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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 三田誠(2004年12月)
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三田誠特集
「レンタルマギカ 〜魔法使い、貸します!」
「烙印よ、刃に囁け。 SCAR/EDGE」
「アガルタ・フィエスタ! てのひらに女王を!」

見よ、本格的魔術戦闘!
「レンタルマギカ 〜魔法使い、貸します!」
篠谷: それでは、発行順にお話をお伺いさせていただきますね。まず、今年9月に先頭を切って、角川スニーカー文庫さんより「レンタルマギカ 〜魔法使い貸します!」が発売されました。
簡単なあらすじ
主人公の伊庭いつきは、ちょっと怖がりの平凡な高校生……だったのだが、急きょ父の会社〈アストラル〉を継がなければならないことに。ところがその会社は、なんと魔法使い派遣会社だった! クラスメイトのケルト魔女穂波(ほなみ)や、小学生巫女さんのみかんたちの力を借りて、小さな仕事からこつこつとがんばってきたが、世界中の魔法使いの動向を取り締まる〈協会〉からの仕事を受けなければならなくなってしまい――。
篠谷: この作品は発売されてから少し時間が経っているので、他の2作品より突っ込んでお話をお伺いしたいと思います。……というわけで、主人公のいつきくんですが、のっけから酷い目にあっていますね。高校生で、いきなり会社を継がないといけないっていうだけでも大変なのに、継いだ会社が魔法使い派遣会社……。学生、魔法、会社とさまざまな要素が入った作品ですが、一体どのあたりから思いつかれたんですか?
三田: 実は最初は会社とかはなくて、いつきとその能力だけを思いついたんですよ。小学校のころ、妖精が見える人たちがいるっていう「コロボックル童話集」という童話が好きで。そういう人たちを指して「フェアリー・ドクター」とか「妖精博士」とかいう魔法使いの職業イギリスにはあるんですけどね。それと似た能力を持つ少年を出してみたいなって思って。だけど、ライトノベルで書くには……地味でしょ? 少年のちょっといい話っていうのは。
篠谷: そうですねえ。どっちかていうと童話、児童書系ですね。
三田: ですよねえ(笑)。で、「どうしようかな、でも書きたいなあ」って帰りにぼんやり考えていたら、「今度会社に行くまでにはプロットつくらなきゃ……会社……会社? そうだ、会社だ!」って極めて安直な考えが(笑)。
篠谷: いやいやいや(笑)。では、いつきくんの能力……〈妖精眼(グラム・サイト)〉(1)が、まずあったんですね。
三田: 魔法使いの資料を探していて、妖精眼(フェアリー・サイト)といわれるものの中に、いくつか種類があることがわかったんですよ。そのあたりは2巻以降で、ちょっとずつ明らかにしていこうかと思っています。なんでいつきが〈妖精眼〉を持っているのか、とかね。
篠谷: 普段はどっちかっていうと弱腰ないつきくん(2)〈妖精眼〉を使うと強気の性格になってしまう原因とかも明らかにされるんでしょうか。
三田: それは……えーっと、まだ秘密ということで。
篠谷: 残念(笑)。そういえば、巻頭にそれぞれのキャラクターと使う魔術について、ゲームのデータっぽく書かれていましたよね。とても興味深かったです。ケルト魔術やソロモン王の魔術、神道……。
三田: やっぱり僕もSNEの人間ですし(笑)。ゲームの土台になりそう、ぐらいには考えてデータつくりました。攻撃力にあたる〈魔力強度〉防御力にあたる〈霊的加護〉のほか、高いほどヤバい〈危険度〉〈呪詛対価〉もありますね。たとえば、アディリシアなんか全般的に高いから、強い代わりにすごく危険というわけで。
篠谷: ああ、なるほど(ポンと手を打つ)。それにしても、数値にしろ文章にしろ、数種の魔術を系統立ててしっかり表現するとなると大変だったんじゃありませんか? ルビにルビがつきそうな魔術を文中ちらほらと見かけましたが、資料だけでもすごい量になるのでは?
三田: 実際、かなりの書籍を集めて調べました(3)。おかげで本棚が大変なことになりまして(苦笑)。
篠谷: それは大変ですね(苦笑)。話は変わりますが、レンタルマギカは長編だけでなく、角川書店さんから出ている雑誌「ザ・スニーカー」で、短編が連載されていますよね。拝読しましたが、短編は長編と比べて、キャラクターそれぞれにスポットを置いたお話になっている感じがしました。
三田: (小声で)次のみかんの短編は、書いたら長かった〜。
篠谷: (つられて小声で)私はみかんちゃんが好きなので、楽しみです〜。
三田: (笑)。長編ではいつきの社長業や成長がメインですけれど、短編は〈派遣魔法使い(レンタルマギカ)〉という"仕事そのもの"がメインですね。主要登場人物も少し変えています。こっそり一巻の最初の口絵にもいるんですが、幽霊少女の黒羽まなみという女の子が加わっているんです。
篠谷: 短編の方にも、〈協会〉影崎さんは絡んできますね。謎に包まれたままの〈協会〉の存在が気になるのですが、今後、敵……というか、いつきくんたちにどのように関わってくるんでしょう?
三田: そのあたりは、おいおい明らかになっていきますよ。来春発刊予定の2巻以降は、魔法合戦の様相を呈していくと思いますので、そのあたりも楽しんでいただきたいと思います。
篠谷: 魔法合戦! その言葉だけでドキドキします。まだ、語られていない秘密が多そうですし、楽しみにしていますので、がんばってくださいっ。

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