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北沢慶のドイツ旅行記
10月12日

 夕べは少し早く眠れたので、今朝の目覚めはなかなかにさわやか!
 お風呂に入って朝食を摂り、本日は午前中にローテンブルグを観光。その後にバスで移動してロマンティック街道の古城を横目に見つつ、ハイデルベルクへ向かうという予定だ。
 前日、ネルトリンゲンでゆっくりした分、市内観光は今日大慌てでしなければならない。とりあえず、元気よく出発だ。
 あ、友野さん宛のFAXは無事に届いていて、実はガイドさんが確保してくれていましたとさ(苦笑)。



市壁巡り

 ガイドさんと合流し、まず向かったのはローテンブルグを囲む市壁巡りだ。
 ローテンブルグは典型的な城塞都市なので、街は昔ながらの市壁(城壁)に囲まれている。そこに上って、市内を見下ろしつつ歩いていく。
 残念ながら外側は小さな銃眼からしか覗けないものの、思ったよりも城壁の上は狭くて高い。ここを鎧を着た兵士が動き回っていたのかと思うと、本当に大変だったんだろうなと頭が下がる。
 城壁をさらりと周り、次に向かうのは聖ヤコブ教会だ。


  

聖ヤコブ教会〜中世犯罪博物館

 二つの高い塔を持つ聖ヤコブ教会は、典型的なゴシック様式で作られたローテンブルグの主教会。さすがにプラハやミュンヘン、ヴィース教会などを回ってきた後だけに、もうそれほど驚かないものの、美しいステンドグラスや祭壇の彫刻、絵画の美しさには眼を奪われる。

 そんな敬虔な場所から一転し、次に向かったのは中世犯罪博物館
 ここは中世の街や人が、どのような犯罪を犯すとどのような刑罰がどのように与えられたかを展示した博物館なのだが……はっきりいってそのほとんどは拷問の歴史である。
 ありとあらゆる中世の拷問器具が並び、見るからに痛々しい。もちろん中には罪を犯したものを辱めるだけのものもあるが、やはり拷問器具や処刑道具のほうが目立つ。
 しかもこれが、思ったより広いし展示物も多い! 酒を飲みすぎたものを罰する樽や、中にはゲーム(賭博?)をやりすぎた人間を辱める拷問道具もあった。晒されないよう注意しなければ(汗)。
 だけどやっぱり、演奏が下手な楽士を辱める楽器(もちろん単なる拘束具で音は鳴りません)だけはかわいそうだと思うんだけどなぁ……。

 もちろん当時の風俗や生活がかいま見える貴重な資料も膨大に展示されており、非常に興味深い。さまざまな法律に関すること裁判の流れなどが、解説図版当時の書類などと共に展示されていて見るものを圧倒する。
 しかしなにやら細かい法律が多すぎて、暮らしていくのは窮屈だっただろうなぁと思わずにはいられなかった。

市庁舎の塔へ

 犯罪博物館を出ると、買い物をするという奥さま方とは別れ、市庁舎の塔へと向かった。入り口があまりに普通の門だったので気づかずにしばし迷うも、無事階段を発見。どんどん上る。
 市庁舎の塔は、厳密には市庁舎の裏にある博物館の上にある。なのでまず市庁舎の中の階段を上りきり、屋根裏を伝って塔に入る
 またこの塔の階段が狭い!
 いきなりボスがアーチで頭を打つなどのアクシデントを交えつつ、とにかく狭い階段を上ってゆく。下りてくる人とすれ違うだけでも大変だ。
 そしていざてっぺんまで上ってみると、これまた狭い! 下りるに下りれなくなった人たちが詰まっていて、身動きもままならないありさまだ。
 しかしローテンブルグで一番高い建物だけに、見晴らしは最高。それはもう足もすくまんばかりの大パノラマである。
 遠くの丘やその向こうまでも見渡せ、昔の人が戦争のたびに高いところへ上った理由がよくわかる光景だ。


 いささか苦労しつつも塔から下り、きわめて短い時間でお買い物。
 さすが騎士の国、みやげ物屋には武器やら甲冑やらが所狭しと並んでいる。このあたりは京都のみやげ物屋で刀やはっぴを売っているのと似たような感覚なんだろうか。


 ……もちろん欲しいわけなんだが、どうせ税関を通れないので諦める。代わりにローテンブルグ名物の「雪玉」なるお菓子を買って食べた。うっかり写真を撮りそこなってしまったけれど、本当に雪玉のようなサイズの粉を揚げたお菓子で、砂糖やチョコなどが塗ってある。なかなかおいしいのだけれど……このサイズだと1個で1食分だなぁ。
 あとは大慌てでアイスワインなどを買いこみ、急いで次の目的地、ハイデルベルクへと出発するのだった。

ロマンティック街道から古城街道へ

 ローテンブルグを出発し、今度車は西へ向かう。
 その間、さまざまなお城を横目に走るのだが……情けないことに北沢ここでダウン! ひたすらかーかーと寝てしまう。一度は目を覚まして城をマジマジと見たのだが……デジカメではうまくシャッターチャンスを掴めない。ガッデム。
 途中運転手さんが道を間違え、寄るはずのない街へ到着。せっかくなので、そこで昼食にする。
 入ったお店がちょっと若い人向けだったため、フライドポテトなどのジャンクな食べ物もたくさん出る。なによりヘソチラしまくりの金髪ジーンズのウェイトレスさんが超美人! ドイツ人はほとんど例外なく美男美女ばっかりだなぁ。ずるいぜ。

ハイデルベルクへ

 昼食でいい感じにお腹を膨らませると、やっぱりあっという間に意識を失うダメダメな北沢。
 そしてふと気がつけば、もう目の前はハイデルベルクだった。結構ショック!


 運転手さんが少々道に迷いつつも、無事にハイデルベルク城へとたどり着く。度重なる戦争であちこち破壊された無残な姿ではあるものの、むしろ逆に歴史を感じさせてくれる。完全な姿で残っていたら、さぞかし美しい城だったのだろう。
 ハイデルベルク城のテラスからの街の景色を眺め、その美しさにしばしうっとり。正面にはネッカー河が流れ、その向こうには高級住宅、さらにその上には元祖哲学の道が見える。夕日に染まるハイデルベルクの街も幻想的だ。
 続いて地下のワイン蔵を見学。昔はワインを税金として収めさせていたため、超巨大な樽が保管されているわけだが……デカすぎじゃねーか? なんでも、結局1度もいっぱいになることはなかったとか……。
 お城見学を終えると、一行は少し下ってカール・テオドール橋へ。サルの像で記念撮影をしたり、橋からハイデルベルク城の写真を撮ったり。夕日を浴びる城の姿は、完全にファンタジーの世界だ。
 このあたりでいよいよ日が暮れ始め、ホテルへと向かう。
 ここでまた運転手さんが道に迷って猛烈に時間を消費するのも旅の醍醐味……かな?

夕食

 本日の夕食は、リッターホテル(騎士の家)というこの街でも唯一30年戦争の戦火をかいくぐって昔の姿を留める、最古の建物。ガイドのヨリコさんとも今日の夕方でお別れなので、ガイドさん選択のおいしいお店はひょっとしたらここが最後かもしれない。
 そんなささやかな感慨と共に、店内へ。
 すでに予約段階でヨリコさんにドイツ語できっちり注文をしていたはずが、いきなり注文と違う飲み物がやってくる
 まあ大きな問題ではないので、そのまま食事をスタート! 本来メニューにはないオムレツなどまで作ってもらい、分量もほどほどで味もやや濃い口なものの美味。改めて思うけれど、ドイツのスープはどこで食べても濃い味がするなぁ(個人的には大変好き)。
 メインを控えめにしたので、シメはアイスクリームやチェリーのフランベといったデザート。これまたどれもこれも美味で超ご機嫌。呼んでもらったタクシーに乗り、意気揚揚とホテルに戻るのであった。
 ちなみに北沢たち独身トリオは即座に寝る準備に入ったものの……夫婦組4人はブリッジをするぜーと息巻いて部屋へと消えていった。タフだなぁ(笑)。
 さて、明日はいよいよ本番とも言うべきエッセン。初めて挑むボードゲーム世界最大の見本市だけに、ドキドキも高まってくる。
 ……お金、いくらユーロにしておけばいいかなぁ……。

本日の豆知識
 中世のドイツでは、結婚するのに15もの法律的な制約があって、一つでも破ると晒し刑にされたそうな。こんなんで、よく結婚する気になったなぁ(苦笑)。
 ちなみに結婚後7ヵ月以内に出産すると、晒し刑&罰金だったとか。できちゃった結婚の場合も、教会では式を挙げさせてもらえず、場末の酒場か地下牢で式を行なわなければならなかったらしい。しかも藁で編んだおさげ髪をつけさせられ、引っ張り回されるという徹底ぶり。
 この当時の人が現代日本の有り様を見たら、ひっくり返りそうだなぁ(笑)。


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