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JGC07レポート

1.開会式(1日目)

  午後5時、それは始まりの時間。
 いよいよJGC開催です!

 会場に続々と参加者の方々が集まり、広い会場はすぐにむせかえるほどの熱気に包まれました。
 そして、おなじみ宮野洋美さんとライターの井上鮭さんの司会で開会式が始まります。
 壇には豪華ゲストの顔ぶれが勢ぞろい。いつかあの場所に上ってやるぜ! と思いつつカメラ片手に佇む僕。
 最初にマイクを握ったのはF.E.A.R取締役副社長の菊池たけし氏。
 落ちつきのある雰囲気で、まずはJGCの開催を心から喜ぶコメントを述べられます。参加者の心がしっかりと一つにまとまるのが伝わってきます。

 次に我らがボス安田社長が『六門世界RPGセカンドエディション』のテストプレイ中の面白エピソードを語ります。

「今回のシナリオでは歳をとる罠があって、26歳から56歳になったキャラクターがいました。そこで思わずおっさんやないかと笑ったのだけれど、よく考えると私は今年で57歳。笑った後で、落ち込みました」
 との発言に、会場が笑いに包まれます。
 そして最後は業界の重鎮、鈴木銀一郎氏。
「48時間遊ぶなと、いろんな人から怒られました


 その一言で、またもや大爆笑!

「(それでもやっぱり)48時間ゲームするぞー!」
「おぉー!!」

 銀一郎先生の意気軒昂なかけ声に会場は大盛り上がり!
 熱いゲーマー達のJGC2007はこうして幕を開けたのです。

開会式


2.SNEコンベンション(1〜3日目)

  がっつりと3日間、SNEのメンバーもTRPGをやってまいりました。
 合計40回を超えるセッション、1プレイが4時間として合計160時間超。とっても濃密なゲームの時間です。
 遊んだゲームのタイトルを少しだけ挙げると、発売されたばかりの『六門世界RPGセカンドエディション(以下六門2nd)』や、お馴染み『ソード・ワールドRPG(以下SW)』、『デモンパラサイト』に『ガープス・ユエル』、『ゲヘナ〜アナスタシス〜』に『トンネルズ&トロールズ第7版』など。

 あちこちで上がる歓声に誘われて、ちょっと卓を覗いてみると――おお、『六門2nd』の卓では、プレイヤー同士がハイタッチしています。戦闘で作戦が見事に決まったのでしょうか? 『六門世界RPG』はセカンドエディションになって、戦闘がよりスピーディに、そしてより爽快感が得られるようになっています。自然と盛り上がるのも納得です。

 『SW』卓では、プレイヤーの方々がなにやらマップを見て頭を捻っている様子。シンプルかつ応用性の高い『SW』ならではの凝ったシナリオが用意されていたようです。例年『SW』は人気のタイトルということで、今年のJGCでも多くの参加者が集まってくださいました。

 全ての卓を詳細にご報告したいところですが、あまりに長くなりそうなので、今回はSNEの完全新作『エムブリオマシンRPGをピックアップしたいと思います。
 舞台は架空の中世世界。プレイヤーは巨大ロボットを操る傭兵となって、さまざまな任務を請け負います。最大の「売り」は巨大ロボット同士の戦闘。各プレイヤーが2回分の行動を先に書き込んでおく、オリジナル・プロッティングシステムです。
 JGC2007では、その自慢の戦闘システムを利用したトーナメント戦が行われました。
つまり、プレイヤー同士によるチーム対抗戦です。

 相手の行動を予測し、より的確な行動を書きこもうと、プレイヤーたちは真剣な表情。そして、全員一斉に行動を宣言するフェイズで歓声、悲鳴、罵声(笑)!

 初お目見えのゲームだったにもかかわらず、2試合目からは完全にルールを呑みこみ、強力なオリジナル機体の作成もスムーズに進行していました。
 エムブリオマシンRPGならではの緊張と快感を充分に楽しんでいただいたようです。

 終了後、システムデザイン担当秋口ぎぐる丹野祐、ワールドデザイン担当片山泰宏に話を聞くと……

秋口「みなさんがよくて、1試合プレイしただけでシステムを理解していただけました」


丹野「なんだかプロッティングを外しても、ゲームを楽しんでいる方のほうが、最終的には勝利を納めておられた気がします。楽しんでいる人の方が強いのかな?」

片山「そう、『プロッティングでは勝ってるのにサイコロの目で負けたー!』って(笑)。それでも、終わった頃にはみなさん、もう達人の顔でした」

 プロッティングに勝って、サイコロの目で負ける――うん。そんなこともあります。友人と遊んだ時、まったくの初心者に3連敗した私がいうんだから間違いない
 SNE一毒舌と言われる秋口ぎぐるが珍しく真剣な顔だったのは、渾身のオリジナル・ゲームが多くのプレイヤーに受けいれられた満足感からだったのでしょうか。

 ところでもう一本、ついにテストプレイとして公開された新作『セイクリッド(仮)』を、ここで少しだけ紹介しちゃいましょう。
 プレイ卓では、プレイヤーさんたちは『セイクリッド』の世界にのめりこみ、本格的にロールプレイをしてくださったとか。斬新なシステムが大好評だったようです。

 では、制作者の力造にその「斬新なシステム」のポイントを聞いてみましょう。
 それは――
  1. サイコロプールをいじりたおすルール
  2. テーマは「未来を切りひらく
  3. を作ってスーパーコンボッ!
 まだまだあるようですが、「とりあえずこの3つ」。
 サイコロプール? 役? いじりたおす?
 むむむ。とても気になりますが、プレイヤーの方々の歓声を聞くに、とにかく派手で面白いゲームなのは間違いないでしょう。
 発売日などはまだ未定ですが、現在、SNE内で鋭意テストプレイが進行しています。
 10月28日に開催される「SNE創立20周年記念コンベンション」でも、よりパワーアップされた「セイクリッド」がお披露目される予定。
 詳細をお知らせできる日を楽しみにお待ちください。

3.ぶらぶらとJGC(1〜3日目)

  物販ルームでサイコロをあさり、新しいゲームを物色しながら、ついつい足が向くのはフリープレイルーム。参加者が自由にTRPGやボードゲームなど楽しむための、シンプルかつJGCを象徴する空間です。

 広い部屋に用意されているものは基本的に机と椅子と、「こんなゲームやりますよー」と告知の張り紙を掲示するためのボード。
 一見殺風景な部屋を一大ゲーム会場へと変貌させるのは、ほかでもない、ひっきりなしに上がる参加者の歓声です。
 フリープレイ会場は、Role&Roll主催の「第6回シナリオコンテスト&公認GMオーディション」を兼ねているというのだから、熱も入ろうというもの(オーディションの結果は『R&R』で発表されますので、お楽しみに!)

 私はといえば、楽しげにゲームに興じる方々を横目で眺めつつ、ゲーム告知の張り紙を眺めてまわった3日間。
 あれもやりたい、これも面白そう――と、ついつい呟いたりしながら。

 そして、ロビーにもなにやら楽しげに歩きまわっている方々の姿が。
 笑みを浮かべる彼ら彼女らの瞳に宿った真剣な光には見覚えがあります。――あれは、ゲーマーが本気でゲームを楽しんている眼
 そう、これが噂に聞くJGC名物、ライブRPGです。
 大勢の人が一斉に会場内を動きまわって1つのゲームを楽しんじゃおうぜー! というこの企画。初日(8/31)と2日目(9/2)の夜には『迷宮キングダム』、そして3日目の朝には鈴木銀一郎先生率いる『ナイトメアハンター=ディープ』など、そのタイトルも豪勢です。
 各ライブRPGの参加者の数は、なんと100人。そんなに大勢の方々が1つのゲームを遊ぶのだから、そりゃあ興奮も高まるはずです。

 ほかにも「TRPGセッション with F.E.A.R」「Yellow Submarin Con inJGC2007」「R-CON in JGC2007」をはじめ、D&DやウォーハンマーRPGの初心者向けセッション、『深淵 第2版』や『フォーチュン・クエストRPG』、新作ゲーム『りゅうたま』などの体験会が、3日間ほとんど休むことなく開催されていました。

 トークショー会場では、もちろんJGC恒例「井上純弌吼える07」や「菊池たけしとゆかいな仲間たち07」などが開催され、例年にもまして絶妙のトークがくりひろげられていたようです。
 日本を代表するゲームの数々が会場内のどこにいっても楽しめる、それはJGCならではの醍醐味。どこに目を向けても「ゲームしたいぜっ!」と胸が躍るJGCでした。

 
4.ソーサル・カンパニーへようこそ(1日目)

 07年12月に待望の翻訳サプリメント『ガープス・マジック』が発売されます。これは全世界、全宇宙の魔法が紹介されると言っても過言ではないサプリメントですが、それだけに情報量も膨大。これを手軽に遊んでいただくために、グループSNEでは『ガープス・ソーサルカンパニー』(以下、GSC)というオリジナル・ワールドを用意しています。

 JCG07では初日の深夜にトークショーが行われました。参加者は監修者安田均江川晃、メイン製作者の諸星崇安道やすみち
 初めてのトークショーということもあり、いささか緊張気味の諸星崇と安道やすみちでしたが、そこは老練な安田均が助け舟を出し、しっかりと『GSC』の魅力を会場の皆さんに伝えていました。

 まずは製作秘話から始まり、『GSC』の世界観を説明。その後、『GSC』オリジナル種族「シエロ」や「方具使い」の解説を行い、会場の皆さんは興味深げに聞き入っていました。

 そして、トークだけじゃない。この日は『GSC』の魅力を手軽に味わっていただこうと、スペシャル企画『GSCミニゲームが行われたのです。
 ルールは簡単。5人1組で血社と呼ばれる魔法請負会社を立ち上げます。そして、毎ターン3つの依頼から1つを選んで判定を行い、成功すると報酬が得られます(ガープスでは3D6を振って、目標値以下の目が出れば成功)。
 稼いだお金で、依頼の目標値を上げる技能を購入したり、投資の対象となる魔源石(毎ターン、価格が上下します)を売り買いして、最終的にもっとも収益を上げた血社が勝利します。
 最後は、目標値(!)という3D6では絶対に不可能な依頼を、技能を駆使して目標値12まで引き上げた血社『幻の霊薬』が大逆転。血社員全員ガッツポーズという劇的なエンディングを迎えたのでした。
 深夜のイベントでもあり、参加者数を少なめに見積もっていたのですが、蓋を開ければ大盛況。急きょ卓を増やすというハプニングもありながら、参加者の歓声に包まれて「ソーサル・カンパニーへようこそ」は幕を閉じたのでした。

ソーサル・カンパニーリプレイ 魔法の会社で大もうけ!』(監修=安田均、著=諸星崇/グループSNE、富士見書房)は11月20日発売予定。乞うご期待!


5.マンチキン体験会(1日目、3日目)
 
 マンチキン体験会では、昨年発売された『マンチキン』、JGC2007で先行発売された『マンチキン クトゥルフ』が遊ばれていました。
 なんとこの『マンチキン クトゥルフ』には、さまざまな新ルール新クラス(職業)が追加されています。さらに、前作の『マンチキン』と組み合わせることもでき、どーんとマンチキン・ワールドが広がります。!
 もちろんデザイナーはスティーブン・ジャクソン氏。本格汎用RPG『ガープス』だけでなく、『マンチキン』シリーズなど面白おかしいゲームまで手掛けるデザイナーで、われらがボス安田均の「戦友」とも言われています。
 今回、レクチャーを務めたのは、翻訳者の安田均柘植めぐみをはじめ、江川晃森本有美片山泰宏丹野佑ら。

マンチキンな人々

 さて、「マンチキン」とは「RPGを遊ぶ時、ルールの穴をついて最強キャラを演じるプレイヤー」のこと。そういうマンチキンなプレイを、カードゲームで楽しく遊んじゃおうというのが前作『マンチキン』。『マンチキン クトゥルフ』も基本ルールは同じです。
 ご存じの方も多いと思いますが、『クトゥルフ』とはラブクラフトの書いた小説世界をひとつの神話体系にまとめた「クトゥルフ神話」のこと。
マンチキン クトゥルフ』ではなんと、その「クトゥルフ神話」がパロディ化されているのです!
 たとえば、「クトゥルフ神話」に外せない御大将「大いなるクトゥルフ」は『マンチキン クトゥルフ』でも最強の敵として登場し、プレイヤーを恐怖におとしいれます。
 ……よかった、クトゥルフ様はまともだ。と思うのもつかの間。

 そこに現われる「チビトゥルフ」。
 ……小さいクトゥルフ様!? 超かわいい!

 モンスターだけではありません。読む者の精神と行動に悪影響を及ぼす魔導書として有名な「ネクロノミコン」も、『マンチキン クトゥルフ』にかかれば「ネクロノームコン」に早変わり(もちろん魔導書です)。
 元ネタが「ネクロノミコン」だけあって、とても強力な装備品なのですが――それにしても、「ネクロノームコン」って(笑)

 というように、じっくり味わえば笑えるネタ満載の『マンチキン クトゥルフ』、さて、じっさいのプレイのようすは……。
 イラストレーターの緑一色さんも飛び入りで参加してくださり、にぎやかなプレイがくり広げられていました。
 じつは『マンチキン クトゥルフ』には「狂信者」という新しいクラスがあり、プレイヤー全員が狂信者になればゲームは終了します(その時点でレベルのいちばん高いプレイヤーの勝ち)。
JGC参加者のみなさんは、この狂信者が大好き!
あっちでもこっちでも奇声があがり、プレイヤーが……もとい、キャラクターが次々と発狂していきました。
 そしてある卓では、「全員が狂信者になって、しかも全員が9レベル。すなわち、全員が勝利!」という、まれに見る結果を迎えていました。
 みなさんもぜひ一度、感覚が麻痺するほどの狂気を体験してみてはいかがでしょう(笑)。


6.バカバカRPGな私(2日目)

 JGC恒例、友野詳がお送りする『バカバカRPGな私』! 例年、深夜に開催されていたイベントが昼間に行われるということで、スタッフは多少「客入り」を心配しておりましたが、いざ開始されると、椅子は即座に埋まって大勢の立ち見がでる盛況っぷり!

 『Role&Roll』誌に連載、書籍の発売と絶好調のこの企画、今回も海外のマニアックでバカバカ(≒愛してる)なTRPGが面白おかしく、たっぷりと紹介されました。
 

たとえば……

友野「本の方の『バカバカRPGをかたる』(新紀元社)でも紹介した、『ブレイキング・ジ・アイス』。プレイヤー2人が恋人を演じて、交互にお互いをエスコートしていくゲームなのですが(詳しくは書籍で!)……この作者が新作を出しましたっ!」

 なんてショッキングなニュースでしょう。お客様も一斉にざわめきます。
 え? 『ブレイキング・ジ・アイス』のことをよく知らない? まだ書籍の『バカバカ〜』を読んでない
 大丈夫、ここは勢いで笑い、雰囲気で驚く。それが正しい「バカバカRPGな私」の楽しみ方なのです。

友野「タイトルは『シューティング・ザ・ムーン』! 前作は1対1の恋愛を取り扱っていたのですが、今作はプレイヤーを3人までに増やして、なんと「三角関係」を扱っています! やるなー、そう来たか

 ここで再びお客さんたちが歓声を上げます。拍手が混じったりもします。なんたって2人っきりの恋愛が三角関係に発展したのです。
 え? やっぱりイマイチ凄みが分からない
 はい、かくいう私もバカバカRPG初心者なのですが、友野の絶妙なトークでその「面白さ」は存分に伝わってきます。

 簡単に『シューティング・ザ・ムーン』の説明をしますと、基本的な構造は「1人を2人が好きになる」というもの。たぶん同性愛もOKです。前作でもOKでしたし、禁止する理由がありません。
 で、ルールにしたがってプレイヤーキャラクター(PC)の性格を決定すると――おお! 自然と「好きになられる方」と「好きになる方」は、反発しながらも気の合ういい感じの性格に。そして、ライバルとなる「好きになる方」2人は「絶対気が合わないだろうそれ」って感じのキャラクターになるんだから不思議ですね。
 ゲーム自体はPCがシチュエーションを申告し、サイコロの目で勝ったほうのストーリーが採用されて3人の関係が展開していくというもの。
 危うい三角関係がどのような経緯をたどり、どのような結末を迎えるのか。一度はじっさいに遊んでみたいゲームですね。
 他に紹介されたRPGについてはこちらのリストをご覧ください。

 そうした爆笑トークのあとに、ミニゲーム「バカバカRPGクイズ」が始まります。
 これは様々なTRPGに関するクイズを3択で出題し、間違えると事前に配られた「キャラクターシート」を破り捨てるというもの。
 せっかくですから、ひとつだけ紹介を。

友野「以下の人物のうち、『ガープス』で設定されている総CPが最も低いのは誰か? 1、ヒトラー。2、スターリン。3、チャーチル
 CPは高ければ高いほど強いキャラクターを表します。一般的には初期作成のキャラクターが、だいたい100CPくらい。
 クイズの正解はヒトラーで、たったの61CPとのこと。その根拠は不明ですが、案外、ヒトラーってたいしたことない(笑)?

 このように、「キャラクターシート破り率」史上最高とギネスブックに乗りそうな、難解クイズ続出で、おおいに会場は盛り上がったのでした。

7.ドラゴンを倒せ! 2007(2日目)

 この世界で最も多くのサイコロが集まり、振られる場所――それはもしかしたら、この「ドラゴンを倒せ! 2007」の会場かもしれません。
 そう、「ドラゴンを倒せ!」とは、たった1ターンの戦闘に90分もの時間をかけ、その間に(比喩ではなく)何千個、何万個のサイコロを振る企画なのです。

 簡単にルールを説明すると、ドラゴン(GM側)プレイヤー側に分かれて、六面体サイコロの出目の合計値が高いほうが勝ち」。以上っ!
 では、いったい何個のサイコロを振れるか? プレイヤーが持っている限り全てだ!
(実際には事前に配布されているカードによって、特殊効果を使用できたり、サイコロの上限が決められていたりと、もう少しだけルールがあります)。

 今回のドラゴン側は、4001個の六面体を振り、その合計値に20,000点のボーナスを加えます!
 なんか無茶なこと言ってますが、『ドラゴンを倒せ!』は今回で10回目。過去の結果は「人間側7勝、ドラゴン様2勝」と圧倒的に人間側が優勢。
 なぜなら! プレイヤーは1人当たり1000個程度のサイコロは楽勝で用意しているから。
 ちなみにこの日、最もサイコロを振った参加者は、優に2000個をオーバーしていました!

 いくらドラゴン様が強力でも、これでは勝ち目はありません。
 そこで、「ドラゴン様、いつも負けて可哀そうだし」と思う人間たちは「ドラゴン側」のカードを手に入れて、ドラゴン様に手を貸すことができるのです。

 今回の勢力分布をたしかめてみると、なんと3分の1ほどの参加者がドラゴン派に!

 結果はいかに? という緊張感のなか、いよいよ、ドラゴン側(SNEの面々)は4001個のサイコロを振りはじめます。清松みゆき安田均が1000個ずつふり、声優の明坂聡美さんにもゲストとして参加していただき、最後は企画を取り仕切る北沢慶が締めます。


 いっぽう、人間側では2000個超のサイコロを袋に詰め込んだプレイヤーが、まるで鳩に餌を与えるように、淡々とサイコロをふりつづけています。根底から煩悩を排したその姿に、しかし他の参加者は大ウケ! カメラのシャッターの音がとぎれることなく鳴りつづけたのでした。
 そして、ひたすらサイコロを振り、出目を数えつづけた90分後――ついに、結果が出ました!

 ドラゴン様の攻撃(『4001d6+20,000』)の合計は、35,088点! ちょっと普通のTRPGではあり得ない数字ですね。
 一方、人間側の攻撃力の合計値は、えーと……
はちまん? 82,774点って、ドラゴン様ダブルスコアで負けちゃってる?
 今年も例年通り、ドラゴン様はあっさり消し炭となるか――と、思いきや!

 先ほどご説明したとおり、今日はモンスター側として参加しているプレイヤーが大勢いらっしゃいます。そちらの集計結果は58,539点! なんかもうドラゴン様VS人間というより、人間VS人間におまけでドラゴン様がついてる感じですねっ!
 さて、数字を合計してみると――

 (人間側)82,774 VS 93,627 (ドラゴン様と仲間たち)

 ドラゴン様の逆転大勝利に、両陣営を問わず、素晴らしい戦闘とドラゴン様をたたえる歓声が上がり、拍手が巻き起こりました。
 ところで、イベント終了後。1人のプレイヤーが、2000個超のサイコロを振っていたプレイヤーに声をかけます。

来年は
3000個持ってきてくださいよっ!

 なかなか無茶な注文です。歴戦の勇者、2000d6の男も、そっと首を横に振ります。

いや、たぶんそれは90分じゃあ目を数えきれない。限界は2800個くらいかな

 否定の仕方もプロフェッショナルです。数ではなく、時間だけが問題なんだ。
 やはりクールでなければ、ドラゴンスレイヤーにはなれないみたいです。




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