GM |
では、しばらくクジラのおじさんに教えられた方角に向かって泳いでいくと……。さて、イルカたちは、嗅覚の判定をしてみようか。 |
一同 |
(ころころ)問題なく成功。 |
GM |
さすが、敏感なイルカたちだな。進行方向に、血の匂いに混じって今まで嗅いだことのない不思議な匂いがする。 |
ホクト |
嗅いだことのない匂い? |
GM |
うん、人間の船の匂いに似てる気がするけど、ちょっと違う。オイルの匂いがする気もするし、生き物の匂いがするような気もする。 |
マリン |
何でしょう、まったく知らない匂いですね。どきどき。 |
ホクト |
……とりあえず、いまは怪奇特集に投稿することは忘れろ、マリン・スノー。 |
マリン |
むー。 |
プレアデス |
ルシーネをかばうように泳ごう。何が来るかわからない。 |
ルシーネ |
<ルカー>のジョーにつかまって、潜ってく。ママの後ろから。ジョーには酸素ボンベも内蔵されてるんだよ。 |
GM |
そのまま15分も泳ぐと、巨大な黒い影が見える。 |
ビオラ |
え、なになに? あれは何? |
GM |
クジラみたいに見えるね。少なくとも、形は君たちの良く知っているクジラ。 |
ルシーネ |
さっきのおじさんの親戚だー。 |
GM |
そして、しばらく君たちが呆然と見ていると、クジラがぱかっと口を開ける。そこからゴゴゴゴとすごい吸水音が聞こえてきて、海水もろとも近くを泳いでいた魚たちを吸いこむと、別の場所……お腹のあたりからからズタズタに切り刻んだものを吐き出したりしてる。 |
ホクト |
食べてるようでは、ないなあ。 |
ルシーネ |
うううーひどいことするー。そんなことして、何が楽しいのー? |
マリン |
あれって何なんでしょうねー、生き物なんですか? 表面はどうなってます? |
GM |
えーとね、『科学恐怖症』の人がいたよね、ちょっと恐怖判定してみよう。 |
ビオラ |
う、(ころころ)失敗。かなり引いてます。あれ嫌。気持ち悪い。15ターンは朦朧状態(泣)。 |
マリン |
おやおや。海中で朦朧状態になんかなると海流に流されていっちゃいますから、止めてあげます。2秒集中して……(ころころ)はい、サイコキネシス発動成功。 |
ホクト |
わざわざ超能力発動せんでも、鼻で支えるなり、尻尾に噛みついてやるなりすればいいじゃないか。 |
マリン |
身体を使うのはめんどくさいですから。 |
プレアデス |
うーん。それにしても、あのクジラみたいなものは一体何なんだろうねえ。ビオラがひきつけ起こしてるから、自然の生き物じゃないことは確かだけど。 |
GM |
では、科学的なことならなんでもわかってしまう《科学!》技能のある人、ちょっと判定してみようか。 |
マリン |
はいはい(ころころ)成功です。 |
GM |
あれはだね、昔の人造オートマチック漁船に似てると思った。クジラを改造した自動漁船なんだけど、マリン・スノーにはなんだかちょっと狂ってるみたいに見えるね。 |
マリン |
というわけです。……で、もうすぐ巨大メカに変形するんですよ(笑)。 |
ルシーネ |
すごーい(感心)。 |
GM |
しません。絶対に。 |
ルシーネ |
つまんなぁい。 |
プレアデス |
漁船としてはちょっとおかしいねえ。獲物も吐きだしちゃってるし。 |
GM |
あと気付くことは……ふつうは、そうやって何百年もメンテナンスなしで回遊してるから、表面にいろいろなもの……たとえばフジツボとかがくっついて、汚くなったりしてるものなんだけど、こいつは表面ピカピカだね。 |
プレアデス |
ということは、新品? |
ホクト |
磨いてくれる人間がいたとか? |
GM |
こういうものは、普通なら完全にコンピューター制御か生体頭脳が操ってて、乗り組み員なんかはいないもんだ。 |
プレアデス |
つーことは、あれは一応船か。……追いかけねば(プレアデスは「船を見ると追いかける」という「癖」を持っているんだ)。 |
ルシーネ |
だめだよ、ママ。吸いこまれちゃうよー。 |
GM |
じゃあ、プレアデスが本能にしたがってクジラ型漁船に近づいていくと、フィイイインと音がして口が開いて吸いこまれそうになる。とっさに流れから抜け出せるかどうか、敏捷力で判定してみようか。 |
プレアデス |
(ころころ)……失敗。 |
GM |
(おいおい、勘弁しろよ)プレアデスの身体がクジラに向かって吸いこまれていく。次に失敗したら、クジラの口の中だからね。ちなみにクジラの喉の奥では、鋭い刃がシャキンシャキンと動いて、獲物を待ってるよ。すごくよく切れそうな刃だからね。 |
ホクト |
マリン・スノー、サイコキネシスでママの身体を止めろ。 |
マリン |
……うーん、ぼくの超能力のパワーごときで「巨人症」のママが止められると思いますか? (妙に冷静) |
ルシーネ |
それよりも、みんなで尻尾に噛みついて止めてあげてよう(泣)。 |
GM |
マリン・スノー、もう一度《科学!》で判定してみそ。 |
マリン |
はい。(ころころ)問題なく成功です。何か役に立ちそうなことを思い出せましたか? |
GM |
うん。こういう漁船には、普通なら安全装置がついていて、人間が近寄ると、機能がシャットダウンするようになってるはずなんだけど……。 |
マリン |
ということです。ルシーネ、ママに向かってゴー。 |
ルシーネ |
ママー、ママー、今助けにいくからねー(必死)。 |
マリン |
……でも、どうも故障してるみたいですよね、この漁船……。 |
GM |
うん、よく気が付いたね。安全装置が働くかどうかは完全に運まかせだ。具体的には、サイコロを3つ振って12以下を出さなきゃいけない。 |
ホクト |
おいおいおい! |
プレアデス |
ルシーネ、来るんじゃないのよー!(あせあせ) |
マリン |
大丈夫、ルシーネくらいの体重ならぼくのサイコキネシスは有効ですから、危なくなったらそれで止めてあげます。 |
ルシーネ |
うん。じゃあ、信用してクジラに近づく。 |
GM |
自分で運命を決めてごらん。 |
ルシーネ |
(ころころ)……よかった、9だ。 |
GM |
安全装置は生きてたみたいだ。プレアデスを吸いこもうとする力は、ルシーネが近づくと、ぴたりと止まった。 |
プレアデス |
ほ。……助かったけど、なんとなく腹が立つからクジラを尻尾で殴っておくわよ。げし。 |
ホクト |
どこか他に安全に近づけそうな場所はあるかな? |
GM |
うん、背中の部分からなら、安全に近づけそうに見えるね。 |
プレアデス |
じゃあ、警戒しながらそっちにむかって泳いでいくわさ。 |
ルシーネ |
ビオラ、ビオラ。もう大丈夫だから正気に戻って、ぺちぺち(叩いているらしい)。 |
ビオラ |
うー(まだ朦朧としている)。 |
GM |
《航法》技能のある人……というかイルカ。落ち着いたところで、ちょっと判定してみて。 |
ホクト
ビオラ |
はーい。(ころころ)成功。 |
GM |
あのね、このままこのクジラが泳いでいくと、君たちがいつも遊んでいる島の入り江……、つまりルシーネが住んでいる島の、入り江に突っこむ可能性が大きいような気がする。 |
ビオラ |
それって、すごくまずくない? |
ホクト |
まずい……ような気がする。 |
GM |
動きはゆっくりなんだけどね。 |
マリン |
方向を変えるわけにはいかないんですかね。 |
GM |
きみたちに、これを操縦する手段はないんじゃないかな。 |
プレアデス |
破壊して止めるしかないのかい? |
マリン |
ふふふ……、まさか《水中爆破》の技能が役に立つ日がくるとは。 いろんな刑事物をテレビで見てきましたからね、理論的には問題ないはずです。 |
プレアデス |
……いまいち頼りにならない気がするのは何故だろうねえ。 |
マリン |
では、急いで通販で火薬を仕入れてきましょう。 |
ホクト |
間に合うかぁっ! |
マリン
ルシーネ |
でも、なんでこの船、新品なのかな。 |
ビオラ |
どこかから出発してきたばかりってことかな? こら、そこの腐っても学者、ちょっと調べてみなさい。 |
マリン |
……もうすぐドラマの時間なんですけど。 |
ホクト |
ビデオに録っとけぃ! |
マリン |
もちろん取ります。でもCMカットが……(ころころ)あ、成功度7です。 |
GM |
よほど早く終わらせてテレビを見たいんだね(笑)。根性のはいったマリン・スノーの観察からすると、背中の部分に、なんだか開きそうな箇所が見つかる。 |
マリン |
ここがあやしいですねえ。ここから中に入れそうですよ。 |
ホクト |
巨大な怪物を倒すには、腹の中から攻撃するっていうのがセオリーだな! レッツゴー! |
GM |
んじゃあ、ごつんとぶつかってくれ。まだ開いてないってば。 |
ホクト |
のおおおおお(きりきり舞いのポーズ)。 |
マリン |
鼻先で、つんつん。ここを開けるにはどうすればいいんでしょう。 |
GM |
そりゃ、鍵が必要なんじゃないかね。たぶん、電子キーだ。 |
ルシーネ |
なにそれ?(自然と共存して生き残った人類の文化レベルは、結構低いのだそうだ)。 |
マリン |
棒を穴に差しこんだり、薄い板を細い割れ目に差しこんだりすると開くってことです。 |
ホクト |
なるほど、じゃあそこらへんから適当な棒を拾ってきて……(笑)。 |
マリン |
それは、あきらかに無駄。専用の棒か板がどこかにあって、それでないとだめなんです。多分。 |
GM |
そのとおり。大抵そういうのは、人間の住処に置いてあったりするんだけどね。 |
プレアデス |
このクジラ漁船はどうみても新品だし、出港したばかりみたいだよね。泳いできたルートを逆にたどれば、今までいた場所っていうのがわかるかもしれないね。 |
ビオラ |
魚たちの尊い犠牲の血の匂いもまだ残ってるみたいだし。 |
ルシーネ |
島の入り江に突っ込ませるわけにはいかないから、このクジラさんに止まってもらうためにも、その鍵を手に入れに行こう。 |
マリン |
そうですね。ぼくはこのクジラを見張っていましょう。みなさん頑張ってください。 |
プレアデス |
人間の住処には、今持ってきてるテレビよりももっと性能のいいテレビがあるに違いないよ(ぼそ)。 |
マリン |
……と、思いましたが、学者のぼくがいかないとなにかと不自由なこともあるでしょう。ここは骨惜しみせずに付いていくことにしますよ(笑)。 |
ルシーネ |
ビオラ、大丈夫? 人間の住処にいくんだけど。 |
ビオラ |
う……(『人間に狭量』なうえに、『科学恐怖症』)。……でも、海を守るためだもの……。 |
ホクト |
よし、では行くぞ! |
プレアデス |
早く行かないと、血の匂いも消えてしまうかもしれないからね。急ぐよ。 |
ルシーネ |
はーい。それにしても、ときどきマグロの切り身とかアジのカケラなんかがゆらゆら浮かんでるわけだよね。 |
ビオラ |
シュールな光景だわ。 |
ホクト |
海面を泳いでいけば、その切り身を狙ってカモメが降りてくるのが見えるかもしれんな。 |
ルシーネ |
あ、それをたどっていくのがいいかも。カモメがここまで飛んできてれば、だけど。 |
GM |
たしかに、賢い方法だな。大丈夫、ここいらへんは、小さな島が点在してるから、結構カモメなんかも飛んできてるよ。そんなわけで、血の匂いやカモメの動きなんかを観察しながら、君たちはクジラが来たのではないかと思われる方向に泳いでいく。 |
ホクト |
こっちだ、こっち。 |
プレアデス |
おや。ホクトが珍しく《導き手》らしいことをしてるわね。 |
ホクト |
失礼なことを。 |
GM |
さて、しばらく行くと、不思議な建物が水中にたくさん沈んでいるところに着いた。ルシーネもいるし、君たちは人間との付き合いも浅くないからわかるけど、多分ここは数百年前には陸地だったんだろうね。地殻変動があって、海の底に沈んでしまったビル街だ。港もあったらしくて、埠頭のような形も見える。 |
ビオラ |
ううううう〜いやだわ、あの形の建物って、なんか嫌〜。 |
ホクト |
どう見ても人工物だもんなあ。 |
ルシーネ |
ビオラ、我慢してね(なでなで)。 |
GM |
2、3日前にあった地震の影響だろう、この建物のいくつかが傾いだり倒れたりしてる。 |
マリン |
うずうず。……このあたりからあのクジラ漁船が、秘密基地から出てくる巨大メカのごとくかっこよく出てきたにちがいないですね。一週間前に再放送した、あのなつかしの巨大怪獣大決戦のように……くすくす。 |
プレアデス |
これ、そこのマニア。悦に入ってないで、クジラの出てきたようなところをお探し。 |
GM |
では、《探索》技能のある人は、それっぽいものを探してみよう。 |
ルシーネ |
(ころころ)……水の中だからよくわかんない。 |
マリン |
(ころころ)……ビデオ屋はないのかな、きょろきょろ。 |
ビオラ |
(ころころ)……ううう、こんなところ早く出たいわ。めそめそ。 |
GM |
誰一人として成功しとらんのかい! |
ホクト |
うーん、クジラがここから来たことだけは間違いないみたいだし、もっとよく匂いを嗅いで追跡してみよう。匂いの濃いところを重点的にさがす。もう魚の切り身は落ちてない? |
プレアデス |
あれだけでかいものが通ったんだから、壁とかが剥がれたりこすれたりした痕跡もあるだろうし、海草が乱れた跡とかがないかも探すわさ。 |
GM |
ふむふむ。じゃあ、知力で判定をしてみて。 |
ホクト |
(ころころ)ぎりぎりで成功。 |
GM |
大きなドーム状の建物が、港の桟橋跡の近くに見えるね。いくつか同じようなものが並んでるんだけど、その内の一つが壊れてる。壊れかたが、なんだか新しい。縁にフジツボなんか付着してないし、まだギザギザもはっきりしてるよ。 |
プレアデス |
ほほう。あれがクジラの出発点ということかな? 何があるかわからないから、警戒しながら近づこう。ルシーネ、危ないかもしれないから、ママの後ろにいるんだよ。 |
ルシーネ |
はーい。 |
ビオラ |
ううう、なんか寒気がする。あまり近寄りたくないわ。 |
ホクト |
風邪か? (笑) |
ビオラ |
人工物に囲まれてると、悪寒がするの! 判定にマイナス2のペナルティを食らうくらいの! |
GM |
その巨大な人工物は、東京ドームの10倍くらいの大きさがあるよ。 |
マリン |
それは大きいですねえ。これは、もともと海の中に沈んでた施設だったんですか? |
GM |
うん。でもドームのてっぺんあたりには空気がありそうだよ。かなり古いから変質してるかもしれないけど。 |
ホクト |
それでも一応安心できるな。窒息する心配がないのはありがたい。(イルカはホ乳類なので、肺呼吸しています。一定時間毎に海面に上がって呼吸しないといけないの) |
GM |
ドームの正面とおぼしき場所に、四角くて大きなドアがあるんだけど、それがバタンと内側に倒れている。正確には、ドアとかゆーサイズじゃないけどね。 |
ルシーネ |
(首をかしげて)あのクジラさん、そこから出てきたのかな? |
ホクト |
じゃあ、ここにクジラの中に入るための道具が置いてあるのか。 |
マリン |
多分。あ、看板か何かないですか? どんなところなのか知りたいんですけど。 |
GM |
うん、あるよ。君もスーパーイルカのはしくれだから、字が読めるんだよなあ。 |
マリン |
ぼくは字幕のテレビ映画を見るためだけに、文字を勉強したんです。 |
プレアデス |
……そこまで徹底するあたりは立派だよ、アンタ。で、なんて書いてあるんだえ? |
GM |
一部こすれて消えてるけど「ほにゃらら・サイバー・テクノロジー」。名前からすると、生き物を便利なように改造する会社みたいだね。 |
ビオラ |
で、その改造ってクジラも入ってるのかな? |
マリン |
たぶん。ということは、間違いなくここが漁船クジラの故郷ですね。 |
ホクト |
じゃあ、中に入ってみるか。 |
ルシーネ |
あたし、イルカほど長く呼吸止めてられないから、外で待ってるね。<ルカー>の酸素も、残りが怪しいし。 |
ビオラ |
ううう、行きたくない(泣)。 |
GM |
機械の中に入るも同然だからね、『科学恐怖症』のビオラさんには恐かろう。ドームの中は広いよ。君たちが十分ならんで泳げるくらい。でも、しばらくすすむと奥に小さな扉が見える。 |
ホクト |
小さい扉? ママやビオラは通れるサイズかな? |
GM |
ママは明らかに大きすぎて通れない。ビオラは……お腹がつっかえる(笑)。 |
ビオラ |
レディにむかって、なんてことを(怒)。 |
ホクト |
ママ、ビオラ、つっかえるのは俺とマリン・スノーが通り終わってからにしてくれ。俺たちまで通れなくなる(笑)。 |
ビオラ |
むかむか。何かくやしいから、通りすぎざまにホクトとマリン・スノーを尻尾ではたいておくわ。びしばし。 |
ホクト |
うおー、やつあたり。 |
ルシーネ |
このパーティのイルカたちって、女の子のほうが男の子たちより巨大なんだよね(しみじみ)。 |
ホクト |
じゃあ、マリン・スノーと一緒に通路を泳いでいこう。ママたちはここで待っててくれ。 |
マリン |
すぐに戻りますからね。 |
GM |
その通路の奥にはテレビが設置されている。スイッチはもう入ってるみたいだ。 |
マリン |
(目の色が変わる)テレビ! 何が映ってます?(うずうず) |
GM |
君たちが通ってきた通路の様子。 |
マリン |
カメラがあったんですね。……ち、Vサインしておけば良かった。 |
ホクト |
そのヒレでどうやって? 俺たちはイルカなんだから、どうせなら華麗にポーズをとるんだ。 |
マリン |
なぁるほど。それは気づきませんでした。 |
GM |
あのな……。それはともかく、テレビ画面の手前には、キーボードが設置してあるぞ。 |
マリン |
ちょっと調べてみましょう。あのクジラのことについて、色々とわかるかもしれません。(ころころ)《科学!》技能判定は成功。扱い方はわかると思われますが。 |
GM |
(厳密には「コンピューター操作」の技能判定が必要なんだけど、まあいいか)じゃあ、マリン・スノーはコンピューターから例のクジラ漁船についてのデータベースを呼び出す方法をみつけた。キーボードを操作……するんだけど。 |
マリン |
(プレイヤーがじっと手を見る、つまりイルカはひれなわけで……)うん、大丈夫。こんな時のために、サイコキネシスはあるんです。多分。ぽちぽちとゆっくりひとつづつキーを押していきましょう。(ころころ)あ、失敗。うーん、どうもテレビのことが気になってるみたいですね。 |
ホクト |
横眼でちらちらテレビを見るな! |
GM |
じゃあ、10分休んで再試行してみる? |
マリン |
そうします。(ころころ)2回目……失敗。おかしいなあ。 |
ホクト |
……マリン・スノー、うまくやったら、あのコンピューター付きテレビ、持って帰ってもいいぞ。 |
マリン |
あ、なんか力が入ったみたいです(笑)。今度こそ(ころころ)……失敗。 |
ホクト |
……次も失敗したら、テレビにむかって音波ビーム吐くぞ。 |
マリン |
それだけは嫌です! (ころころ)……あ、クリティカル。 |
ホクト |
おいおいっ! |
GM |
じゃあ、無事に情報を呼び出せた。何から調べるの? |
ホクト |
まずは、あのクジラの詳細から見よう。 |
GM |
クジラ・サイボーグの造り方から? |
ホクト |
マリン・スノー、それは飛ばせ。見てもわからん。 |
マリン |
……改造手術は男のロマンなのにぃ。 |
ホクト |
いーから、次に行けいっ。 |
GM |
あのサイボーグ・クジラは、近海をぐるぐると回遊させて、2ヶ月ごとに港に寄らせ、成果を水揚げするようにプログラムされている。でも、その肝心のプログラムが狂うと、獲物をみじん切りにして吐き出したり、無差別大量殺戮に乗り出したりするらしい。 |
ホクト |
うーんたしかに大漁殺戮。 |
マリン |
字が違います(冷静)。 |
ビオラ |
そんな危険なもの海に放さないでよーっ! |
GM |
通路の入り口で誰かが吠えてるぞ。ちなみに、クジラの動力は初期型の核融合炉だ。これは調子が悪いと、すぐにボンとかゆって爆発したりする、お茶目な代物だったりする。 |
ルシーネ |
そんなの困るよお! もうすぐ島の入り江に入っちゃうんだよ。 |
プレアデス |
まったくだわね。 |
GM |
うん。それが危ないってことと、安全な<ルカー>用の小型核融合炉が開発されたこともあって、ここにあったクジラ改造漁船は封印されることになったみたいだね。 |
ホクト |
じゃあ、迂闊に破壊することはできないってことか。 |
マリン |
止め方、あるいは進路を変える方法は? |
GM |
停止スイッチがクジラのお腹の中にある。 |
ホクト |
腹の中? |
ルシーネ |
やっぱり中に入って止めろってことなんだね。 |
マリン |
中に入る方法は? |
GM |
キーボードの脇の機械が、ぺっと板のようなものを吐き出してくる。完全防水の、新世代超記憶媒体と思え、プレイヤーに疑問があっても思いこめ(笑)。これが背中にある扉を開ける鍵だ。 |
ホクト |
機械は水の外だよね? 飛びあがって口でくわえよう。(ころころ)よし、きれいにジャンプして、カードキーをくわえることに成功。 |
GM |
力いれすぎると、噛み砕くから気をつけろよ。 |
マリン |
じゃあ、このテレビ、持って帰ってもいいんですよね(笑)。 |
ホクト |
持って帰れたらな。オレは手伝わんぞ。 |
マリン |
……しくしく。 |
GM |
というわけで、通路の外で待っていた組と合流するけど? |
ルシーネ |
ルシーネも、イルカ型<ルカー>のジョーに乗って来たよ。 |
ホクト |
状況の説明をしよう。この板を使って、クジラの中に入るんだってさ。そいで、クジラの腹の中のスイッチを押せば、一応安全にクジラを止めることができるんだそうだ。 |
マリン |
早くしないと、どうもあのクジラ、爆発するらしいんですよ。 |
プレアデス |
それはまあ、人間の機械にはよくあることだね(笑)。 |
マリン |
そうですね、勝負に負けたりすると、必ずちゅどーんとかいって……。 |
ホクト |
それは戦隊物だ。趣味広いな、お前。 |
ビオラ |
ああもう、急がないとだめなんでしょうが! そんなほのぼのしてる場合じゃないでしょ。 |
ホクト |
そういえばそうだ。じゃあ、さっきのルートを逆走して、クジラを追いかけよう。 |