Group SNE
News
About SNE

Products

User Contents
●著者インタビュー
●イベントレポート
●リーダーズサーカス
●エッセイ
Link
indexに戻る
TOP > ユーザーコンテンツ > イベントレポート > 『ゲームマーケット2012 秋』レポート
イベント目次


ゲームマーケット2012 秋レポート


 
ゲームマーケットとは日本最大アナログゲーム即売会のことです。今回の開催日は11月18日(日)、会場は東京・浅草にある産業貿易センター台東館
 当日は日本中のゲームショップや同人ゲーム創作サークルがさまざまな作品を発表し、参加者数は合計で
4200人にものぼります。
 今回は「会場で感じたこと」をふんだんに盛り込む形でレポートを書いてみました。前回前々回のレポートを読んだ方も、ぜひ目を通してみてください!
執筆:秋口ぎぐる
 
■設営
 今回、SNEから参加したメンバーは安田社長笠井道子柘植めぐみ秋口ぎぐるの4人です。安田社長以外の3人は会場設営のため前日から東京入りし、当日は地下鉄で会場へ向かいました。
 会場1階のエレベータホールでは、関西のサークルの皆さんや岡山のショップの皆さんらとさっそく鉢合わせしました。旅先でよく知った人たちに会うと、ほっとしますね。
 ゲームマーケットは大きな建物の4階と5階、そして7階を使って開催されています。SNEが出店する大型ブースは5階。
 さっそくエレベータで向かったところ、会場ではすでに多くの企業、サークルが設営を開始していました。
 大型ブースの備品は販売用の長テーブル1つ椅子2つ、あとは試遊用の長テーブル1つ椅子6つ。まずやるべきことは、それらのテーブルにテーブルクロスをかけることと、あとはあらかじめ会場に郵送しておいた荷物を取りにいくこと。
 郵送した荷物は会場の端に一括して届けられています。SNEの荷物は段ボール箱が4つでした。それらを1つずつ抱え、ブースへと運び、開けていきます。
 今回の、SNEの商品は以下のとおり。
  • カードゲーム『キャット&チョコレート/幽霊屋敷編』(新版)
  • カードゲーム『テキサスゾンビーズ』
  • ボードゲーム『マーメイドレイン』
  • 新紀元社ネオゲーム文庫のゲームノベル&リプレイ
  • ファンタジー風ブレスレットや貯金箱、ぬいぐるみバッグ等
  • ボードゲームのコマストラップ
 本来はカードゲーム『キャット&チョコレート/ビジネス編』(新版)、そして完全新作カードゲーム『フィルムフィクサーも並ぶはずだったのですが、印刷の遅れで延期することに。
 ちなみにサンプルだけは印刷所から届いており、売り場の片隅にさりげなく置かれていました。



グループSNEブース

■開場
 参加者一同、拍手で開場の瞬間を迎えました。
 例によって会場入り口はすごい人です。なんでも建物の中だけでは収まりきらないほどの行列だったとか。我々自身はブースに張りついていたため、その光景は見ていないのですが……。
 開場前から並んでいる方々は「売り切れる可能性の高いレア商品」を狙っているわけですが、そうした商品は4階の一般ブースに多いため、我々の陣取る5階は開始してしばらくも、比較的のんびりした雰囲気です。
 とはいえ、さすがに海外の新作ゲームをたくさん用意されたショップさんや『ドミニオンマニアックス』で名を馳せたドミニオン木曜会などのブースは開場当初からすごい人気!
 ちなみに試遊卓ですが、午前中は基本的にどのブースでもあまり稼働していません。お客さんの大半は、まずは各ブースをひととおりまわって買い物をすませ、それらが一段落したあとに試遊卓で遊ばれるからです。



■会場の感想・その1/コンポーネントのクオリティ
 今回の秋口にはあるミッションが課せられていました。それは「めぼしい同人ゲームをたくさん買うこと」。夢のようなミッションですが、すべては年度末に発売されるボードゲームストリート2012の記事を(石在くんが)書くためです。要はそのための素材集めですね。
 というわけで、秋口はざっと5階をまわり、さらに人であふれかえる4階へと繰りだしていきました。
 全体的な感想としては、前回も書いたような気がしますが、「コンポーネントのクオリティが上がったなぁ」といったところでしょうか。
 ほんの数回前までは「手作り感のあふれるコンポーネント」が多かったのですが、今回は「ちゃんとDTPをして、ちゃんと印刷所に頼んで作った、クオリティの高いコンポーネント」がますます増えていたように思います。
 これはあくまで秋口の推測ですが、このゲームマーケットに関わるあらゆる企業、団体の中で、「おカネ儲け」という意味で最も成功しているのは、主催のアークライトさんでも超人気サークルでもなく、印刷会社さんではないでしょうか。
 19世紀アメリカのゴールドラッシュで最も儲けたのは(金鉱堀りのための)ジーンズの製造会社だった、という構図と似ていますね。
 これまた前回も書いた気がしますが、多くのサークルが「クオリティの高いコンポーネント」を用意するようになると、逆に「それだけでは目立てなくなる」という現象が生まれています。
 つまり……数年前までは「高い印刷費をかければそれだけ多く売れる」状況だったのですが、現在は、そうとは限らないということです。
 実際、秋口が親しくしているサークルの中にも、「(高い印刷費をかけてクオリティの高いコンポーネントを用意したにもかかわらず)意外と売れない……」と嘆いている方が多くいらっしゃいました。
「外見(コンポーネント)ではなく中身(システム)で勝負する時代になった」と言えば聞こえはいいですが、ではシステムさえよければ売れるかというとそうでもなくて、実際は「印刷におカネをかけるのは当たり前、その上で中身も優れていなくてはならない」という、作り手にとっては厳しい時代に……。



■会場の感想・その2/ショップの独自商品
 今回は「ショップさんの独自商品が増えた」という点も印象に残りました。すごろくやさんの『Mythe』やドロッセルマイヤーズさんの『巨竜の歯みがき』などなど、いずれも大人気です。目の肥えたショップ関係者が直接、制作に関わった作品ということで、そのおもしろさは折り紙付き。
 また当然のことながらショップさんとしては、メーカーから仕入れた商品を売るよりも独自商品を売るほうが利益が大きいわけで、こうした独自商品は高い価格競争力を持つことになります。
 さらに、多くのユーザはショップさんのサイトを定期的にチェックしていますので、宣伝という点でも「ショップの独自商品」は強い! まさに無敵!
 今後もこうした流れはますます増えてくるのではないでしょうか。


■会場の感想・その3/独自翻訳作品
 これまた印象的だったのは、海外ゲームの日本語版を制作・販売する企業が増えてきたこと。
 これまではメビウスゲームズさんのような老舗や、あるいはアークライトさんやホビージャパンさんのような大手しか行ってこなかった活動ですが、今回はニューゲームズオーダーさんが一挙3タイトルを発売。
 ニューゲームズオーダーさんは前回のゲームマーケットでも『ファブフィブ』の日本語版を発売し、絶大な支持を得ていらっしゃいます。またこれまた少し前になりますが、オインクゲームズさんも『ペンギンパーティ』を独自に日本語化し、『さるやま』として発売されていました。
 世界観の変更などについては賛否両論ありますが、絶版になっていた名作を日本のユーザがいつでも楽しめるようにしたこと、実際に多くのユーザが購入していることはまぎれもない事実です。
 こうした作品は、元々が海外や日本で高く評価されているものですから、前述の「中身=システムも優れて――」という要素は必然的に満たしています。それが日本人向けに、新たに(豪華に!)パッケージングされていることを考えると、むしろ売れない理由を探すほうが難しい!
 もちろん原版を作った海外のメーカーとしては、一定以上の制作数さえ見込めるのならば、日本のどの企業と契約してもかまわないわけで……。
 こうした新進気鋭の企業による「海外ゲームの日本語版の制作」についても、今後はいっそう増えていくのではないでしょうか。
 ――以上、まるで他人事のように書いていますが、もちろんそんなことはありません。今後、我々グループSNEは、こうした「ショップ発のゲーム」や「海外ゲームの日本語版」と対等に戦えるような作品を生み出していかねばならないわけです。
 なんだかめまいがしてきました。



Role&Roll Station

■販売
 午後からは安田社長も参戦。SNEブースでは抜群の存在感を示してくださいました。
 おかげさまで用意した『マーメイドレイン』は早々と完売。メインの『キャット&チョコレート/幽霊屋敷編』や『テキサスゾンビーズ』、各種ゲームノベルについても、予想以上に多くの方が手に取ってくださいました。
 残念ながらストラップなどのグッズ類はそれほど売れませんでしたが……やはり多くのお客さんにとって、ゲームマーケットは「ゲームを買う場所」であって「グッズを買う場所」ではないのでしょう(苦笑)。



二人合わせて圧倒的存在感
(新紀元社山田社長&ボス安田均)

■試遊卓
 試遊卓では『キャット&チョコレート/幽霊屋敷編』に加え、来春に発売が予定されている『ゴーストハンター13/タイルゲーム』のデモプレイも行われました。
 やはり『ゴーストハンター』シリーズには根強いファンが多く、デモプレイ開始前には「『ゴーストハンター』やりにきました!」とわざわざ並んでくれる方もいたほど。プレイ後の反応も上々だったようで、いまから発売が楽しみです。
 安価で、しっかりしたコンポーネントで発売されるといいですねぇ……。
 これはSNEブースの話ではありませんが、富士見書房さんのブースではSNEがゲームデザインを担当したデック構築ゲーム『
シルク・ドゥ・モンスター』のデモプレイも行われていました。あとからうかがった話によると、「試遊したプレイヤーの半分近くが実際に購入してくれました!」とのこと。本当にありがたい話です。


ゴーストハンター13/タイルゲーム試遊中

■ちょっとだけ打ち合わせも
 安田社長をはじめとするSNEメンバーは(ちょっとだけ)お仕事の打ち合わせを行ったりもしていました。相手は『キャット&チョコレート』のフランス版、『テキサスゾンビーズ』を発売してくれたムーンスターゲームズの社長、エマニュエル・ベルトランド氏。
 販売の合間を縫って、同じ建物の上階にある洋食屋さんで食事をしつつ仕事の話をしたのですが、ベルトランド氏は「僕の奥さんはベトナム人だから、僕も箸が使えるのさ!」と朗らかに言いながら鰻丼を食べていました。日本に来ると必ずウナギを食べるそうです。
 打ち合わせ自体は滞りなく進み、SNEとしては100パーセント満足のいく結果となりました。具体的な内容については近日、またこのサイトにてご報告できるはずです。


■撤収
 午後5時、ゲームマーケットは無事に閉場の時刻を迎えました。参加者は増え、だが事故などは起こらず、例によって大成功のイベントだったと思います。
 どんどん規模が大きくなるゲームマーケット。次回の会場は東京ビッグサイトという噂を聞いたように思いますが、完全に秋口の勘違いかもしれません。行きやすさから考えると浅草のほうがありがたいんだけどなぁ、などと個人的には思ったりもするのですが……。
 ともあれ、今年のゲームマーケット秋はこれにて終了。スタッフの皆さん、富士見書房の皆さん、そしてなによりブースに来てくださったお客さんたちに感謝です。
 本当にありがとうございました!
 次回は新作を
たくさん持って参戦したいですねぇ……。


イベント目次

TOP