ゆうみん: |
続いては、篠谷志乃入魂の書きおろし新作リプレイ『新ソード・ワールドRPGリプレイWaltz』。
冬に1巻『旅立ち・お祭り・子供たち』、この春に2巻『競争・怪盗・大湿原』が発売され、3巻は7月に刊行の予定。読者さんからも好評をいただき快調な滑り出しですね! |
篠谷: |
あ、ありがとうございます(もじもじ照れ照れ)。 |
ゆうみん: |
このリプレイには、SNEのメンバーではない方にもご参加いただいたんですよね。 |
清松: |
SNEの中でプレイヤーを調達すると、どうしても他のリプレイと掛け持ちの人ばかりになってしまうから、今回は外部から2人参加してもらいました。
そのうちの一人は、TRPG未経験者なので、遊ぶ時にどういった配慮が必要か、という部分もこのリプレイを読んで参考にしてもらえたら、と思います。 |
ゆうみん: |
初心者の方用に工夫した点などはありますか? |
篠谷: |
初心者に限ったことではないんですけど、ゲームを遊ぶ際に明確なイメージがあった方がわかりやすいしとっつきやすいと思うんです。
自分の生活の周囲にないものや経験のない事柄って、言葉だけの説明ではよくわからないじゃないですか。でも、それを画像でこんな感じのもの、とばっと見せられれば、ああ、これかってすぐに理解できることは多いですよね。 |
ゆうみん: |
そうですね。 |
篠谷: |
初心者の方は、まずルールを把握するだけでも大変なので、ストーリー面もしっかり楽しんでもらうために、イメージを膨らませるアイテムとして資料や小道具を使ってます。
ちなみにストーリーの方向性は、完全に自分の好みの方向です。 |
ゆうみん: |
はあ、なるほど。それでいつもいろんな資料とか小道具をいっぱい用意してるわけですね。
そんな細やかな準備を経て行われるWaltzセッションの感触はどうですか? |
篠谷: |
どんなセッションでもそうなんですけど、今回は特にプレイヤーの皆さんから、思ってもみないようなあっと驚く刺激になる言葉をたくさんもらって、すごくやる気をいただいてます。
自分が焦っておたおたしている時にはプレイヤーの皆さんが助けてくれるし、プレイヤーさんが悩んでしまった時にはこちらが助け舟を出す。で、プレイヤーさんがそれに気付いたら、しっかり受け取ったよ! って返してくれるのがわかるんですよ。なので、すごく楽しんで遊ばせていただいてます。 |
ゆうみん: |
ちゃんと会話のキャッチボールを実感できるセッションなんですね。(こぼれ話3 シリーズが変われば投げるエモノも変わる)
……ちなみに、そんなワルツで苦労してることはありますか? |
篠谷: |
あー、んー、えーっとぉ……。 |
清松: |
……ないらしいな。 |
秋田&藤澤: |
わ〜、ノロケだノロケだ〜。 |
篠谷: |
あは、何を言っても全部ノロケになっちゃいます(笑)。 |
ゆうみん: |
Waltzの舞台は西部諸国、通称「十の子供たち(テンチルドレン)」と呼ばれる都市国家群ですが、この場所を舞台に選んだのはどうしてなんですか? |
清松: |
長いことリプレイで使ってないから、久しぶりに西部諸国の再発見もいいかな、と。古いファンの人には懐かしく、新しいファンの人には新鮮な舞台だと思うし。 |
ゆうみん: |
それにしてもこのパーティ、今までに類を見ないほどの善人パーティですね。 |
清松: |
そうだね。2巻の解説を書いた某藤澤の「なんて善人ばっかりなんだ!」という感動の叫びが……、血の叫びに聞こえる。 |
一同: |
(爆笑)。 |
ゆうみん: |
実際にセッションの席に座っている人はどうなんでしょうか? |
ブランシュ: |
すごいよ! Waltzはセッションの空気が真っ白で、黒いこと言っちゃいけない空気になってるの!
わたしなんかは、ほんとはいーっぱい黒いことも思いつくんだけど、いっつもわたしの目の前にナジカ先生が座っていて、目が合うとナジカ先生のオーラに負けて「ああ、言うのやめとこう……」って何も言えなくなっちゃうの! |
一同: |
ナジカ先生すごいな!(笑) |
篠谷: |
でも、黒いことも考えてくれる人がいないと、それはそれで困ります(苦笑)。 |
清松: |
完全にナジカ先生の意見で動いたらお話にならないからね。ナジカ先生自身も、そこはわかっていてアクセントとしてロールプレイしてる部分もあるし。 |
篠谷: |
はい、なので先生は押したらちゃんと折れてくれます。 |
ゆうみん: |
で、そんな先生を押して丸め込むのがディケイお兄ちゃんの役目なんですね。 |
清松: |
ディケイはねえ……、大変なデキスギ君だよね。
優秀なシーフを求めて旅に出たガルガド(ヘッポコーズ初期メンバーのドワーフ神官)なんかに見つかったら、即効で拉致されるね。首根っこ掴んで「見つけたー!!!!」て叫んで。
実はオーファンから西部諸国って微妙に近いから、出会う可能性がないとは言えないんだよね(ニヤリ)。 |
篠谷: |
ひぃっ! 見つからないように隠しときます〜! |
ゆうみん: |
今回の特集で取り上げたリプレイは、いずれも読み物として楽しいだけじゃなく、ゲームサポート面も充実していますよね。 |
清松: |
Waltzでは、戦闘の新しい方法として追加されたSE(Super
Easy)コンバットを使っています。(ルールはリプレイ1巻に収録)
さっきは触れなかったけど、猫街では2巻から『ソード・ワールドRPGツアー4 パダ/堕ちた都市』に掲載したVE(Visual&Easy)コンバットを導入してる。 |
ゆうみん: |
VEやSEコンバットを作ろう、と思われたきっかけみたいなものはあります? |
清松: |
VEにしろSEにしろ、基本的にパーティ単位での逐次行動宣言実行の形での戦闘をやりたかったんだよ。
完全版のルールブック発売からもう10年以上経っているから、その頃の感覚と今の感覚は違ってきてると思うんだよね。間にTCG文化が入ったこともあって、昔はなあなあで流してた部分も、有利不利でつめて戦術的にきつくやっちゃう人もいるんじゃないかな、と。
だったら、戦闘が極端な方向に傾いてしまわないようシステム面で調整した方がいいんじゃないかと思ったんだ。 |
ゆうみん: |
VEとSEの特長とか、どういった運用をするのがよいんでしょう? |
清松: |
SEは戦闘を極端に単純化したもの。前衛と後衛のみで位置取りや距離の問題は考えないから、たとえば「ターゲッティングて宣言したらなんでもええんか」って不満が出たり、きちんと位置取りや距離を測って移動して攻撃っていうのをやりたい人はVEを使えばいいと思う。
だけど、別にギチギチのウォーゲームをやりたいわけでもないんだよ。 |
ゆうみん: |
戦闘はTRPGの山場ではあるけど、メイン部分ではないですもんね。 |
清松: |
昔は紙の上に線を引いて、この距離はなんぼで〜とかあやふやにやってたのをすっきりさせたかったんだよね。
どのルールにもね、それぞれのグループでそれぞれの遊び方や楽しみ方があるだろうから、いろいろ試して自分たちに合う遊び方を見つけてもらえれば、それが一番いいことだと思っています。 |