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2015 第25回OGA秋季大会、第6回四国ゲームワンダーランド レポート
執筆:安田均



 2年ぶりにやってきました。岡山OGA(岡山ゲーム協会)四国高松で行なわれたゲームワンダーランドのゲームコンベンション。
 今回は前回2013年の時と会場はまるで同じ、天気も同じく快晴ということで、ここは前回もぜひ参考にしてもらいつつ、読んでいただこう。


今回は写真を撮れなかったのでこちらは前回の写真ですが
今年もこんな感じの好天でした


 同行するのは、前回の河端ジュン一ではなく、黒井龍である。まあ、この伝統あるゲームイベントでぼくが行く場合、相方はSNEの新人となる。古強者の多い、岡山や四国の古参ファンに揉んでもらう・・・・・・のも一つの目的なのだ。それを知ってか知らずか、新幹線のなかから黒井龍はなんとなく落ち着きがなかった(ふふふ)。


 9月19日は、岡山駅でなじみの古徳さんや吉井さんのお出迎えを受けて、そのまま宴会へ。前回はJGCでひどい風邪をうつされ、最悪のコンディションだったのに懲りて、体調の方は万全を期した。特に今年は、8月後半の「夏のSNE祭り」「JGC(まもなくレポート掲載予定!)「OGA・ワンダーランド」「エッセン・シュピール(※リンクは去年のレポート)と、大型イベントが連チャンで2週間間隔で並ぶというハードスケジュール。たまに行く日本SF大会「SNE祭り」と「JGC」の間の8月末に米子であって、行こうかなとふと思ったりもしたが、さすがに諦めざるをえなかった。
 これでOGAさんにぼくが呼ばれるのは3回目だが、いつも居心地がいい。それは古徳さんや吉井さんがRPGよりもさらに前、シミュレーションゲームの頃からのボードゲームやSFファンでもあって、こちらの好みに近いし、年齢的にも楽なのと、なのに、以後もTCG、ボ−ド・カードゲームと新たなものにつねに興味を持っておられることもある。そして、そうした影響か、若い人たちも気持ちよくいろんなゲームを楽しんでいる。この自由闊達な雰囲気がぼくは大好きだ。そして、これは何よりも、岡山(や一時、高松)で「ボードウォーク」というゲームのお店を、25年以上続けてこられた斉藤店長のおかげが一番なのだろう。

 宴会では翌日もあるというのに、ゲーム話に熱中して、お開き後「ボードウォーク」さんに顔を出して軽く遊ぼうということになる。ところが世はシルバーウィークなので、店内は一杯。9時半になってもプレイスペースの活況はそのまま。ここは明日もあるし、解散か、軽く飲んでお別れになるのが普通だろう。しかし岡山では、こんなことではみんなは諦めない(ぼくだって)。こうなればとカラオケになだれ込んで、2時間ばかり「イカロス」と「テストプレイなんて全然してないぜ」を遊びこむことになった。めちゃ盛り上がることしばし(「テストプレイなんて全然してないぜ」は「フラックス」以来の傑作とお墨付きをいただいた)。やばいと気づいたのはぼく----盛り上がるのはいいが、このまま叫んでいると明日の声が出なくなる(JGCでおなじみの声枯れ)。必死に抑えて、ここは午前様になる前に解散することができた。


 翌日は10時半から会議場でゲームスタート。「お天気だけが問題ですよね、コンベンションは。晴れればみんな来てくれるから」スタッフの気がかりは快晴で杞憂に。80人以上の参加者でにぎわっている。
 RPGでSNE関連の卓が10ほど。いろんなサークルさんの連合体でもあるので、そうした人がゲームマスターになってがんばっておられたようだ。「ソード・ワールド2.0」「スタートセット」がもちろん多いが、「ゴーストハンター13」さらには「ゲヘナ」「六門世界RPG」なども!
 ボードゲームはぼくが「ブラインド・ミトス」「コクーン・ワールド」をやるので、2〜3卓有名どころを遊ぶ人たちも。
 黒井龍は、「ソード・ワールド2.0」のセッションに必死。終わって「きみ、今度出る自分の『ドラゴンズ・エッグ』のインストした?」
「あっ、やってません」それどころではなかったという顔つき。
「まあ、今日は時間が少し足りないからなあ、明日がんばれ」
 そう、10時半スタートで、お昼をはさんで、午後は3時で終了。会場の都合で、実質ゲームタイムは3時間半くらいだったのだ。普通のRPGだと1セッションだろうね。ぼくがこのところ主張している短時間ゲームの例として「ブラインド・ミトス」なら2回まわせるかと思ったが、これもはじめてルール説明すると、1回に2時間かかったので、急遽残りは「コクーン・ワールド・ザ・ボードゲーム」(2シナリオ1時間15分)と「イカロス」(1回15分)に切り替えてもらった。「ブラインド・ミトス」も慣れれば早くなる。翌日は2シナリオ3時間弱でまわせたけれど。
 3時からはトークショー景品抽選会など。まあ、トークショーといっても、会場の皆さんからの質問や今後の予定を話しているうちに、あっというまに経ってしまう。

「ソード・ワールド スタートセットの拡張はあるんですか」
「はい、絶好調なので、本体は緊急大増刷しています。拡張は来年の頭1月に予定してますよ」

「TRPGの新作は?」
大井雄紀がメインで、ゾンビもののRPGとボードゲーム(こちらはSNE/cosaicで、ぼくもディベロップする)の2本立て、
『ダイス・オブ・ザ・デッド(DoD、すなわちCoCとD&Dの間?)が来年3月KADOKAWAさん(富士見)から出ます」

「ボードゲームの隠し玉はありますか?」
公募コンテストの受賞作来年2月のゲームマーケット神戸で2点出したいのと、社内コンぺの優秀作、川人忠明『学園メテオ』とここにいる黒井龍『ドラゴンズ・エッグ』10〜11月に出します」

 ここで黒井龍が慌てて、自作のPRをはじめる。黒井君をいじるのはなんだか楽しい。これは会場のみなさんの暖かい質問のおかげもある。

「黒井さんはドラゴンがどのくらい好きなんですか」「もう
すべて好きです」
「美少女よりも?」「はい、
美龍はもっと好きです」
「ドラゴンズ・エッグもそういうゲームですか」「はい、これは
ドラゴンのドラゴンによるドラゴンのためのゲームです」
「SNEで尊敬する先輩はいますか?」「(ちょっと焦る)……北沢慶さんです」
「SNEで困った先輩はいますか?」「(もっと焦る)…………
みんな、よく食うので困ってます(黒井龍は食が細い)」(爆笑)
 う〜む、最初は緊張しっぱなしだったのに、何とか答えられるようにはなってきたみたいだ。みなさんありがとう。


こちらも前回の写真
前回はGH13、今回はJGCで先行発売した新作
「ブラインド・ミトス」のサインゲームをプレゼント
ちなみに 中央が古徳さんで、右側のお二人はご結婚されていました!
おめでとう!


 かくして夜は、イベントが盛況裡に終わったので打ち上げ。待ち時間には「ボードウォーク」さんで古徳さんが自分の新作(罵倒メインの大喜利ゲー)を披露しつつ、その場で意見を聞きたいという。おもしろいけれど、なかなか答えるのが難しい。とにかくゲームで盛り上がりながら、そのまま宴会へ。
 ここで、なぜか2年前の日本SF大会の実行委員長宮崎君と出会い、SF話にも展開(もちろんゲーム話の方が多かったけれど)。来年は伊勢志摩なのでどうですかと誘われてしまう。ゲーム関係おもしろければね、と答えておきました(できたら7月にしてほしい)。
 さて、この日は宴会が終わっても、それだけではない。
 海を渡るのだ。
 OGAのそうそうたるメンバーの大半と、9時過ぎには瀬戸大橋を渡って、高松に10時過ぎに着。
 そして、さらにある。実は2年前、ここで風邪のためにぼくはダウンして、うまい名物讃岐うどんを河端ジュン一のみが食いに行ったのだ!
 その名は
「しゃぶしゃぶ讃岐うどん」。黒井の言う‘よく食う困った先輩’として、これを食わずにおけるか! ということで、高松の橋架さんの案内で、そいつをごちそうになり(中身は牛肉赤身の讃岐うどん。うまい! ちゃっかり黒井も食っている)、午前様前後で爆睡についた。OGAからの面々はホテルもなく、それからも飲んでどこかサウナに泊まったそうな。若いなあ。


2日目も前回と同じく気持のいい天気でした


 さて、2日目の四国ゲームワンダーランド。晴天。きれいなビルの会議室4階からは瀬戸内海が見渡せ、じつに気分がよい(2年前と同じ)。参加者はほぼ前日と同じくらいで、こちらも盛況。‘四国’を謳うだけあって、4県と岡山や中国地方からも一部参加者はある。前回と同じ偽人さん中心に仕切ってもらって、10時半から、今度は4時半までたっぷり遊べると思いきや----いきなり予想外のトークショーからだと?
 頭がまだぼやけながらも、ここは黒井君ネタではじめて、グループSNE内の最近の四国勢の躍進(総勢25名のうち、川人、河野、大井、河端、西岡と2割を占める。ほとんどが若い)のことと、徳島香川愛媛(残念ながら刈谷がアークライトに行ったので高知がいない)3県のライバル個性面などを話してから、いざゲームに突入。
 こちらも4県のサークルさんからゲームマスターらが出て、14卓とRPGが多い。目についたのは「ソード・ワールド」や「六門世界」「ゲヘナ」「ゴーストハンター13」などにまじって「ディセント」か、やるなあ。いやいや、「ディセント」「ルーンバウンド」ストーリーボードゲームの嚆矢ですよ。ぼくもメインのインストはストーリーボドゲの「ブラインド・ミトス」。今回はシナリオを2本まわせて、かなり喜んでもらえた。あとはクニツィーアの新作「イカロス」、15分で一気に盛り上がれるのはやっぱりすごい。黒井龍も今回は「ソード・ワールド2.0」と自作カードゲーム「ドラゴンズ・エッグ」をインストでき、好評だったらしく満足げだ。
 その後、再びトークショー(こちらは質問と、近刊予告)の後、サインをさせてもらって、いったんお開きとなった。サイン会は岡山もだが、ここでも「ボードゲームストリート」とか「コクーン・ワールド」のボドゲなどは普通だけれど、「T&T」とか「ファイティング・ファンタジー」「トラベラー」「D&Dエンサイクロペディア」「マーメイドレイン」、はては「ドラマガ」創刊号とか、君ら何歳?と聞きたいものも多数。でも、若い子たちもいるので、時代は一巡りしているのかという気にもなった。


前回ぼくの隣にいたのはピンクの服の河端ジュン一で
今回は黒い服の黒井龍でした


 で、最後の打ち上げ。これはもうむちゃ盛り上がったので、自分がなにしゃべったのか不明。だいぶアブナイことも語ってたようだけど、そこはみなさん内緒だよ。最後に締めは、今回ようやく人前でしゃべれるように鍛えられたのか、黒井君が立派に語ってくれたのだけは覚えている。
 とにかく、晴天に恵まれ、また岡山、四国のすばらしいゲーマーの方々にも恵まれて、楽しいイベントを3日にわたって過ごさせていただきました。あっというまの天国滞在
 みなさん、どうもありがとう。


追記:
 おかげで、お約束の原稿締め切り地獄にいま堕ちています。ゲームの世界は桃源郷(リップヴァンウィンクル)、そこから覚めた現実とはこういうものですね。


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