ゲームをやりにきたのか」と大歓迎してくれる。で、あと一人、エディというお兄さんが参加して、4人で遊ぶことになった。
このエディ、どうやらタケオクンをすこぶる気に入ったらしく、ゲームの間中「これをデトロイトに運べ、ここに線路を引け、つぎにこれをニューヨークに運ぶんだ」と2時間半機関銃のように指示を与えつづけた。
デイブがいくら「英語がわからんのだから、ゆっくりしゃべれ」と注意しても聞いちゃいない。タケオクンはただ言われるままに(エディの言いたいことは身振りでわかる)、線路を引き貨物を運んでた。
ゲームの勝敗はデイブが1位、エディ2位、タケオクン3位、カイ4位という結果。デイブは「タケオはエディに教えてもらったけど、カイは一人でやった。偉かった」とカイの頭をなでてくれた。
ともあれ最後までゲームに参加できてほっとしたのもつかの間(鉄道ゲームは事故や破産のせいで、戦線離脱を余儀なくされることがままある)、デイブとエディがキラーンと目を輝かせた。
「つぎはなにやる? ニッポンレイルズ(エンパイア・ビルダーの日本版)か?」
いや、でもちょっと休憩したいし……
「じゃ、15分後にここに集合な!」
はいはい……
カイが外で緊張した頭をほぐして部屋にもどると、タケオクンはまた寝ていた……
さて、2時45分からニッポンレイルズの開始だ。ルールは「エンパイア・ビルダー」とほとんど同じだが、ゲームバランスははるかに厳しい。地理を知っているとはいえ、生っ粋の鉄道ゲーマー2人が相手ではとても勝負にならない。
結局はエディがカードのまわりでデイブに大逆転し、おおはしゃぎ。部屋中にいる他のゲーマーにいかにすばらしい勝利だったかを大声で吹聴してまわる。デイブが「もういい、うるさいよ、おまえ」と吐きすてても、相変わらず聞いちゃいない。う〜ん、それをやってちゃ嫌われるよ、エディ。
デイブ「ところで、きみたちは日本のどこから来たんだ?」
カイ「わたしは京都から」
デイブ「京都ね。知ってる知ってる。で、タケオは?」
タケオ「はあ、奈良ですが……」
デイブ「ナラ? 知らないなあ、ニッポン・レイルズにそんな街はないからね」
「鉄道ゲームで地名を覚えるなんて、あんたたちだけだぁ!」とタケオクンはいたくおかんむりだった。*6
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地名と産物をながめているだけで楽しい
「ニッポン・レイルズ」 |
*6:いやいや、タケオ、外国の地名はレイルゲームで覚えるのだよ。ぼくなんか、おかげでデモインなんて街がどこにあるか、レイルバロンでちゃんと知ってるもんな(笑)。
それはともかく、ニッポンレイルズはおもしろい! ゲームバランス的にはシビア(4人くらいが適正)だが、そのぶんちゃんとゲームの進行がシステムに組み込まれていて、表日本側−山陽(先行逃げ切り)と裏日本側−四国−九州(追い上げ逆転)が追いつ追われつになる。いずれにしても、北海道、九州をうまく使わないと勝ちにくい。
でも、どうして、奈良がなかったり、福島があるのに、そばに会津若松があったり、岡山の地名がなくて、津山があったりするんだ?
それに熊本に金が出て、帯広が唯一の砂糖の産地?
まあ、おもしろいからいいけど。
SNEでも、そのうちレールゲームの決定版を作りたいなあと思っている。 |
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5:00からはデイブと3人で「レイルウェイ・ライバルズ」を遊んだ。これは線路を引き、汽車を競争させるゲーム。「エンパイア・ビルダー」よりは短時間で終わるし、ルールも簡単だ。でも、やっぱりデイブが勝ったんだけどね。
これが終わったのが7:30。昼の12:00から延々7時間以上遊びつづけてたことになる。が、デイブはまた目を輝かせる。
「さあ、つぎは何を遊ぶ?」
いや、そろそろお腹も空いたので……
「わかった、じゃあ、食事が終わったらもどってくるか?」
いえ、他にしたいこともあるし(嘘。ホントは寝たいだけ)……
「わかった。じゃあ、また明日な!」
結局、これ以降ゲームを遊ぶ時間はなかったけど、彼らに出会えたのは幸運だった。なにしろ言葉がまったく通じない二人を相手に、嫌な顔一つせず何時間も遊んでくれたのだから……
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中央がアメリカの安田均(?)、デイブ |
帰国してから友野詳にそう言うと、
「なるほど、アメリカにも安田均がいっぱいいるわけやね」
まさに言いえて妙である。 |
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