GM |
さて、ガープス・ドルフィンのセッション、記念すべき第一回目の始まり始まり〜。 |
ホクト |
ぱちぱち……おお、イルカだけに拍手は海面をヒレで叩かなければ(笑)。 |
マリン |
かうかうかうかう(イルカの鳴き声)。 |
GM |
おお、早速キャラに入ってるなあ。入りすぎて戻ってこれなくなんないでね(笑)。さて、ガープス・ドルフィンというだけあって、君たちはイルカだ。ただのイルカではなく、各種超能力やそれに類似した能力、そして優秀な頭脳を兼ね備えたスーパーイルカで、海や自然を護ることを任務としている。 |
プレアデス |
ふむふむ。 |
GM |
そして、イルカだけではなく、過去に自然と共存するためにナノマシンで改造された人間の子孫、トリトンと呼ばれる一族が、イルカと人間たちのかけはしになっているのだ。イルカはさすがに人間語は話せないけど、トリトンたちとはイルカ限定のテレパシーで通じあえる。 |
ルシーネ |
あたし、あたし。でも、トリトンの能力は、たいてい18歳くらいになったら消えちゃうの。 |
ビオラ |
でも今は仲良しだよ。人間は嫌いだけど、トリトンは好きだから。 |
ルシーネ |
……それはそれで、将来がちょっと不安かな。 |
GM |
さて、イルカたち。君たちはわりと大きな群の中で大きくなったわけだが、そろそろ、ホクトもマリン・スノーもビオラも修行する年頃だろうということで、ちょっと年長のプレアデスをお目付役にして広い海に放流されたわけだ。 |
ホクト |
オレたち、りっぱなイルカになって戻ってくるっすー。 |
プレアデス |
鮭じゃないんだから。 |
マリン |
ああ、これで誰にも干渉されることなくテレビが見れますね(ほくほく)。 |
ビオラ |
ああああ、回遊するのにテレビなんか持ち運んでるんじゃないわよ! わたしが『科学恐怖症』なのを知ってるでしょ! ああああ、ビデオデッキや高性能スピーカーまで! |
マリン |
いいじゃないですか。ぼくのサイコキネシスは、テレビを運ぶためだけにあるんだから。 |
ホクト |
……だ、断言しやがった。 |
GM |
はいはい、そこの才能たれ流しイルカは放っておこう。さて。君たちは、かつて人間から海の哨戒任務を与えられ、長い間平和を守ってきたスーパードルフィンの子孫だ。今はもう時代もずいぶんと変わり、そんなことはわりとどうでもよくなってはいるけどね。しかし、若い君たちは先祖の血が騒ぐのか、日々平和のために海の見回りをしている。 |
ホクト |
見回りと称して遊んでいる。 |
GM |
ま、そうともいうがな(笑)。そういうわけで、君たちは今日も島の入り江でのんびり遊んでいる。 |
ルシーネ |
あたしも、あたしも一緒ー。 |
プレアデス |
もちろん。ほーらルシーネ、大王イカを捕まえてきたよー、食べるー?(笑) |
ルシーネ |
あ、ありがとーママ。でも、ルシーネにはちょおっっっと大きいかなあ(汗っ)。 |
プレアデス |
好き嫌いしちゃ大きくなれないよ、ほら、はやくお醤油とワサビを持っておいで。バター焼きにするかい? (笑) |
ホクト |
ママ、ルシーネが大王イカの下敷きなって死にかけてるぞ。 |
ルシーネ |
……ママの愛が重い(笑)。 |
GM |
……いいけどね(諦)。で、残り2匹はなにしてんの? |
マリン |
ぼくは日向に出るのは嫌なので(『色素欠乏』だから、直射日光は浴びられない)、影になる場所にいます。そこで涼みながらテレビを見ましょう。もうすぐお昼のワイドショーが始まりますからね、人間がどんなことに興味を持つのか、知っておかなきゃいけません。 |
ビオラ |
だれかこのエセ学者を呼吸できないくらい深く沈めてよ。 |
ホクト |
かなり本気ですな、アネさん。 |
GM |
ま、そんなふうに今日もほのぼのと遊んでいるわけだが……。日影で涼んでる博士くん、ちょっと視覚の判定をしてみて。 |
マリン |
(ころころ)成功度は5です。 |
GM |
うん、じゃあわかるけど、今、君が涼んでる、影になる場所というのは、島の崖があるからなんだけど、そこの縁がいつになく危ない気がする。 |
マリン |
あ、それは大変ですね。みんなとルシーネに教えましょう。「ここにいると危ないですよ。崩れやすくなってますからねー」 |
GM |
と、声をかけるとほぼ同時くらいに、崖の一番出っぱったところにぴきぴき亀裂が入って、見るまに崩れ落ちていく。 |
ホクト |
うわー。 |
GM |
水柱を上げながら、岩の塊が落ちていくよ。気が付かなきゃ危ないところだった。 |
プレアデス |
ルシーネ、ルシーネ大丈夫かい? 怪我はなかった? |
ルシーネ |
う、うん平気。でも恐かったよぉ、ママ(泣)。 |
ビオラ |
危ないね、海のほうで遊ぼうよ。そのほうがずっと安全。 |
ルシーネ |
うん、そうだね。 |
マリン |
そうですね、でも海の上はまぶしいから嫌いです。 |
GM |
おそらく、2、3日前にあった地震のせいで崩れやすくなってたんだろうね。崖崩れはややあってから落ち着くよ。 |
ホクト |
じゃあ、ルシーネを背中にのっけて、沖のほうに行こう。 |
プレアデス |
うっかり潜ったりしたらだめだよ、ホクト。ルシーネが溺れちゃうからね、もしそんなことしたら、後で音波ビームで根性焼き入れるからね(真剣)。 |
ルシーネ |
ママ、殺戮はだめ。 |
ホクト |
……ママはイルカには厳しいな。 |
GM |
ええと、きみらスーパーイルカは、ふつうのイルカが探知のために使う超音波をさらに収束させて武器にできるのだが……麻痺ビームだから根性焼きは無理だと思うのよ、うん(ちょっと腰がひけている)。 |
ビオラ |
波にのってぷかぷか浮いてよう。私、太目だから浮かんでるの得意だし。 |
GM |
じゃあ、そんな気持ちよさげな君たちの頭に、何かがこつんと当たるよ。 |
ビオラ |
あれ? なに? 何か落ちてきた? |
GM |
うんにゃ。波間で漂ってたって言うほうが正解かな。魚が君の頭にぶつかった。 |
ホクト |
お。ごちそうだ。 |
GM |
うん、ちょうどいい感じに切り身になってるし。 |
ホクト |
は? |
マリン |
あれ、調理済みなんですか? |
GM |
てゆーか、かつて魚だったものが漂ってきている。ちなみにそれ一つじゃないね。大きいマグロなんかもずーたずたになって流れてきてるよん。 |
マリン |
これを人間の言葉で刺し身というんです。知ってます? |
ビオラ |
くだらない知識ばっかりテレビで仕入れて……。 |
プレアデス |
シャチに食われたとか、サメにやられたとか、傷口からわかるかな? そんな物騒なものがこのへんに現れて、ルシーネにお痛をしたら大変。 |
ルシーネ |
ママ……(じーん)。 |
GM |
それは《海の知恵》技能で判定してみようか。 |
プレアデス |
(ころころ)成功。 |
GM |
うーん、何か動物の歯の跡じゃなくて、道具で引き裂かれたみたいに見えるぞ。 |
ビオラ |
道具? ひどいことするなあ。ってことは人間の仕業? 禁止漁法でもつかったのかな? |
ルシーネ |
う……もしそうだとすると、同じ人間としては恥ずかしいな。 |
GM |
網とかに引っ掛かった様子ではない。包丁みたいな鋭利な刃物か何かで、切りつけられたように思えるよ。 |
ホクト |
どっちから流れてきてるかわかります? |
GM |
海流に乗って、沖合いのほうから流れてきてるね。 |
ルシーネ |
どうしよう、行ってみようか? |
プレアデス |
危険なことがなければ行ってもいいんだけどねえ。 |
ホクト |
……魚が切り身になって流れてくる、か。情に訴えかけるような、まったく気を引かないような、不思議な気のする事件だなあ。でも、まあ何が起こってるのかは気になるから、いってみようか。 |
マリン |
いってらっしゃい。ぼくはここでお昼の奥様電話相談室を見てることにしますから……モナ・ミンタのトークがけっこう辛口で……。 |
ホクト |
おのれも来るんじゃあ!(怒) |
マリン |
人間がどんなものに興味をひかれ、どんなことに悩むかを知るためにも、ぼくにはこの番組を見る使命があるんですよぅ。 |
GM |
ごねる『テレビ中毒』を引きずりながら10キロほど沖のほうに泳いでいくと……リーダーのホクト。サイコロ一個振ってみて(《導き手》の役目を持つものは、たいていの場合、群れのリーダーでもある)。 |
ホクト |
(ころころ)1です。 |
GM |
ふむふむ(ランダム遭遇表を見て)。友好的なザトウクジラが泳いできた。 |
プレアデス |
おやおや、小さな坊やだねえ(笑)。 |
ルシーネ |
ママが大きすぎるの。 |
GM |
いくらなんでも、そこまで大きくはないって。クジラ族は、人間が数千年前に《大撤退》でいなくなったおかげで、ずいぶんと繁栄している。《クジラ語》を話せるのは? |
ホクト
マリン
ビオラ |
はーい。 |
GM |
じゃあ、君たちにだけ「やあ、こんにちわ」と穏やかな声で話しかけてくるのが聞きとれるかな。 |
ホクト |
「最近どないでっか?」 |
ルシーネ |
ホクト、なまってる(笑) |
GM |
「んー、まあまあだねえ。あー君たち、どこかおいしいプランクトンのたくさんいる場所を知ってるかい?」 |
ビオラ |
えーと、私たちプランクトンあんまり好きじゃないから……。それより、クジラのおじさん。時々、魚の死んだのが流れてきてるでしょ? 何か知らない? 何か見なかった? |
GM |
「ああ、そうだねえ。船のスクリューにでも巻きこまれたのかねえ、かわいそうに。おじさんは何も見てないが、魚たちが大慌てで何かから逃げてきたところには出くわしたよ」 |
プレアデス |
何かから逃げてきた? |
GM |
「大パニックって感じだったねえ。そっちの方向に行くのなら気をつけなさい。何か巨大なお化けが出たって口々に言いながら逃げ惑ってたから」 |
ホクト |
お化け。 |
マリン |
なるほど、それは興味深いです、ぜひ見に行きましょう。 |
ビオラ |
いきなり積極的になったね。 |
マリン |
某昼の番組の夏の怪奇特集に体験談を送れば、ン万円分の図書券がもらえるんですよ。 |
ホクト |
どこまでも、テレビがらみかいっ。 |
プレアデス |
それにしても、イルカの恐怖体験談って送ってこられても困るんじゃないかえ? |
ルシーネ |
再現フィルムも面白くなさそうだよね。 |
ビオラ |
まあ、やる気になったんだし、いいことにしてあげる。 |
ホクト |
その、巨大なオバケのいるっていう方向って、魚が流れてる方向と同じなのかな? |
GM |
うん。 |
プレアデス |
じゃあ、流れてくる血の匂いをたどって、源を探す努力をしようかね。《鋭敏嗅覚》もあるから、たいした問題もないだろうし。 |
ルシーネ |
じゃあ、ルシーネは海面を主に探すから、みんなは海中に気をつけてね。何かあったら強く考えてくれれば、テレパシーで伝わるから。 |
ビオラ |
私も海面をいくわ。ルシーネ、背中に乗っていいよ。 |
ルシーネ |
わーい、ありがとう。 |