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北沢慶のドイツ旅行記
10月14日

 ついにやってきた最終日
 日程的には16日までの旅だけど、15日は早朝に旅立ってしまうためにずっと機内。そして時差の関係で16日に到着してしまうから、この14日が事実上の最終日なのだ。
 そしてこの最終日になにをするかというと……当然ゲーム大会を満喫するに決まっている!
 唯一朝から晩まで会場にいられるこの日、まさに全力出撃の構えなのである。




 ゲーム大会の開場時間は朝の10時。なので少し目覚めはゆっくりめだ。
 しかしある事情により、我々は9時にはホテルを離れた
 その理由とは、買ったボードゲームを日本へ送り届けるための準備に、郵便局へ段ボール箱を買いにいくためだ!
 地下鉄でひと駅、エッセンにある郵便局へ行って、笑われながらも大量の段ボール箱を購入。ボス、三田さん、友野さん、タケオの4人はそれを抱えて一度ホテルに戻り、そのままゲーム会場へ。
 そして北沢は一人残り、近くの百貨店でキャリーカートを買いに行く。
 これが結構見つからなくて苦労したわけだが……まさか婦人もの下着売り場の奥にカバン売り場があろうとは、まったく予想外だったぜ。

ゲーム会場へ

 地下鉄でひとっ走り、新品のカートを抱えて北沢もゲーム会場へ駆けつける。
 今日は大会2日目、なんだか会場へ向かう人も多い。そしてなんとか合流地点にてボスグループと合流してみると……まだ開場して40分ほどなのに、なんでそんなに山盛りゲーム持ってるんスか?
 いささか唖然となりつつも、さっそくカートにゲームを積み上げ、次なる目標地点へ。
 昨日と本日早朝に主だったメーカーの新作は購入済みの我らがボスは、続いて小さなメーカーの新作探しへ向かう。これがまあ、買っても買ってもキリがない。みるみるカートは積載限界へ近づき、各員の持つカバンや袋はパンパンに。
 それどころか、とうとうキャッシュ(現金)が尽きてしまったボスだったが、北沢、ちょっと金立て替えといてくれの一言でモリモリ買いつづける。
 ……お金、あとで返してくださいね……?
 そんな調子だから、もう荷物はすごいことに。
 それでも構わず突き進む我らがボス! 昼を回るころにようやく我に返ったのか、いったん戦利品を置きにホテルへ戻る。
 ……いよいよダンジョン・アタックじみてきたな……。

昼食、そして再出撃

 ボスの部屋に大量のボードゲームを積み上げ、ホテルの1階でピザをむさぼるように食べる。ホテルだけに焼くのに時間がかかったものの、食べるのは一瞬だ。おいしいしウェイトレスさんは気立てがよくて美人だし、よい昼食である。
 その余勢を駆って、再び会場へGO! ボスはリストをチェックし、買い逃しを徹底的に探す。
 もっともさすがにめぼしいところは押さえてあり、新作買いあさりもひと段落。ここで中古ゲームを探しに行くボスと三田さん、その他のグッズやみやげ物を探しに行く友野さん、タケオ、北沢の二手に別れた。三田さん、完全に風邪治ってるなぁ。
 大手メーカーなどは新作も華やかに、プレイスペースも子供たちで賑やかにブースを展開しているものの、奥まった場所にいけばいかにもなジャパニメーションやマンガコミックのブース、本物と見まがうばかりの革鎧や金属鎧を売るブース、不思議な柔軟素材のリアルな武器を数々売っているブースなど、一気にコッテリした雰囲気が漂い出す。
 ここで3人は海外イラストレーターの画集をあさったり、武器防具のリアルさに感動したり、半裸のビキニアーマーのおねえさんを盗み撮りしたりして歩き回る。


 もちろん当初の目的はおみやげ用のゲームグッズを買うことなので、そっちにも目を光らせる。
 ……けど、結構手作りが多いだけに高いんだよなぁ。
 そんな中、ついタケオに金を借りてT&Tの30周年記念ルールブックセットを買ってしまった……。お金返してもらうの忘れてたんだよなー。とほほ。
 ほかにも柔軟素材の武器類はちょっとほしかったけど、税関を通れる自信がなかったのに加えて1本1万円近くするから、諦める。けど、会場内にはそれを3本も4本も背負ってる弁慶みたいな人が結構いるから驚く。そんなに買ってなにをするんだ、ドイツ人(笑)。
 結局手作りダイス屋でみやげのサイコロを買い、そこでタイムアップ。大慌てで帰る道すがらにカタンの10周年記念アトランティスセットを買ってホテルへと急ぐ。
 そう、そのとき俺たちは焦っていた。
 それはもう、とても。

恐怖の荷造り

 最初にも書いたように、次の日は早朝に旅立ってしまう。となれば、当然荷物を発送することができるのは今日の夕方(ドイツは7時)まで!
 4時半にホテルに集合した一同は、必死になって箱を組み立て、ボードゲームを詰め込んでゆく。
 これがまた、ヘタなパズルよりも面倒
 なにせボードゲームは箱の大きさがデカイうえにサイズがまちまちだ。郵便局指定の箱では入らないものも結構ある(カタンとか)。ゲーム会場でもらってきた箱も総動員し、ひたすら詰める詰める詰める。
 結局箱の数は11個。これをヘタな英語でホテルのポーターさんに頼んでタクシーまで運んでもらい、郵便局へと向かう。
 ところが、トラブルはここからだった!

荷物発送はマジ大変!?

 なんとか郵便局に荷物を運び込んだ5人のゲーマーたち。英語がかろうじてわかる局のおじさんに宛書きのしかたを教えてもらい、全員でせっせと宛先を書く。
 ところがどっこい、窓口へ持っていったらおじさんが別のお客の対応をしているものだから、誰も言葉がわからなくなってしまったのだ!
 結局おじさんがフリーになるのを見計らって、荷出し開始!
 ……と思いきや、誰も現金を持ってない&カードきかない!
 大慌てで現金を作りに飛びだす友野さんとタケオ。ちゃくちゃくと荷出しされていく箱たち。
 待てど暮らせど友野さんとタケオは戻ってこず、刻一刻と終業時間は近づいてゆく。
 しかし間一髪で現金到着! しかしそれでも足りない巨額の送料!
 最後は全員の小銭まで総動員して、なんとか無事支払いも完了。
 嵐のような荷物の発送は、こうしてなんとか完遂することができたのだった。

 ……つーか、量多すぎッスよ(涙)。

トルコ再び

 7時前にヘトヘトになってホテルに戻り、奥さま方と合流。こちらは旧西ドイツの首都だったボンへ観光に行っていたそうな。それはそれで楽しそうだなぁ。でも鈍行でゴトゴト時間をかけて移動したものだから、お尻がとても痛いとか。
 そして本日の夕食も、前日に引き続きトルコ料理。ホテルの食事にはあまりよい経験がないし、かといって周辺にほとんど店がないこともあって、社長の奥さんが予約しておいてくだっさったのだ。
 少し早めながらも行ってみると、顔を覚えていてくれたウェイターさんが笑顔でお出迎え。でも今日は別の英語がわかるおにーさんがついてくれた。
 エッセンで合流した、ゲームショップ・バネスト中野さんも交えての2回目のトルコ料理。
 しかし人数が増えたからと料理を少し多めに頼んだら、ちょっと多かった……反省。
 だけど、プレート(取り皿)くださいって頼むたびにパン(ブレッド)が出てきたのも、満腹に拍車を駆けていたのは間違いないいよね?
 ……取り皿がこないから「プレート、プリーズ」を連呼してたのに、次々とパンが……やっぱ取り分けて食べる文化のない人たちには、いささか想像がつきにくかったのかなぁ。
 ……もちろん、北沢の発音が悪いのが一番悪いんだけどね(涙)。
 結局タケオの持ってきていた指で差すドイツ語会話を指差して、ようやく理解してくれましたとさ。とほほ。
 だけどおいしかったから、それでいいのだ!

本日の豆知識

 料理の載った皿は、dish。小さな取り皿などはplate
 だからプレート、プリーズでOKなんだけど……やっぱ発音が下手な日本人の言葉を英語が母国語でないドイツ人とではうまく通じなかったよーで……。
 自信がないときは、辞書とかの単語を直接指差して見せたほうが確実。どうりで「お皿8枚くださいな」と言ったら8枚なんて言わず、10枚持ってくるよ!と陽気に答えられたわけだ……。
 ブレッド(パン)、10個来てたもんな……。


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