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R-CON ウエスト レポート(2)

ソード・ワールド トークショー 「サーラの冒険」
(213会議室)
 ガープス体験イベントの合間を縫って、山本弘さんのお話をお聞きしました。
「サーラの冒険」は10年近くもの間ストップしてしまったシリーズです。復刊が望まれていたのですが、この7月にそれが実現する運びとなりました。山本さんの中でもいろいろな葛藤があったそうですが、10年ぶりに読み直したら面白かった、ということで再び筆を執られたとのことでした。
 面白いものは誰にも共通です。何にも共通です。そしてそれは、いつでも共通である。そんなメッセージを感じました。物書きを志すものとして、心にとどめておきたいと思います。
海外ファンタジー小説トークショー (213会議室)
 山本さんのお話に続いて、安田社長、笠井道子、柘植めぐみによる海外ファンタジー小説の紹介イベントが行われました。
 小説の中身を漠然と話すのではなく、ゲーム的な要素を絡めるように紹介されていました。物語中の能力を実際に使ったらどうなるか、そういうお話だと、興味もわきやすいですね。
 ゲームとは直接関係ないイベントなのですが、多くの人が足を運んでらっしゃいました。笠井さんもそう思われたようです。

笠井「数年前は4、5人だったお客さんが10人以上来てくださって嬉しかったです。新しい小説で説明が難しかったですが、ホームページなどで確認していただければと思います。1時間あっという間でした」

 社長からも一言いただきました。

安田社長「お買い上げくださーい」

 やはり「おもしろい」いうものの根は共通ですね。「サーラの冒険」のトークショーとあわせて、再認識したイベントでした。
ゲヘナ&真・女神転生サイン会
(215会議室)
 
ゲヘナ連撃合戦! に引き続いて行われたイベントです。今回プログラムに組み込まれている唯一のサイン会でした。  実は私、作家の先生のサイン会というものは見たことがないんですよね。ちょっと興味がありまして、脇で見させていただきました。サイン会でサインをせず、かと言ってもらいもしない怪しいやつがひとり、会場に紛れていたわけです。
 それはともかく。
 作家という職業は、読者の方と直に接する機会がほとんどないんですよね。そのためか、どの先生もファンの方と会話をはずませてらっしゃいました。その姿がとても嬉しそうで、印象的でした。
 すぐに終わってしまったイベントでしたが、短くも深い交流を見せていただけた貴重な時間でした。
六門世界RPGミニライブ (215会議室)
 ゲヘナ連撃合戦! と同じ形式の、六門世界のライブイベントです。担当は加藤ヒロノリ、北沢慶、日高卓。
 こちらは加藤さん率いる「ホーリィ陣営」と、北沢さん率いる「マリア陣営」とのガチンコバトルです。両陣営とも、15名近いプレイヤーを抱えての対決。これはこんな場所でしかできない! もちろん初めての方もいらっしゃるようですが、一緒に楽しんでいらっしゃいました。
 敵味方が明確なこともあってか、みなさんかなりの興奮ぶりです。ダイスの音に続いて歓声が上がったり悲鳴が上がったり。絶叫や勝ち鬨なんかも上がってます。悲喜こもごも。
 そうこうするうちに最終対決を迎えました。ダイス対決!

 ホーリィ陣営:14D vs マリア陣営:44D。

 44D!? 手に収まるんでしょうか? というか、勝負は見えているような……。
 結果。

加藤「カードバランスが悪かった! 悔しかったけど、楽しかったからいい!」

 明日はゲームバランスを再考して開催されるそうです。ホーリィ組、リベンジだ!
ゴーストハンターRPG02 ミニライブ
(213会議室)
 三卓に別れてそれぞれにプレイ。最終的には大ボスを全員で協力して打ち倒す。別個に進んでいるはずの物語がリンクするという一風変わった形式のTRPGです。友野詳、柘植めぐみ、三田誠がマスターを担当しました。
 全員対一人ですからね。そりゃあ盛り上がるルールですよ。213会議室はやや奥まった位置にあるのですが、歓声や悲鳴が廊下の方まで思いっきり聞こえてきました。最終的にひとつの卓を二十人近いプレイヤーが取り囲むことになり、全員がダイスの目に一喜一憂するわけです。壮観でした。
 見ず知らずの人との間に生まれる一体感。TRPGの醍醐味を最も味わえるイベントだったのではないでしょうか。
 ちなみに。
 二週目のプレイの際、森本さんが「入りたーい!」と強く主張したそうです。で、

  友野「そこのスタッフ」

 と冷たく言われてとぼとぼと退散したとか。
 よっぽどプレイしたかったのでしょう。この話、森本さんから何回も聞かされました。
 というわけで書いてみましたが、森本さん、少しは気が晴れたでしょうか。
モンコレ大会 (214会議室)
 時刻は0時です。誰も寝てません。
 というわけで、この時間から始まるイベントです。加藤ヒロノリ、杉浦武夫、日高卓の担当で、モンコレ・バトルロイヤルが開催されました。
 TRPGばかりに目が行きがちですが、こちらはTCGオンリーのイベントです。グループプレイではなく、一対一の純粋な勝負ですね。また違った趣があります。
 己の力で道を拓くか(TCG)、仲間とともに闘うか(TRPG)。比較してみるとまた違った側面が見えておもしろいです。  お客さんも結構入ってますね?

加藤「TRPGイベントにもかかわらず、たくさん参加していただいてありがたかったです」
日高「思ったより人が来てくれてよかったです。今も多くの人にプレイされているようで嬉しいです」

 盛り上がっていていいですね。プレイヤー参加した篠谷さん、いかがでしたか?

篠谷「ずーっとマグナ(マグナ・スペクトラ)をしていたので、久しぶりで楽しかったです」

 なるほど。しばらく離れていたゲームだからこそ、改めてその面白さが実感できる。たくさんのゲームが集う〈R.CON〉には、そういう楽しみもあるのですね。
 みなさんもそれぞれに楽しんでいらしたようです。どうですか、杉浦さん?

杉浦「そうですね。勝負と言っても、和気藹々として楽しかったです」

 ちなみに大会の結果は?

杉浦「加藤ヒロノリが断トツで最下位でした」
篠谷「わたし、たぶんブービーで〜す」
 スタッフの鑑のような方々でした。
百鬼夜翔トークショー (215会議室)
 足掛け15年もの間続いたシリーズの完結を記念して、友野詳、清松みゆき、川人忠明、柘植めぐみ、北沢慶による締めくくりのトークショーが行われました。開始時刻は午前1時。窓の外を見てみましょう。ほら、何かの姿がありませんか……?
 最後ということで、とにかく裏話が連発です。あっちで枚数オーバー。こっちで枚数オーバー。だったらおれも枚数オーバー。作家陣の暴走の結果、百鬼夜翔最終章は本自体が一冊増えてしまったとか。
 先生方、何か仰りたいことが?

  全員「もっと書きたかった」

 ……左様ですか。
 妖魔夜行から百鬼夜翔へと続き、15年間にも渡って続いてきたシリーズです。思い出話も尽きません。「好きな妖怪は?」という読者さんへの質問の答えに、会場からどよめきが起きたり。

柘植「競馬とパチンコの話を書きました」
清松「プロ野球と麻雀を書いたんだけど、いまいちの反応だったなあ」
友野「自主映画の制作話は一般にはうけないとわかった」

 実は趣味丸出しだったという先生方の暴露話も。
 そして、恒例の怪談大会もありました。

「時計の音がある日だけ、「父・さん・死ん・だ」と聞こえた。その日に限って、父がみやげを買ってきてくれた」
とか、
「祖父の夢を見た二日後に、祖父が亡くなった」
とか、
「同じ駅で5日連続で人身事故が起こった。ある日、普通列車の中に顔の見えない高校生の女の子が立っていた。見間違いかと思ったら、周りのみんなも「あの子、何?」と言っていた」
とか。
 私はこの手の話とは無縁なので、勉強になります。ふむふむ、いろいろな話があるものですね。
 ひととおり話が終わり、とうとう15年の締めとなりました。

柘植「これで終わりか……。15年か……」
北沢「最後のイベントとして、感慨深いものがありましたね」
川人「これからもゲームサポートは続けていきたいです。できれば外伝も。ためになりました。おもしろかったです」

 最後は拍手に包まれての終了となりました。私はシリーズに直接関わってはいないのですが、それでも胸を打つものがありました。
 先生方、シリーズに携わった全ての方々、本当にお疲れ様でした。
その他
物販スペースの脇では「マグナ・スペクトラ」の体験会が常設されていました。イベントの合間など、時間の空いた参加者の方がプレイしていたり、手の空いたスタッフ同士が対戦したり、いろいろな形で盛り上がりを見せていました。
 また、合間を縫って安田社長によるボードゲーム大会が開かれました。デジタルだけがゲームじゃない! なんてことはみなさんよくご存知ですね。
 誰でも簡単に入り込めるのがボードゲームのよさです。卓の周りは大盛況で、隣で行われていたガープスの体験イベントでは、かなりの声量を要求されました。ボードゲームの盛り上がりに圧されて、参加者のみなさんに声が届かないんですよ。イベントスタッフには大きな声も必要です。勉強になりました。
 他にも深夜、「ワールド オブ ダークネス トークショー」や、「井上純弌 R−CON WESTでも吼える」などが開かれ、たくさんの人が足を運んでいました。行列できてましたからね。
 参加者のみなさんが好きな時間に、好きなゲームを遊べるよう設けられたフリープレイルームからも声が消えることはなかったです。鈴木銀一郎先生のお言葉どおり、寝ないでプレイした人もたくさんいたことでしょう。
 さあて、明日も楽しもう!

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