◆大会開催までの経緯など |
今回の全日本選手権は、大会開催にいたるまでにいくつか特筆すべき点がありますので、まずはそちらの説明から。
まず、主催は昨年に引き続きグループSNE。そして今年は、ブシロード様のご協力を得ての開催となりました。
おかげで「月刊ブシロードpresentsブシロードワールドグランプリ2016」東京会場内、池袋サンシャインという素晴らしい場所でのイベント開催となりました。
そして、事前のTwitterアカウント「モンコレ全国大会運営委員会(@mc_sne_cs)」上でのレギュレーション検討。
今回の大会は「ネオスタンダード」というデック構築形式で開かれました。ネオスタンダードはカード種類数として考えると、第17回から見ればPRカード8種が増えたのみ、前回の第18回からは一切の変化がありません。
TCGの大会へ参加する際に参加者が気になることは、強いデックが強いままで上位を独占し続ける「環境の固定化」という点。この3年間は特に環境にほぼ変化がないこともあり、何も対処しなければ大会上位に食い込める「強いデック」が、完全に固定化している状況です。
そこでTwitterアカウント上で実際にモンコレファイターの皆さんのご意見を集め、「制限カード(制限カードに指定されると、デックに1枚しか組み込めない)」のアンケートを実施しました。
アンケートは10月20日ごろから約1ヶ月をかけて実施。最初は「制限カードが必要かどうか」の検討から始まり、次に「どの勢力に制限カードが必要か」を決定、最後に「選ばれた5勢力からそれぞれ2種ずつの制限カードを設ける」という流れです。
そして、次の10種を制限カードに指定しての大会開催となりました。
ブロック4 |
「オズボー将軍「銀角」 |
「ミノタウロスの戦斧」 |
ブロック5 |
「花桃蟲アッサム」 |
ブロックLE |
「スピア・バンブー」 |
ブロック6 |
「ホラー・ドローン」 |
「亡霊の魔導円」 |
「風神竜ベオウルフ」 |
「神刃鳥ベンヌ」 |
「クロス・ブレード」 |
「竜鳴の騎士ラインズベル」 |
|
◆12月24日の集結! |
今回グループSNEから現地へ駆けつけたのは、加藤ヒロノリと杉浦武夫の2名。
イベントの会場は、池袋サンシャインシティ・文化会館2F・展示ホールD。たびたびTCGの大型イベントが開催されている場所で、加藤・杉浦ともに訪れるのは数回目となる場所です。
SNEの2名は当日に来たため、会場へ着いたのは9時30分ごろ。そして全日本選手権のエントリー受付も9時30分まで。ブシロードの高橋さんと、ご好意でお手伝いに来て下さったKADOKAWAの荒井さん・菊池さんの2人のおかげで、すでに受け付けは終了していたものの、到着早々にSNE2名もイベント準備に取りかかります。
この日の全日本選手権の参加人数は135名!
事前予約者の80%弱のモンコレファイターが、全国津々浦々から集まってくださいました。
今年は「クリスマス・イブの上に、3連休の真ん中」という、いろんな意味で非常にハードルの高い日程でしたので、驚異の出席率と言えるのではないでしょうか。
|
◆もろもろ展示物 |
このイベントのモンコレ区画には、目を引く展示物がいくつかありました。
懐かしい「のぼり」も用意していただいてましたよ!
「モンスター・コレクションTCG 20周年記念商品」の展示物もお目見え!
新規イラストの中には、懐かしいあのユニットやこのユニットらしき姿も?
ガラスケースの中には、「シャドーボックス」と呼ばれる、複数のカードを加工して重ねたアート作品もずらり! 懐かしのモンコレカードが立体で並ぶ様は、なかなか壮観です。
こうした作品も、アナログカードゲームならではの楽しみ方ですね。
会場には富士見書房時代の、大きなトロフィーも展示されていました!
|
◆予選ラウンド:スイスドロー5回戦 |
135名の参加者の中から頂点を決めるとなると、かなりの対戦回数をこなさなければなりません。
まずは「対戦ごとに得点を集計し、近い得点の人同士をマッチング。得点の高い人が上位になる」というスイスドロー形式での予選ラウンド5回戦で、上位8名を選出します。決勝ラウンドに進出できるのは、この上位8名のみ。
休憩時間もあまりない中、次々と熱戦が繰り広げられていきます。
ちなみに参加者135名のみなさんのデック内容は、ざっくり分類して次のとおり。
【第19回・全日本選手権のデック内容内訳(50音順)】 |
デック概要 |
【構築条件】 |
合計数 |
アヌビス |
【2-3】 |
3 |
アポカリプスの魔剣 |
【5-6】 |
4 |
ウォー・ワイバーン |
【5-6】 |
1 |
ヴラドの一族 |
【5-6】 |
2 |
エルキュリア |
【5-6】 |
6 |
オーガ・エンジェル |
【2-3】 |
1 |
大型 |
【1-2】 |
1 |
大型 |
【3-4】 |
1 |
大型・水・深き者ども |
【3-4】 |
2 |
オーク・タウラス |
【1-2】 |
1 |
ガネーシャ |
【2-3】 |
1 |
神獣の乙女 |
【3-4】 |
2 |
グッドスタッフ・重スペル |
【LE】 |
2 |
グッドスタッフ・火魔 |
【5-6】 |
1 |
紅河ノ國 |
【3】 |
5 |
ゴッドイーター |
【GE】 |
1 |
真珠竜の秘宝 |
【2-3】 |
1 |
スキュラ |
【2-3】 |
2 |
スコーピオン |
【2-3】 |
2 |
精霊たちの狂宴・火 |
【3-4】 |
1 |
精霊たちの狂宴・火風 |
【3-4】 |
2 |
精霊たちの狂宴・水風 |
【3-4】 |
1 |
太古の巨神 |
【3】 |
2 |
鷹眼の行進曲 |
【4-5】 |
3 |
黄昏のワルキュリア |
【6】 |
2 |
鉄と鋼の王国 |
【勢力】 |
1 |
バードマン |
【1】 |
1 |
秘密の花園 |
【5-6】 |
1 |
|
デック概要 |
【構築条件】 |
合計数 |
秘密の花園 |
【勢力】 |
4 |
風神&雷神 |
【5-6】 |
2 |
風神&雷神 |
【勢力】 |
12 |
風魔の隠れ里 |
【勢力】 |
1 |
ベルゼブブ |
【2】 |
3 |
ホーリィの手記 |
【LE】 |
5 |
炎のラビリンス |
【3-4】 |
12 |
マーマン |
【3】 |
1 |
魔剣 |
【1-2】 |
1 |
水風・先攻・スペル |
【3-4】 |
1 |
水土・エルフ |
【1-2】 |
1 |
水土・セイクリッド・バハムート |
【LE】 |
1 |
碧鱗ノ國 |
【勢力】 |
3 |
モンブラン錬金研究所 |
【4】 |
3 |
モンブラン錬金研究所 |
【勢力】 |
4 |
ヨルムンガルド |
【勢力】 |
2 |
リザードマン・エルフ |
【5-6】 |
2 |
煉獄のディアブロ |
【1】 |
1 |
黄金の獅子宮 |
【3-4】 |
1 |
黄金の獅子宮 |
【5-6】 |
1 |
黄金の獅子宮 |
【勢力】 |
2 |
海賊都市クロスボーン |
【1】 |
1 |
紺碧海の女王 |
【6】 |
4 |
最後のファラオ |
【3-4】 |
3 |
死者の謝肉祭 |
【5-6】 |
6 |
不滅なる聖騎士 |
【LE】 |
1 |
夢魔の輪舞曲 |
【3-4】 |
2 |
緑の風の王国 |
【2】 |
2 |
|
……「ぜんぜんザックリしてないじゃないか!」と言われるかもしれませんが、まさにそのとおり。大枠で見て、56パターンものデックが使われておりました。
使用率が多い「トップメタ」と呼ばれるデックでも、「風神&雷神」14名、「炎のラビリンス」12名、「モンブラン錬金研究所」7名、「エルキュリア(エルフ+ワルキュリア)」6名、「死者の謝肉祭」6名……といったところで、かつてこれほど混沌とした大会環境はなかったと言える内訳です。
|
◆フリーファイト開始&豪華記念品の配布! |
13時ごろからは、当日参加できるイベント、フリーファイトも開始。
そして時を同じくして、ブシロード様ご提供の「特製モンコレ・箔押しトップローダー」の配布を開始! 全日本選手権へ参加中の方はもちろん、この時点でフリーファイトに参加なさる方にも配布されました。
このトップローダー、ホントに凄く格好良くて、参加者の皆さんにも大好評!
ちなみにフリーファイトには、けっこう当日参加の方も遊びにいらしていました。さらに全日本選手権のスイスラウンドが進むほどに途中脱落した皆さんが参加され続け、参加者はドンドン増加。
「8回もフリーファイトで対戦する人はいないだろう」という読みで、8対戦終了時の賞品を多めの「PRカード5枚」に設定していたのですが、まさかのPRカード不足に……すみません。代わりの賞品をブシロード様にご提供いただいて、参加者の皆さんにPRカード代わりにお渡しできました(汗)。
なんだかんだで、この1日でモンコレイベントには150名ほどの皆さんにご参加いただけたのではないでしょうか。
|
◆決勝ラウンド:シングルエリミネーション3回戦 |
いよいよ予選ラウンドの上位8名による、シングルエリミネーション(勝ち抜き戦)3回戦!
8名の多くが決勝ラウンド経験者、そのうち3名は全日本選手権の優勝経験者という猛者ぞろいです!
デックパターンは7種。
「風神&雷神」×2 |
「エルキュリア」 |
「最後のファラオ」 |
「死者の謝肉祭」 |
「炎のラビリンス」 |
「水大型(ダゴン風味)」 |
「碧鱗ノ國(リザードマン)」 |
|
予選ラウンドのデックパターンの多様性も凄いのですが、実際に大会を勝ち抜かなければ辿り着けない決勝ラウンドで、これほどデックパターンがあるのも驚異的といえるのではないでしょうか。
そして、準々決勝・準決勝と勝ち抜き、決勝を争ったのは、なんと「碧鱗ノ國」と「水大型」!
しかも2人とも決勝ラウンドに進出するのは初という組み合わせ!
その結果は?
……というわけで、第19回モンコレ全日本選手権を制されたのは、リザードマンを見事に使いこなされたハコさんでした!
上位入賞なさった皆さん、おめでとうございます!
【第19回モンスター・コレクションTCG全日本選手権・上位入賞者】 |
|
実のところ「制限カードは設けたけど、結局は昨年まで強かったデックが優勝しちゃうかも……」という予想もあったのですが、予想外かつ非常に面白い大会内容となりました。
事前にTwitterアカウント上で決定した、制限カードが活きた結果と言えるかもしれません。
|
◆そして20周年へ |
第19回モンスター・コレクションTCG全日本選手権は、ご協力・ご参加いただいた多くの皆さんのおかげで、無事に終了いたしました。
グループSNEの力だけでは、今回のような立派で楽しい大会を開くことは難しかったかと思います。
本当にありがとうございます。
そして2017年は、いよいよモンコレ生誕20周年の節目の年となります。
「モンスター・コレクションTCG 20周年記念商品」はじめ、モンコレ関連の動きがある1年になっていくかと思います。
これからも引き続きモンコレで遊んでいただければ、制作チームとしてこれほど喜ばしいことはありません。
今後とも、モンコレをよろしくお願いいたします! |