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安田均のゲーム日記特別版
シュピール‘14 レポート
執筆:安田 均 /2014年10月
--INDEX--
  1. イントロ
  2. 旅立ち
  3. いきなりクニツィーア
  4. そしてブラックストーリーズ
  5. マジックとクトゥルフ
  6. そして新作の山
  1. 久しぶりレーマン
  2. ポーランド・ポーランド
  3. おや、スペインでは……
  4. ヤポンともう一つの日本ブース
  1. 大手コスモス突入
  2. フランス登場
  3. 気分転換
  4. ペガススとスティーブ・ジャクソン
  5. 最後におまけ
◆イントロ
 久しぶりだ。何がったって、エッセン・シュピールのレポをここに書くのが。
 調べてみると、1997年から2001年まで、ぼくがドイツゲームに熱中しはじめた頃の、このHPの「ゲーム日記」(註1)以来。つまり、あれから15年ほどが経ったわけだ。
 奇しくもあの頃は、RPGコンピュータゲーム全盛からネクストへ向かいつつある時期で、そこにはさまざまな候補分野があり、ぼくはそのどれにも噛んでいた。TCGラノベ、そして、現在のボード/カードゲーム
 まあ、順番はいま書いた流れだったわけだが、困ったのは往時、TCGの「モンコレ」と‘個人的なボードゲーム熱’が正面からぶつかったことだ。
 結果は、プロとしてやらねばの部分は先に流行ったTCGということで、注力のメインは「モンコレ」に向かった(それまで書いていなかった小説まで書いた)。こうしたボードゲームサブになることは、ぼくの人生でよく起こっている。
 そもそも1970年大学生頃の『アクワイア』からボードゲームにハマっていたわけだが、1980年代を通じてはSFRPGに仕事面が向かったので、ラベンスバーガーのボードゲーム(『うさぎとかめ』や『ドラダ』『空飛ぶじゅうたん』『アンダーカバー』『ミッドナイトパーティ』『アベカエサル』など忘れられない)や『1830』『タイタン』『アフリカ探検』『シビライゼーション』など米の重ためボドゲは余暇にしか遊べなかった。1980年代末に、英の「ゲームズ・インターナショナル」誌で、アラン・ムーンが‘これからはドイツゲームだ’と暴れまくっていたのも知っていた。

 この頃こそが、ドイツゲームの第一次発展期だと思う。「シュピールボックス」というメインの雑誌ができ、ドイツゲーム大賞(シュピール・デス・ヤーレス)が軌道に乗り、そしてエッセン・シュピール(国際ゲーム見本市)が広がっていった時期。作品も『スコットランドヤード』を起爆剤に、シド・サクソンアレックス・ランドルフを祖に、やがて『6ニムト』を作るヴォルフガング・クラマー、『カタン』を作るクラウス・トイバーらの鬼才・天才が活躍し始めた時期だ。
 そして1990年代後半には、ぼくはドイツゲームを発見(ボードゲームとしては再発見)して、「モンコレ」のかたわらでこっそり大騒ぎしていたのだが、当時はあまり振り返ってもらえなかったようだ。このHPの「ゲーム日記」と、その後の『ボードゲーム大好き『ゲームを斬る』本や、作品としての『トレインレイダー』『マーメイドレイン』、それに『アクアステップアップ』などボードゲーム・コミックを見てもらうと、その頃のボードゲーム事情がよくわかると思う。

 で、日本ではボードゲームはなかなかだなあと思いつつ、そうこうしていると、2010年頃から秋口ぎぐるが『キャット&チョコレート』で日本ボードゲーム大賞をもらったり、『ボードゲーム・ジャンクション』(著者インタビュー2014年5月)を出せたりして、‘これは今度こそホントに、日本でもボードゲームやカードゲームが広がり出すぞ’と、嘘じゃないかと頬をつねっていたら、何と! 自分でボードゲームを自社製作しはじめることとなり、みなさまのおかげでそれらがかなり好調と、はっきりいって信じられない事態が起こっている。

 ということで、初心忘るべからず、もう1回レポートを書いてみようと思った次第。ちょっと長い前置きになったけれど、ここからが実際のレポート、よろしくね。

1.旅立ち
ゴーストハンター ラプラスの魔 完全版 エッセンに旅立つ前日、ぼくは気分よく焦っていた。
 夕方ようやく久々の小説、ゴーストハンター・シリーズ第3作『アルケリンガの魔海が脱稿して、天にも昇る気持ちけだるい疲労感に浸っているまもなく、今回の旅仕度準備が待っていたからだ。普通の旅仕度の方は嫁さんも同行するので楽だが、こと仕事のボードゲーム関係については、小説書くのに必死だったから、まだ何もやっていない。
 会社に行って、少なくとも打ち合わせする各社関係スケジュールを再確認したあと、さてどんなゲームが出ているのかと、資料を見てびっくり。これは去年の1.5倍は新作が出るんじゃなかろうか。資料を揃えてくれた柘植めぐみに聞くと、プリンターで打ち出すのに半日がかり、800タイトルはあるんじゃないかという。資料にある各タイトルの美しい写真はよいが、説明は細かい英語がびっしり並んでいる。

 一瞬、脱稿後の疲労感で、うげっとなったけれど、元々大好きなものだから、やがて興味が湧き出すと猛然とチェックに入れた。夜中に一応終わる。でも、1回だけでは不安だ。最初のチェックで興味深い作品を200点少しまでフィルターにかけ、後は現地でと、その夜は快い睡眠に入った。

 翌朝、同行する英語通訳係のこあらだまり(ゲームブック、RPG/ボードゲームシナリオ、リプレイやディベロップなど、何でもできる上、通訳も免許取ってるらしい)と落ち合い、嫁と3人で関西国際空港へ。『アルケリンガの魔海』共著の秋口ぎぐるは仕事を先に済ませていたので、羨ましくも5日前に発って、チェコとか回ってから、ベルリンでドイツ語通訳のニコ・シュタールベルクと落ち合ってるという。ニコ君は以前日本に留学していて、RPGボードゲームグループSNEも大好きというぴったりの人材。3年前からエッセンに行くときにはお世話になっている。
 ぼくたちは空路フランクフルトに入って、そこからドイツ新幹線(DB)で、エッセンまで直行の予定。これまで
15回通って、だいたいこの路線だ。飛行機でデュッセルドルフまで出てもよいが、以前はライン渓谷を通る鉄道の旅がすばらしかったので、ぼくはいまでもこちらが好きだ。それに鉄道パスを持っていたら、欧州各地にも気ままに行きやすい。だいたいフランクフルト--エッセンの路線なら、日本の旅行会社よりもよく知っている。
 ということで、機内で資料第2次チェックをしつつ降り立ち、気楽に鉄道パスのバリデイト(有効化)をしようとキップ売り場にいくと、妙に人が多い。不思議に思ってると、なんとここしばらくDBストで、予定の列車がキャンセルだという。いきなりな出だしだが、まあこうした旅でのトラブルはつきものなので、あわてず騒がず。なんとか1時間ちょっと遅れのデュッセルドルフ乗り換えでエッセンに着いた。以前もこうしたことはあったので、‘こんなときにストかい’とは別に思わないが、腹立たしいのは日本の旅行会社。こうした事態についての連絡は、何度も手配してもらっててもほとんどない。以前は、エッセンへのICEが乗換えなのも伝えてくれてなくて、慣れてるこちらがわかったのでよかったが、ホントにああいう日本にいる担当者、現地のこと知ってるのかね。
 ということで、会場そばのホテルに到着。秋口ぎぐるニコと落ち合う。彼らもベルリンからストで大変だったそうな。疲れて遅くもあったので食事後は翌日に備えて寝る----ことはすぐにはできなかった。ICE内で第2次チェックを済ませてしまおうと思ってたのに、込み合って立ったりしたのでそれができず、最後はここホテルで夜中まで見直し。興が乗ったので、全部もう1回。よし、これで完璧
 社長ようやるわ好きやなあ、という同室のぎぐるの視線を受けながら、気づけばぐっすり熟睡の後だった。


2.いきなりクニツィーア

ライナー・クニツィーアのポイズン
(グループSNE/cosaic 11月発売)
 第一日目の朝は、実はエッセン会場から始まるのではない。
 なんと、最初はあのドイツゲームの巨匠ライナー・クニツィーアとの会見だ。今回、グループSNE/cosaicで『ポイズン』を出すことになり、そこで彼のファンである笠井道子(もちろんぼくもだが)がメールをやりとりしていると、エッセン会場近くの泊まっているホテルで会いましょうと言ってくれたのだ。クニツィーアは去年春、メビウスさんの20周年記念パーティに呼ばれて来日しており、いっしょにゲームをして、軽く言葉を交わしたことはあるが、こんな形で再会できるとはなんとありがたい!
 ホテルで待つことしばし、緊張気味の5人をマネージャーのカレンさんと蝶ネクタイ姿の紳士クニツィーアが暖かく迎えてくれた。そして落ち着いたホテルの一室で、マスコットのぬいぐるみコッタ君も交え、1時間弱、彼の作品についていろいろ語ってもらえた。


右から3人目:クニツィーア氏

クニツィーア氏から日本のファンへの
メッセージ!

コッタくん

内容を簡単に書いてみよう(会場でちょっと会うくらいと思ってたので、録音などはしていない。こういった要旨だったと思ってください)。



----これまでにどのくらい作品を作ったのか?

 正確にはわからないが、600ちょっとかなおそらく、他国版や製品に至らなかったものも含めての数字だろう。ほとんど失敗作はないので、とんでもない数だ)

----それだけ1人で作るのは大変だと思うが、手伝ってくれる人は何人くらい?

 テストプレイヤーは12人いる。チームを作って同時にいくつもテストプレイしている(これは他のインタビューでも読んだことがある。4つくらいにグループ分けして、つぎつぎに回しているようだ)

----現在住んでいるのは?

 イギリスのウィンザーで、長い間暮らしている。もちろん、ドイツに戻ることもよくあるよ(だからある意味、彼はイギリスのデザイナーとも言える。最近合作を出したセバスチャン・ブリーズデールイギリス人だ)

----モダンアート』にはじまり、『メディチ』を経て『ラー』に至る。競りゲームがお好きですね?

 うん、初期は多いし、最新作の『オロンゴ』も一部そうだね

----なかでも『ラー』という競りゲームがぼく(安田)は大好きだし、この分野の完成型とも思っているが、あれは競りの値付けがしやすいことを意識したのか?

 その通り。あのときは専業ゲームデザイナーになったばかりなので、力を入れてこれまでにない競りゲームを狙った

----ロード・オブ・ザ・リング』という協力ゲームも画期的だと思ったが、あれも協力型という新しいスタイルを意識して?

 もちろん。あれは物語を読んでから作ったので、フレーバーは大事にした。と同時に、ストーリーなので新しいタイプのゲームにしたかった。新しい分野のスタートには新しいコンセプトが必要だ

----われわれから見ると、あなたのゲームはまずシステムが先にあって、フレーバーは後付けに見えることもよくあるのだが、その辺は?

 決してそんなことはない。ゲームそれぞれに応じて、いろいろな形で作っていく。『ロード・オブ・ザ・リング』もそうした一つ(これは意図が伝わりにくかったかもしれない。彼には心理的なゲームもあるし、協力型ゲームなどはフレーバー重視だろう。こちらの好みで、切れのよいゲームシステムが目につくから、そう感じるのだろうか)

----これからどんなゲームを作るのか。

 いろいろ考えているが、新しいコンセプトというのが好きなので、そうしたものを作りたい。君たちにいま作ってるものを一部見てもらってもいいよ。ルールなど送るから。気に入ったら言ってくれ。

----わおっ!(仰天)

 とまあ、ありがたい結末になって、こちらも驚いたのだが、日本に帰ったら、彼からすぐに10ほどルールが送られてきた。宝の山なのですぐにでも読みたい(そして遊びたい)が、このレポを書かないといけないので我慢している。もし発表できるものがあるなら、そのうち紹介もしていきたい。

3.そしてブラックストーリーズ
 なんだか会場に入る前から、幸福なお腹一杯感になって、入り口のゲートをくぐる。もう初日から熱気はむんむん、いつもの光景だ。きっと4日間15万人を超えるのだろう(後で158000人という公式発表があったらしい)。しかし今年は、ここでいきなり新作漁りをしている時間はない。
 次の打ち合わせは『ブラックストーリーズ』のモーゼス社。幸い会社ブースの位置は去年と変わりないので、すぐに見つけることができた。去年と同じくオシャレな構えだ。あのときはとにかく、おもしろいゲームなので日本で出したいと必死にここへ向かっていたことを思い出す。数年前から‘おもしろそう’と思ってたのが、実際に遊んでみてその通りだったので、これはきっと運命的な出会いだと思い込んでいたのだろう。結果、海外担当のニーナが理解してくれて出すことができ、ありがたいことに思った以上のヒットに現在なってくれた。
 その意味で、今年はもう少し冷静に話せた気がする。相変わらず美しいニーナも喜んでくれて、早速2015年の予定を詰めることになった。まだ、ここでは詳しくは発表できない(詳2:とは書いたものの、こっそり予定表を載せてしまおう。あくまで予定ですが、おそらく年3点は出せるだろうし(テーマ編とブラックでないカラー編を含む)、もう一つ別のこれもおもしろいシリーズがお目見えすると思う。


 そして、何より興味があったのは『ブラックストーリーズ10周年を記念しての、同日夜のパーティだ。『ブラックストーリーズ』そのものが好調で、世界20か国ライセンシー(その国の版を扱う会社)の多くが集うらしく、いろんな国のゲーム状況も聞けそうでとても待ち遠しい。まさにシュピールらしい‘国際ゲームの場’になっているわけだ。
 ----ということで、時間をワープさせ、その日の夜になった。

『ブラックストーリーズ』
10周年記念パーティ

左:作者のベッシュ
左から2人目:イラストレーターの
スコープニク


 会場は見本市会場からチャーターバスで1時間はかかるレストラン。作者のベッシュやイラストレーターのスコープニクももちろん参加している。50人ほどのこじんまりとした集まりだが、10を超える国からライセンシーが集まっているというのはすばらしい。

 カナダ:『ブラックストーリーズ』を最初にドイツ外で出版した。カナダでも人気が出始めている。日本のゲームも知りたいと言われたので送る約束をした。

 ギリシャ5年前くらいから定期的に出ている。ギリシャでもボードゲームは広がり始めているが、まだ規模は小さい。

 ロシア:ボードゲームがかなりの勢いで広がっている。『ブラックストーリーズ』は1年前からだが5ついっぺんに出して好調だ。ロシアは『人狼』のもとになる『マフィア』が広がっていたくらいだから、ストーリーコミュニケーションゲームは大好きだ、ということ。日本電気製品が好きな若いナイスガイだった。

 デンマーク:なぜか『ヤッツィー』の売り込みに熱心な人。『ブラックストーリーズ』は3年間5万個売れたと言っていた。

 これに秋口ぎぐるが先に行っていたチェコでも、大きなフェアをやっていたというから、『ブラックストーリーズ』は世界的にもいま広がりだしているというべきか。
チェコのフェア

 作者のベッシュは最初売れない作家で、ようやく出版されるかというときに相手出版社倒産したらしい。そこで取り組んだ『ブラックストーリーズ』で、まさかこんなに当たるとは想像もしていなかったという。性格は陽気でむしろヤンキータイプ。8歳の娘が‘父さんが死んだら、わたしが跡を継ぐ’と宣言したと笑わせていた。イラストのスコープニクがいかにも寡黙なアーティストというのと好対照だ。『メイキング・オブ・ブラックストーリーズ』という10周年記念本も出ていたが、美しいと同時にそのブラックなセンスもすばらしい。いつか訳せたらなあと思っている。



サイン本を持ってご満悦

4.マジックとクトゥルフ
 さて、時間を1日目の昼過ぎに戻して----
 ここから例年のシュピール新作の買い漁りに入る予定だった。今回はこれまでを見てもわかるように、SNEで出したゲームとこれから出すゲームの出版社ゲームデザイナーとの打ち合わせが多く(去年3→今年10以上)、新作を悠然と買えるのは、なんとこの日の午後と翌日の午後の一部くらい。この間に、800を超える新作の中からめぼしいものを買い集めていかないといけない。
 しかも、今回はエッセン入りをする前に、他ゲーム分野からのボードゲーム話題作登場というビッグニュースも飛び込んでいる。それも注目しないと。
 一つは、TCGの祖である『マジック:ザ・ギャザリング』のカードを使ったボードゲームをマジックのデザイナーであるリチャード・ガーフィールドが作るというもの。ガーフィールドはこれまでにもボードゲームが好きでいくつか作っているが(出来不出来は激しい。カードホルダーを使った独創的でさすがと唸らされるものもあれば、バランスどうなってるのと呆れたものまで。同じ数学者でも、彼はクニツィーアの緻密さではなく、ユニークな独創性が特徴だろう。これが『ドミニオン』のヴァッカリーノになると、どれもかなりおもしろい)、今回はマジックのカードそのものが使えるボードゲームというのがウリ。

 これはマークせねばと、会場を探したが、初日は見つけられなかった。あとで、ハスブロのブースにあると知ってデモプレイを見たが、ヘクスを使った昔懐かしいストラテジー・ボードゲームというタイプだった。確かにマジックのカードを使っていて、それがメインだろうが、ゲームシステムは近年発展したドイツゲーム・タイプではなさそうだ。来年夏のオリジンジェンコンで発表になりそうで、実物が出るのを待ちたい。
 そして、もう一つ、こちらはホラーRPGの元祖クトゥルフの呼び声クトゥルフ神話RPG)』を作ったサンディ・ピーターセンが、みずからデザインするボードゲーム『クトゥルフ・ウォーズ』。すでに‘クトゥルフ’はローニウスの『アーカム・ホラー』などボードゲームでの傑作も出ているが、こちらはもろに‘旧支配者’が各カルト教団によって地球に降り立ち、みずからの支配を賭けて戦うという、「ありか、そんなの」というべき最終戦争もの。
クトゥルフ・ウォーズ
『クトゥルフ・ウォーズ』

 現物はキックスターターシステム1億4000万円もの額を集めて、今年12月にリリースということで、ファンたちが遊んでいた。クトゥルフをはじめ、巨大な旧支配者のフィギュアが地球上を蹂躙している。見た目の迫力、スゲエ。ゲームシステムはこちらはエリア方式で、見た感じはドイツゲーム的な感じもする。
 値段を聞くと、15000円くらい。これだけ広くて、大きなフィギュアを数多く使ったら、まあそれくらいにはなるのだろう。日本でも売らないかと言われたけれど、日本だと20000円超えるんだろうなあ、どなたかよろしく(ぼくはもちろん買いましたよ)。
 そして、驚くべきニュースがもう一つ。『クトゥルフ・ウォーズ』が成功しそうなので、第2弾は‘ルーンクエスト’の同じくボードゲーム『グローランサ;ゴッズ・ウォー』だそうだ。おお、これもすごい、と喜びつつ、あれ、‘ルーンクエスト’って、もとから背景はグレッグ・スタッフォードの作ったボードゲーム『ホワイトベア&レッドムーン』だったよな。だから、なんの不思議もないじゃん。そりゃ、スタッフォードじゃないけど、ピーターセンケイオシアム社の一員だったから先祖帰りかい、というような妙な感覚だ。


『グローランサ;ゴッズ・ウォー』

 それにしてもグローランサの‘神々の戦い’は‘旧支配者’の戦いにも増してすごいかもしれない。
 TCGのマジックといい、RPGのクトゥルフ、ルーンクエストと言い、近年の革命を起こしたゲーム形式が、今度は雪崩をうってボードゲームに向かってきた、というのがここエッセンで今年見た一つの印象的なシーンだったと思う。
 さて、ソード・ワールドは? モンコレは? フフフ……(特に意味のないセリフです、いまは。考えてないことないけどね)


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