秋田: |
このへんから、私の「ソード・ワールド2.0らしさを出してやろう」というのに、容赦がなくなってきました。 |
篠谷: |
「小神(マイナーゴッド)」という、ラクシア世界を特徴づける存在の1つを、全面に出した展開になってきましたね。 |
秋田: |
まあ、小神の中でも、ルーフェリアは変わった存在だと思うのですけど(笑)。 |
篠谷: |
そこが小神の魅力なんじゃないでしょうか? 小神は、大神(メジャーゴッド)や、古代神(エンシェント・ゴッド)ほど安定していない。だから、GMの見せ方次第でいろんな話の展開があるのだと思いました。 |
秋田: |
そうですね。自作の小神を設定して遊ぶのも、楽しいと思います。 |
篠谷: |
イヤな言い方ですが、小神は「倒そうと思えば、倒せる」存在ですよね? ルーフェリアを見ているとそう思えるんですが。 |
秋田: |
敵が15レベル以下ならまず負けないですけど、それ以上になると、神さまでも危ないでしょうね。人間でも、すっごく強くなれば倒せるかも。 |
篠谷: |
ソード・ワールド2.0では、キャラクターをアイテムでかなり強化できますしね。そういえば、メッシュが能力増強の指輪やら腕輪(それぞれ能力値を1、2点を増加する装備品。壊すと瞬間的に13、14点増加する)を壊して先手を取る戦法を身につけたのも、この2巻でしたよね。 |
秋田: |
おかげで、未だにお金がないと言ってます。毎回1人5000ガメルぐらい報酬で得ているはずなんですが、メッシュは常に3つぐらい指輪を備えているから(笑)。 |
篠谷: |
この3巻では、かなり大きくお話が動きましたね。ルー誘拐の影には蛮族の姿……大掛かりな展開に、どうなるんだろうとドキドキしました。 |
秋田: |
小神をテーマと決めたとき、やりたいと思っていた「信仰という力の強さ」「小神の危うさ」みたいなものをお届けできたかと思います。 |
篠谷: |
ええ、いろいろ考えちゃいました。信者というか、教義の重要性とか。 |
秋田: |
ニヤリ(笑)。 |
篠谷: |
小神といえば、ジークが不敵にも小神の一部を「オレの嫁」宣言した巻でしたね。 |
秋田: |
帯にも書いていただきました(笑)。言われた瞬間、衝撃が走りましたよ。 |
篠谷: |
ジークたちとルーがそれだけ親密になったということでしょう(笑)。実際、単なる庇護者としてではなく、パーティの一員としてルーを守ろうとしているのが伝わってきましたもん。 |
秋田: |
そうですね。きっかけは、ルーが嫁その1になったからのような気がしますが、この辺りから完全にみんなの心が1つになって、目標を達成するために動くようになったと思います。 |
篠谷: |
嫁その1って(笑)。確かこの巻で、パーティの名前がついたんですよね。〈ぞんざい勇者団〉というすごいのが(こぼれ話 1)。 |
秋田: |
なかなかインパクトのある名前ですが、彼らによく似合ってるんじゃないでしょうか。 |
篠谷: |
それでは、今回の4巻についてお話をおうかがいしますね。 |
秋田: |
はい。 |
篠谷: |
やっとのことで蛮族の手から取り戻したルー。彼女を連れて、お家であるルーフェリアに帰るのかと思いきや……。 |
秋田: |
アイヤールに留まりました。そして、初めて別の国に行きませんでした。悔しい〜。 |
篠谷: |
そのぶん、アイヤール国内の領を移動しまくっているじゃありませんか(笑)。領から領が、他国間の移動と同じぐらいボリュームがありましたよね。おかげで、ルーフェリアが本当に小さな国だったんだと実感しました。 |
秋田: |
ルーフェリアは、アイヤールの領1つぐらいの大きさというイメージですからねぇ。 |
篠谷: |
気候や風土の異なる領が複数あるアイヤールは、とても魅力的でした。歩き方ガイドが欲しいところです。 |
秋田: |
各領独特の習慣とかもあるんですよ。いつかお届けしたいな。 |
篠谷: |
ぜひお願いします。4巻は、「白峰領ゼス」「赤砂領レザナード」、「石街領アイール」に立ち寄ったあと「青嵐領デラルザ」での冒険でしたよね。 |
秋田: |
はい。第10話が女神誘拐事件の完結編で、第11話、第12話は、またおでかけ風の冒険になりました。 |
篠谷: |
第12話では、親しくなったホーリエルが、ライフォス神殿の秘蔵っ子というだけでなく、そういえばお姫様だったっけと改めて思いました。美人の姉姫ミスティンも、たおやかなれどしたたかっぽくて、今後の活躍が楽しみです。 |
篠谷: |
では、気になる今後の展開について教えてください。メインストーリーはひとまず落ち着きましたが、この先はどうなるのでしょう? |
秋田: |
シナリオは、今までの積み重ねをそろそろ出してもいいころかな、と思っています。アイヤールやアイヤール以外での細やかな冒険が、話の展開しだいではメインストーリーに絡んでくるかもしれません。 |
篠谷: |
秋田さんは、大きな流れの合間合間に小さな事件をはさんで、それが実は……とされるのがお得意ですもんね。楽しみです! そういえば、ジークはルーを嫁に取れる可能性はあるんですか? |
通りすがりのメッシュのプレイヤー: |
もちろんです! 可能性というか、決定事項です! |
秋田: |
さらっと言った(笑)。まあ、がんばって名誉点を貯めてもらうんでしょうね。 |
篠谷: |
お? GMとしても、お手伝いをしてやらんわけではない、ということですか? |
秋田: |
そうですね。ひたすら、たくさん、モンスターを出すことで助けてあげます(にっこり)。 |
篠谷: |
大変そうだ(笑)。気になる次の5巻は、いつごろ発売になりそうですか? |
秋田: |
収録は終わっていますので、今年の夏初旬にはお届けできるかなーという状態ですね。 |
篠谷: |
楽しみに待ってます。最後になりましたが、読者のみなさんへ一言お願いします。 |
秋田: |
これからもどんどん積み重ねて、フェイダン地方の地図を埋めていきます。すでに遊んでいただいている方、これから遊ばれる方の助けになれれば、ありがたいと思います。今後のジークたちの活躍を楽しみにしていてください。
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篠谷: |
――はい。といったところで、お開きにしたいと思います。お忙しいところ、ありがとうございました。 |
秋田: |
ありがとうございました〜! |