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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『SW2.0プレイヤーズハンドブック ザルツ博物誌』ほか特盛りインタビュー(2012年12月)
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初心者から玄人まで楽しめるランダムダンジョン
バウムガルトの迷宮城

――: 次はザルツ繋がりということで、少し前の作品になりますが10月発売の『バウムガルトの迷宮城(以下、バウムガルト)』について、著者の大井雄紀さんを交えてお話を伺ってまいります。


誰も最奥に辿りついた者のない
バウムガルトの迷宮城
監修:北沢慶
著:大井雄紀/グループSNE


 ザルツ地方の南東に近年誕生した冒険者が集う街、迷城都市リバティ。
 冒険者のお目当てはこの町の中心に聳える、日毎姿を変える巨大な<魔剣の迷宮>バウムガルト城。
 迷宮の中で何を見つけるかは運次第。
 そして、見つけたお宝を無事持ち帰れるかもやっぱり運次第……。

 そんなちょっぴりギャンブラー気分漂う街の一角で。

 父の失踪と多額の借金で途方にくれる武器屋の娘のため、返済の手伝いをすることになった駈け出し冒険者の少年アルノー
 養父に借金のカタに売られてきたいちゃいちゃラブラブ仲よし姉妹エリィリン
 お馬さんで借金こさえて金貸しの犬状態なシャドウの青年ヴィント

 彼らの借金はあわせて10万ガメル。ウサギローンのボス"金貸し"ジョージが告げた返済期限は10日後。
 進退きわまった4人は一獲千金を狙ってバウムガルト城に挑むことになるのだけど、はたしてその結末は……?

大井雄紀の挑戦

――: 『バウムガルト』はこれまで発売されたサプリメントを一切導入せず『 I 改』のみで遊んだリプレイ。
北沢 せっかく『 I 改』が発売されるなら、それに合わせて初心者向けのリプレイを出したいというのが企画の発端でした。SW2.0 は年を重ねてデータが増えて少し重くなってきたので。
――: そしてこの作品の一番の特徴は、巻末にサプリパートがついている、という点。今までに無かった新しい形態ですね。
北沢 SNEのリプレイは3話構成が多いんだけど、そのうちの1話分をサプリメントにして『 I 改』とあわせて遊べる環境を作ったら面白いんじゃないかという案が出て、それなら掲載するサプリメントをプレイしたものをリプレイにしよう、ということで今回の形になりました。
――: この作品の執筆者として大井さんが選ばれたのは?
北沢 この企画の話があがった時に大井君から挙手があって。
大井 実は『バウムガルト』はもともと別のゲームで考えていたものなんですけど、せっかく作ったしどこかで発表したいな、とずっとチャンスを狙っていたんですよ。そこに『 I 改』対応リプレイの話が出たので立候補しました。
――: なるほど。大井さんとしてはちょうどいいタイミングだったわけですね。
北沢 大井君は、六門世界シリーズデモンパラサイト等のサプリメント制作のスタッフとしても力を発揮しているし、リプレイや小説も書ける人材なので、SW2.0でどんな作品を作ってくれるか楽しみだという気持ちもあって任せることになりました。


お前は大判サプリを作る気か

北沢 で、意気込んで持ってきたサプリ部分の原稿が、最初は文庫1冊分くらいの量があって。初稿見た時に「お前は大判サプリを作る気か」と(笑)。
大井 その節はご迷惑をおかけしました(土下座)。
――: うはっ、意気込みも量も溢れんばかりだったわけですね(笑)。
北沢 もともと作っていたということもあって、ランダムダンジョン以外の部分もずいぶんルールが整理されていたんだけど、そこまで作り込んだら春に出しているシナリオ型サプリと変わらないし、何より初めて遊ぶ人にとっては瑣末時が多くて重いので、初心者の人に遊びやすいようにダンジョン部分だけを抽出することになりました。
大井 シナリオを用意しなくても遊べるし、セッション時間の目安なども明記しているので、『 I 改』と『バウムガルト』があれば初心者さんでもすぐにSW2.0を始められますよ。
――: 文庫2冊から始められる、というのは初心者さんにはカバンにもお財布にも嬉しいですね。
北沢 1話はサプリを遊んだ形のリプレイになっていて、2話はこれをモチーフにシナリオを作ったらどうなるかの参考例になっているので、リプレイを読んでいただければGMの参考にもなると思います。
――: 戦闘シーンは図版もあって、サプリ部分もルールブックと同じ装丁だし、わかりやすく見やすく遊びやすい良い本ですよね。
北沢 サプリパートは、文庫なんで普通に縦書きになるのかなと思っていたら、編集さんたちがとても尽力してくださってルールブックと同じ装丁になりました。
――: え、最初からこうなる予定ではなかったんですか?
北沢 本を開いてもらったらノンブル(=ページ番号)がサプリ側は後ろから始まってるのがわかると思うんですけど、こういう後ろから扉がつく本は出版社からすると作りにくい本なのだそうです。
でも編集さんから
「SW2.0のユーザーに一番受け入れられる装丁にしないとこの本は意味がない」と強く言っていただいてこの形になりました。おかげでとても良い本になったので、ぜひこれから遊ぶ人や興味があるという人にオススメしていただければ嬉しいです。


我に返って青ざめる

――: このお話、いきなり10万ガメルの借金から始まるという衝撃的な導入ですよね。
大井 こういう、ちょっと強引な導入は人を選ぶと思うんですが、今回のプレイヤーさんはみんな「ああ、今回はそういうシナリオね」って納得したとたん、非常に積極的になって……。
北沢 むしろ嬉々として借金かぶってたよね(笑)。
大井 皆さん非常に楽しくノリノリで遊んでくれたので、この手の導入が苦手な読者さんもあまり抵抗なく読んでいただけるんじゃないかと思います。
――: そうして1話目の最後にはそのノリのままに墓穴を掘った、と。
大井 初心者向けリプレイだからと思って丁寧にやっていたらセッションにけっこう時間がかかって、後半はみんないい感じに頭からネジが何本か飛んでしまってたんですよね。
それに、GMとしてはプレイヤーさんの発言はたとえそれがどんな無茶なことでも全部拾っていきたいので。まあ、そうしたらこんなことに……。結果、
企画当初に用意してた第2話が丸没ですよ。
――: うわぁ……。
大井 それで、2話のシナリオを作り直している間に1話目を執筆して、2話目収録前に読んでもらったんですけど、時間を置いたこともあってみんな我に返っちゃって。「オレたちどうしようか……」「10万か……」て真剣に頭寄せ合って相談しはじめて。
北沢 このリプレイ、たまに企画の空気を読んだとか作為がとか言われることがあるんだけど、まったく! ひとつも! そんなのないからね。
大井 ええ。空気を読んでくれたのは最初だけですね。
 まあ、良くも悪くも信頼のあらわれだとオモッテイマスヨ、ハハハ……。
――: ああ、何やってもGMがなんとかしてくれるだろう、と思われてるわけですね。DMO(デスマスター大井)はどんなことにも応じてくれる、と。
大井 そのかわり、殺されても文句は言わせませんけどね(ニヤリ)。最終的にアルノー君を殺す一歩手前までいったので満足しています。あれより前に[運命変転]を使わせておけば殺せたのになー……、チッ(舌打ち)。
――: 本気で悔しそうだ(笑)。そうそう、キャラクターといえばプレイヤーキャラクターの皆さんももちろん個性豊かなんですけど、大井さんのNPCは濃いですよね。特にジョージ
大井 ジョージはイラストのおかげでより濃くなりました。何回見てもなんというかこう……、狼の貫録があるんですよね。ウサギ(タビット)なのに
北沢 この髪の毛何なん? みたいな。ヅラなのか毛並みが違うのか……。
大井 髪の毛というか、鬣っぽくないですか? 鬣ってことは馬的な生物ですよ。ウサギじゃないですよ。
――: お便りでも新種族疑惑があがっていましたね(笑)。
今回のような文庫のリプレイ&サプリメントという形態の作品は、今後も予定されていますか?
北沢 機会があれば今後もぜひ出していきたいですね。
大井 まだまだやりたいこといっぱいあるんで、次も積極的に立候補していきたいと思っています。
北沢 読者さんからの要望や感想なども、ぜひご意見お聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。


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