GM |
「……というわけでピョン太からもすでに聞いているだろうが、我々は日々イタチに減らされていっておるのだ。どうか我々の巣穴を救ってくれ、遠い血の兄弟たちよ」王様はそう言って君たちに深々と頭を下げる。 |
ハービィ |
さっき、1匹だけなら何とか倒せましたよ。死にもの狂いで戦えば、何とかなるんじゃありません? |
GM |
「うむ。実はな、あのイタチの目でギロっとにらまれると、皆ふらふらっと自らイタチのほうに寄っていってしまい、ころんと横になってしまうのだ」 |
リーフ |
私を食べてぇん、な状態になってしまうのですね? |
GM |
「そのとおり。特に黒イタチのカースとやらの力は強力で……」 |
タイガー |
……。(く、黒イタチっすか……) |
ルー |
……。(で、名前がカース?) |
ハービィ |
……。(しみじみバッタモノくさいというか……) |
GM |
いいじゃんかよーゆるしてくれよー(泣)。 |
タイガー |
ええ年の男が泣きまねをするな。気色悪い。で、その黒イタチのカースとやらだけがあぶないのか? |
GM |
いや、もちろん他のイタチもあやしげな力を持っているのだが、カースの技能の成功率とバラエティーあふれる能力のラインナップにはかなわない。まあ、イタチのリーダーだしね。 |
タイガー |
じゃあ、早い話がそいつさえヤッてしまえば……。 |
GM |
「ずいぶん楽になるはずだな」 |
リーフ |
一応聞いておきたいんですが、その黒イタチ御一行様が一体どこに住んでいるのかわかりますか? |
GM |
どうも人間たちの巣のほうに引き上げているようだけど、詳しくはわからない。どかどか仲間が殺されている相手をつけていくような、命がけの冒険をする気にもなれないしね。 |
ローズ |
(こくこく肯いている) |
ルー |
じゃあイタチって、人間と一緒にすんでるのかな? |
タイガー |
だとすると、夜中になるとスーパーマーケットに忍びこんで、パックしてあるチキンとかを食い散らかしたりしてるわけだな(笑) |
ローズ |
自動販売機のボタン押したりもするんだ。 |
GM |
イタチはどこぞの猿じゃないっつーの。そんな幸せな食生活してるなら、うさぎを襲うなんてやめて欲しいもんだと薬草師の王様は憤慨してるぞ。 |
リーフ |
で、いつくらいに来るんですか? イタチどもは。 |
GM |
いや、昼夜問わず、連中のお腹が空いたらくるよ。 |
ハービィ |
ここまでくるんですか。 |
GM |
巣穴の場所はまだつきとめられてないけど、時間の問題かもしれない。 |
リーフ |
切迫してますねえ。 |
タイガー |
そう言えば、こないだオレ達が人間の街で手に入れたあやしい勇者の薬、あれはどう使うんだ? あれで多少なりとも強くなれるんだったら、ここの巣穴の連中に飲ませて、戦力に……。 |
リーフ |
何を言ってるんですかタイガーリリィ! イタチと戦うのは勇者として召喚されたあなたたちの使命でしょう! それにあんな怪しいもの……自分たちで試さずしてどうするんですか! |
ローズ |
なんかどさくさに紛れて無責任なことゆってるし。 |
タイガー |
しかも本人マジだぞ。 |
ルー |
あ、工房の親方に聞いたことあるけど、イタチって恐しい武器を持ってるって本当? |
ハービィ |
げ(何かすごくイヤそうな顔)。 |
GM |
「うむ。じつはな、時折ものすごーーーーーーく、臭いのだ」(笑) |
リーフ |
イタチの最終兵器という奴ですね。 |
ハービィ |
うそ、それ嘘だよ。お師匠のウソ。 |
ルー |
そうなの? |
ハービィ |
そうだよ。でないと、わたし……(深刻な顔で)鋭敏嗅覚等、その他諸々合わせて、嗅覚判定18なのに……(笑) |
タイガー |
それは嘘じゃなくて、嘘だったらいいなあという希望的観測だ。 |
リーフ |
確かに、食らったらダメージ大きそうですね(笑)。 |
ローズ |
う、あたしも知力高めだから、15で嗅覚判定成功しちゃう。……ちょっとせつない。 |
ハービィ |
ネギとかくさい薬草を鼻の中につめこんでおこうか(まじ)。 |
GM |
勝手にしてくれ。……ところで、ブルーローズ。 |
ローズ |
ん? |
GM |
君はいきなりビクっと硬直し、目がうつろになる。 |
ローズ |
びくん、ぴくぴく。ぼー……。 |
タイガー |
は! どうしたブルーローズ、まさか……!(ハービィを見る) |
ハービィ |
おかしいなあ、アレを飲ませたのはもう3日も前のことなのに(ぶつぶつ) |
タイガー |
やっぱりかぁ! やっぱり原因はお前かぁ! ブルーローズまでヤク漬けにするつもりかあ! |
ハービィ |
失礼な! わたしは単なる知的好奇心であやしい薬を食べさせただけだもん! |
GM |
……ろくな仲間じゃねえな、こいつら。 |
ルー |
どしたの、ブルーローズ、しっかりー。 |
ローズ |
ぼー……。 |
GM |
ちょっと《未来予知》で判定してみて。 |
ローズ |
んー、技能伸ばしてないから成功するかな(ころころ)あ、成功。 |
リーフ |
むむ、どうやら毒電波を受信中のようですね。 |
GM |
そのとおり、そしてブルーローズは見た! |
ローズ |
ああああ、兄貴がイタチに首と胴をまっぷたつにされてるううう!(笑) |
タイガー |
……予言が成就しないように、このガキを殺す。 |
GM |
あ、いや、そうじゃない。そうじゃなくって、ブルーローズが見たのは、うさぎたちとイタチ軍団が正面対決している光景だ。 |
ローズ |
あ、その光景の中で兄貴が首を……。 |
タイガー |
そんなに飛ばしたいんかい。 |
ローズ |
心配してるんだよぅ。 |
GM |
そして、その光景の中で戦っているうさぎたちは、妙に自信にあふれているような気がした。 |
ハービィ |
それはすごい。でも何でだろ。 |
GM |
そして、君たち5匹はそろって巨大な黒イタチと戦っている。 |
リーフ |
あ、じゃあその予言はあてになりませんね。私がメンツに入ってるんでしょう? 間違いですよ、それは(笑) |
タイガー |
何をすがすがしくドあつかましいこと言いやがるかな、こいつは。 |
GM |
そしてその後、ブルーローズの脳裏には、すさまじい轟音と燃えあがる炎と、パンパンという鉄砲のような音、つまり人間の持つ黒い筒からするような音が聞こえてきた。あとは、君が見たこともない格好をした人間の姿がたくさん見える。目や鼻の見えない、あやしげな恰好のオスたちだ。 |
リーフ |
地元の猟師さんという説はいかがでしょうか? |
ハービィ |
「おお。今日はイタチとうさぎが獲れたぞ、大猟大猟」っていうの? やだなあ、そんなオチ。 |
ローズ |
……くすんくすん。恐い夢見ちゃったよう。鼻をすすりながら皆に話そう。 |
タイガー |
確かに夢だな(きっぱり)。そんな程度のうわごとなら、ハービィもヤクでとんでるときにしょっちゅう言うぞ。 |
ハービィ |
うん。もうちょっと奇抜さが欲しいなあ。こっち食べてみたら、もうちょっとトリップできるよ。 |
リーフ |
そうですね、発想にももう一ひねり欲しいところです。もっとがんばりましょう。 |
ローズ |
……くすん。壁を向いて「の」の字を書いてよう。 |
ルー |
みんな、もうちょっとまともに聞いてあげたら? ハービィが言ってたことは一度として本当になったことはないけど、ブルーローズの言うことは、時々本当になるじゃない。 |
GM |
わりと最近からだけどな。(ブルーローズがESPに目覚めたのはつい最近) |
ローズ |
……ハービィの言うことって「ピンクの水玉のうさぎの王様が、切り株の上で逆さまになった宝箱の上で踊りながら電波を飛ばして紫の毛虫の勇者につまずいた」とかそんなんばっかりなんだもん。 |
ハービィ |
そうだっけ? 覚えてないや(笑) |
タイガー |
そういえば、こないだは「全世界がわたしの敵に回るー」とかいって暴れてたしな。 |
リーフ |
じゃあ、いじめるのはこれくらいにして、真面目に考えるとしますか。 |
ルー |
なんでこの巣穴のうさぎがみんな、自信にあふれて戦ってたのかな? |
ハービィ |
やっぱりコレじゃない?(薬をとりだす仕草) あ、ヤクのほうじゃなくて人間の街でとってきた薬のほうだからね、言っとくけど。 |
リーフ |
片耳の勇者シルバーファー様御推薦の、『仮名・簡単勇者製造薬』ですね。 |
ローズ |
これをみんなに使ったの? |
ハービィ |
わかんないけど、どんな効果があるのかは調べてみたほうがいいかも。 |
ローズ |
でも下手をすると、脳ミソばーんってなっちゃうって心の師匠がゆってたよ。 |
リーフ |
とにかく一日くらいかけて、その薬を調べておいたほうがよいでしょう。これもまた、面白い物語になりそうですからね。くすくす。 |
ルー |
ここの王様も薬草使いさんだったから、協力してくれるかな。 |
GM |
うーん、そうだなあ……。 |
リーフ |
何を言ってるんですか。わざわざ私たちがこの巣穴のためだけに、人間の街で苦労してとってきたこの薬を調べることを、まさか王様が拒否なさるはずがありませんよ。はっはっは。 |
GM |
王様は握った拳が震えてるぞ。「むぐぐ。誠心誠意、協力させてもらうともさ! 巣穴の誇りに賭けて!」 |
ハービィ |
あ、じゃあわたしは寝ててもいいかな? もうすぐ薬の時間だし(笑) |
リーフ |
では、薬の効用と効果時間、その他諸々を調べることを頼みましたよ、遠い巣穴の絶滅寸前の兄弟たち! わたくしたちは長旅に疲れましたから、来るべき戦いのために、ゆっくり骨休めをさせていただきます。 |
GM |
勝手にしてくれ、ちきしょう。(なんだかすごく悔しいらしい) |
ローズ |
珍しいね、シンキングリーフも戦うんだ。 |
リーフ |
もちろん。あますところなく戦いを見物し、語るにも体力は必要ですからね。砂かぶりというのも、これはこれで結構疲れるものなんですよ。 |
タイガー |
あー王様、ここで戯言ほざいてるうさぎは、遠慮なく助手にこき使ってくれ。 |