Group SNE
News
About SNE

Products

User Contents
●著者インタビュー
●イベントレポート
●リーダーズサーカス
●エッセイ
Link
indexに戻る
TOP > ユーザーコンテンツ > イベントレポート > TRPGフェス2017レポート
イベントレポート目次


TRPGフェス2017レポート


 2017年9月1日〜3日熱海ホテル大野屋600人のゲーマーがこれを占拠し、3日間を通して遊び続けた。これが
TRPGフェスティバル2017、日本最大級のTRPGイベントである(2016年まで21年に渡って開催されたJGCを前身とする)。このレポートはグループSNEのとある新人が記した、熱い3日間の記録である。

……ということで、グループSNEがこれまでお届けしてきたJGCレポート、その後継を任されました笠竜海(りゅうたつみ)です。

手違いから名前を自分で書くことに。ニセモノじゃないよ!

 今年からTRPGフェスティバルとして趣を変え、ある種のリゾート地で人目をはばからずゲームを楽しむ、大変贅沢な大型イベントになりました。企業・一般問わず多くの企画が催され、時間が足りない! 分身したい! などと嬉しい悲鳴が上がっていました。このレポートでは弊社グループSNEに関わるもの中心に取り上げております。なにとぞご了承ください。



執筆:笠竜海
 

1 開会式

 参加者たちがひしめき合うホール、そこで開会式、最初のイベントが行われました。最初に始まったのが
体験型アトラクションWAR→P!のオープニング。キャストの演技や舞台演出を通して、見る者をファンタジー世界に引き込みます。その迫力は相当なもので、多くの人が度肝を抜かれたことでしょう。WAR→P!とは体験性を重視したオリエンテーリングのようなイベントで、「4 体験型イベント」でもう少し詳しく説明しています。

 そして主催、ゲストの方々のスピーチ。担当するのはアークライトの刈谷圭司さん、グループSNEの安田均社長、FEAR代表の中島純一郎(鈴吹太郎)社長、そしてもはや生ける伝説、鈴木銀一郎先生です。いずれもこれからの時間への期待を盛り上げ、笑いを取るのも忘れない、サービス精神に溢れるスピーチでした。特に脳梗塞とその後のリハビリを経験した鈴木銀一郎先生は、「死にそこないです」「場合によっては黒いリボンで囲まれて……」などとブラックな掴みネタを連発。そして毎年恒例、最後の掛け声も、


「これからRPGをプレイするぞ〜!」「お〜!」
「72時間楽しむぞ〜!」「お〜!」
「元気な人は寝ないで頑張れ〜!」「お〜!」
「私は死にそこないだから、いつ死んでもいいぞ〜!」「お……いやいやいや!」


 という剛速球。どうかお元気でいてください。
 とにもかくにも、こうして夢のような三日間が始まったのです。

開会式の開始を待つ参加者


2 セッション、またセッション!

● 公式セッション

 やはり力が入っているのが、システム制作各社による公式セッションです。私たちグループSNE はもちろんF.E.A.R.冒険企画局インコグ・ラボアークライトと、各社が競うようにセッションを繰り広げていました。さらには『ウタカゼ』『クトゥルフ神話TRPG』のように、一部屋全てが同じシステムによるセッションイベントも開催され、盛り上がりを見せていました。これらのイベントはTRPGのプロによる良質なセッションもさることながら、ちょっとした裏話最新あるいは未発売のルールのいち早くの使用など、公式ならではの楽しみも大きな魅力です。
 グループSNEは『ソード・ワールド2.0』(以下「SW2.0」)、『SW2.0 スタートセット』『トンネルズ&トロールズ(以下「T&T」)完全版』『DARK SOULS TRPG』『ゴーストハンター03』(以下「GH03」)、『ブラインド・ミトスTRPG(仮)』の6タイトルでセッションを行いました。
 特に12月発売予定の『ブラインド・ミトスTRPG』はこれが初お目見え。本のジャンルを組み合わせてそれに応じた能力を得るキャラメイクに、皆さん興味津々だったようです。他のタイトルも魔法文明時代の新要素を扱った『SW2.0サプリメント エイジ・オブ・グリモワール』、人気の魔物をイラスト化しカードの形にまとめた『SW2.0 魔物カードセット』「脱出ゲーム」をモチーフにした「GH03」拡張セット『フーディニ脱出!』など、いずれも9月発売の最新要素山盛りでお送りしました。



『SW2.0スタートセット』
 
『T&T完全版』能力値決定中

『DARK SOULS TRPG』
 
『ブラインド・ミトスTRPG(仮)』
プリントアウトでプレイ


 これら公式セッションの一つの極みが、制作者を束ねるトップ、各社代表による特別なセッションです。鈴吹太郎先生の
トーキョーN◎VAプレミアムセッションは、事前に参加者と連絡を取り合いシナリオを調整したという贅沢なイベント。
 そして、グループSNE安田社長も謎のオールドスクールTRPGというふれこみで、
『T&T完全版』の『クトゥルフ』用改造ルールで『トラベラー』を遊び『ソード・ワールド』の世界に行くという、概要を聞いても謎だらけのセッションを行いました。ひょんなことから私も参加させて頂きましたが、次から次へとネタが飛び出し、所々で昔懐かしい風味を味わう、まさに特別なセッションでした。
 他にも物販ブースのど真ん中での体験セッション、グループSNEから来年発売予定の『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー』の体験セッションなど、数多くのセッションイベントが行われていました。


謎のオールドスクールTRPG
イラストレーター合鴨ひろゆき先生も参戦



● ファンのパワーの見せどころ


 GMをはじめとするユーザーの工夫によって様々なゲーム体験が楽しめることは、TRPGの大きな特徴の一つです。その特徴を体現するのが
フリープレイで、毎年趣向を凝らしたセッションが行われています。今回は開会式に使われたホールがフリープレイのために開放され、昼夜を問わず稼働していました。今年は例年に比べて立卓が難しかったようですが、それでもいくつもの熱いセッションが行われていたのです。



眠れない午前二時
 
懐かしの『ゲヘナ・アナスタシス』も


 市販されるシステムで工夫を凝らすのに飽き足らず、システムを大きく改造したり自分で作ってしまうTRPGプレイヤーは後を絶ちません。その最新型ともいえるのがわずか
1ページに必要なルールを揃えたTRPGであり、これを遊んだのが1ページTRPG体験会です。グループSNEの『GM(ゲームマスタリー)マガジン』創刊に際して行ったコンテストに非常に多くのご応募が寄せられたため、作品のご紹介の機会としてこのイベントが成立しました。友野詳と私、そして駆けつけた作者の方々をGMとしていくつものセッションを行いましたが、いずれも楽しんで頂けたようで何よりです。今後も何らかの形で盛り上げていきたい、そう思っている所です。


友野さんから原稿をもぎ取るTRPG
青いクリスタルは他のゲームで使う



3 物販&ボードゲーム

 TRPGの隣人、ボードゲームも大盛況でした。
 グループSNEの物販では最新作
『マネー』に加え、先行販売として『TtTマガジン』4号『SW2.0 魔物カードセット』『SW2.0 テラスティア大陸マップ』『GH03 フーディニ脱出!など話題作をご用意して、みなさまのお越しをお待ちしておりました。併設の体験卓は気になるゲームをその場でお試しできるのが魅力。『マネー』をはじめ、なんと10月発売予定の『テストプレイなんてしてないよ』を一足先に遊んでいただき、大変な好評をいただきました。
 また、
ボードゲーム酒場の赤竜亭は深夜まで賑わいを見せ、物販ブースでも非常に強い存在感を発揮していました。

 
グループSNE物販ブースの準備中   アークライトの物販ブース
圧倒的質量の『クトゥルフ・ウォーズ』




● 最新作

 グループSNEでは様々なボードゲームイベントを開催しました。特に力を入れていたのが近日発売の最新作、
『EXIT 脱出:ザ・ゲーム(以下『EXIT』)』『モンコレデックビルディング:エレメンタルストーム』の体験会です。
『EXIT』はプレイヤー全員で協力していくつもの謎解きに挑戦し、脱出を目指すゲーム。オリジナル版はドイツKosmos社から出版されており、その斬新なアイディアから2017年ドイツゲーム大賞上級部門を受賞しています(コンポーネントは1回きりのプレイを前提としていますが、工夫しだいで繰り返し遊べるでしょう)。
 今回遊んだのはいわば『EXIT』の体験版で、短い時間でゲームの流れや脱出の快感を味わえるセットでした。脱出までのタイムを測っていたこともあり、皆さん謎解きに夢中。想定を大幅に下回るタイムでクリアしたチームも多く、特に僅差で最速(9分30秒!)を叩き出した
「秋葉原卓ゲAチーム卓ゲ部出張班」の皆さんは閉会式にて表彰させていただきました。
 大注目の『EXIT』日本語版は9月の第一弾を皮切りに、第二弾第三弾の発売が決定しています。

『モンコレデックビルディング:エレメンタルストーム』、略して「モンデビ」は20周年を迎えた『モンスター・コレクションTCG』を題材にした
デック構築型ゲームです。デック構築と聞くと『ドミニオン』のようなゲームを連想される方が多いと思いますが、どちらかと言えばリソース管理ゲームに近く、プレイ感覚は全く異なります。体験会では一度参加した後もう一度プレイする方が多く、何度でも遊べるゲームとしての魅力を発揮していました。


 
『EXIT』謎解き中   アートワークは制作中ですが、
TCGの蓄積を考えると期待大です!




● ゲームの東雲

 上の二作の体験会が行われたのが「東雲の間」という大きな和室で、他にも多くのイベントの会場になっています。ミニチュアゲームショップ・ジャイアントホビー
ミニチュアペイント会、向かいの部屋では3Dプリンターを使ったフィギュア制作の会が開催されました。そして3日間を通して行われていたのが『メガシヴィライゼーション』の体験会。文明の興りと争いを追体験する近年稀に見る重量級ゲームで、最大人数の18人なら24時間かかるというすさまじさです。このイベントでは世代を区切ってプレイヤーを入れ替えるというまさに歴史的なキャンペーンプレイが行われ、見学者も含めて常ににぎわいを見せていました。
 もちろん我々も負けてはいません。ドイツゲーム大賞の受賞作に許されるポーンの印、これにあやかった
「ポーンゲーム会」を開催、ゲーム史に残る数々の名作を紹介しました。ボードゲーム・ジャンクション(アークライトより刊行中の『R&R』の連載コーナー)のスタッフにより厳選されたゲームは、どれも確かな遊びごたえと色あせない新鮮さを持ち、来る人来る人を魅了していました。ちなみにここは清松みゆき友野詳秋田みやびなど意外な豪華メンバーが出陣するイベントでもありました。
 これらのイベントが終わる深夜、東雲の間にはしばしの静寂が訪れます(メガシヴィ談義を除く)。その隙を狙って開催されたのが、今回最大の問題イベント?たる
「深夜のオトナゲーム会『ブラックストーリーズ セックス&クライム』」です。グループSNEより日本語展開中の『ブラックストーリーズ』シリーズは、ある状況に対してYesかNoで答える質問を繰り返して事態の真相を探る、いわゆる「ウミガメのスープ」「水平思考」と呼ばれる類のゲームです。中でも性にまつわる事件を扱った現在未訳のこの作品を、多忙な石野力がこのためだけに翻訳しました。問題を示して多人数が順番に質問をしていくのですが、これが皆さんもうノリノリ。マイク係の私もてんてこまいで、終始異様な盛り上がりを見せていました。

 
ミニチュアペイント会
作業の様子は真剣そのもの。お邪魔しました
  メガシヴィライゼーション体験会
同時参加者12人、のべ48人
     
深夜のオトナゲーム会『ブラックストーリーズ セックス&クライム』
一問残して終了したため延長戦。出題は企画者の黒田尚吾




4 体験! 初体験!

 今年からの大きな変化が、
体験型イベントの隆盛です。そこかしこでコスチュームを身に付けた冒険者が闊歩し、品物アイテムを駆使してファンタジーを表現していました。




● 冒険は会場全体に

 体験型イベントの中で特に目を惹いたのが、
WAR→P公演『モンスターメーカー』ライブRPGです。WAR→Pの大きな特徴はゲームの運営をするNPCを俳優が演じることで、オープニングやクライマックスではその長所が存分に活かされていました。1人1人が会場各所のNPCに話しかけ、クエストを達成することで物語が動いていくのですが、近くのやりとりを聞いているだけでも楽しんでいるのが伝わってきました。
『モンスターメーカー』は今年で30周年を迎えたタイトルですが、今回その名を冠したライブRPGが開催されました。監修はもちろん鈴木銀一郎先生(これまたライブRPG、「クトゥルフなんかこわくない!」も同様)で、知恵と足を使って事件を解決していきます。それぞれのジョブに応じた特徴的なエプロンが参加者の目印で、会場のそこかしこで冒険中の彼らと出会いました。どちらも会場を駆け回ることがゲームの一部になっていて、それ自体が宣伝となって楽しさを伝えていました。これも貸切り状態ならではのイベントでしょう。


 
クエスト参加者を待つ   冒険者たち




● LARP(Live Action RPG)

 ところで皆さんは
LARP(ラープ)という遊びをご存知でしょうか。これは特定の世界観のもと複数の参加者がキャラクターを演じて物語を進めていく、大筋ではRPGに似た遊びですが、大きく違う点があります。LARPのプレイヤーは服装やメイクでキャラクターに扮し、フィールドを駆け巡り、剣と盾をぶつけ合う……といったアクションを通して物語に入り込むのが大きな特徴です。欧米では以前から盛んだった遊びですが、最近は日本でも活発に行われるようになってきています。そしてTRPGフェスティバルにもLARPの波は押し寄せ、いくつものイベントが開かれました。
 私たちグループSNEも、LARPの世界に飛び込みます。TRPGフェスティバルにて
「SW2.0・LARP版」の開発を発表LARP普及サークルCLOSSさまの全面協力により体験会が開催され、5名の方に先行体験を楽しんでいただきました。おなじみの種族・技能を持った冒険者たちが酒場で依頼を受け、人々の生活を脅かす蛮族と戦いを繰り広げる、シンプルで『SW2.0』らしいシナリオでした。今回はチャンバラに近い接触戦闘でなくゲーム的な判定を用いた非接触戦闘を採用しましたが、製品版では両方のルールを整備する予定です。『SW2.0』の新たな地平、ぜひご期待下さい。

 

CLOSS物販ブースのLARP用装備
LARPerならずとも心惹かれるはず
 
地下駐車場での初心者向けLARP体験会
主催はコンバットLARP団体ヴァルホル
 
   
 
楽しそうな蛮族  





● ファンタジー飯

 ファンタジー世界を体験するアプローチとして、
中世ファンタジーをイメージした飲食コーナーも人気でした。テーマに沿った事前予約制の食事会がいくつも開かれ、そしてカフェ形式の「ペンギーノキッチン」には私もお邪魔してみました。内装はオシャレかつ雰囲気たっぷり。黒パンとベーコンが主役のオープンサンドは素朴かつしっかり美味しく、お腹と好奇心を両方満たしてくれました。

 中世風ファンタジーに欠かせないのが酒場であり、それをモチーフにしたイベントも開催さていれました。先にお話した赤竜亭もそうですが、グリュックさんの冒険者の酒場も盛況。ミード(蜂蜜酒)好きで知られる朱鷺田祐介さんのトークショー兼試飲会が行われたり、ベーテさんがフル装備で現れて腕相撲をしたりと、交流を楽しむ場にもなっていました。

 
ペンギーノキッチンの
オープンサンド、クレームダンジュ、ジンジャーエール
  グリュックの冒険者の酒場
カクテルチャート完備!
     

強引に飲まされる(フリの)ツーショット
 
腕相撲の様子。ツイッター映えしました




5 トークショウしよう

 ゲスト陣の一番の見せ場、それはトークショーかもしれません。普段は縁遠い業界人の考えを直接聞いたり、新たな情報をいち早く得たり、色々と楽しみにしていた方も多いと思います。各タイトルを支えるクリエイターたちが、様々な切り口で意見を発信しており、例えば「『モンスターメーカー』トークショー」に際してリメイクが発表されたように、大きな話題を呼ぶ情報も飛び出しました。




● トークの話

 私たちグループSNEからは、なんと5つのトークショーをお届け。それほど話したい事があったということです。
 まずご紹介するのは
「GMマガジン&TtTマガジン W編集トークショー」。グループSNEの関わる2誌のゲーム雑誌を取り上げたトークショー。『GMマガジン』は弊社刊行、最近第一号が発刊されたばかりの情報発信誌、『TtTマガジン』はFT書房と弊社の共同制作、昨年完全版の発売された『T&T』の専門誌です。はじめは安田社長と『TtTマガジン』編集長の杉本=ヨハネさんがSNEと完全協力するに至った経緯を語り、そして謎のベールに包まれた『GMマガジン』の編集長が登場。時に緊張感があり、時に苦労を理解し合う、ライバルとも言える立場ならではのやりとりが繰り広げられました。
『TtTマガジン』の主役は現在『T&T完全版』ですが、今後予定されている『AFF(アドバンスト・ファイティング・ファンタジー)セカンド・エディション』の発売に際して誌上のサポートを展開していくことが発表されました。そして、その
AFFについてのトークショーが、グループSNE安田社長・柘植めぐみとFT書房の杉本=ヨハネさん・トレカ番長さんによって行われたのです。まずアメリカ最大級のコンベンションであるGENCONのレポートがあり、それから今後の『AFF』の展開、『TtTマガジン』でのサポート等について語られました。質疑応答の後には体験セッションが行われ、懐かしくも今なお新しいゲーム体験を提供しています。
 また、JGC時代からの深夜の恒例企画
「熱海でも怖い話をしませんか〜深夜のSNEトークショー」も開催されました。友野詳の仕切りのもとそれぞれが持ち寄ったこわい話で盛り上がろうというものです。加えて石野力こあらだまりが脇を固め、まず近日の仕事やそれにまつわるコワい話で盛り上げます。そしていよいよ始まる怪談の時間。SNEからはSNE分室に潜むという何者かの話、参加者からは経験談や噂など、様々な恐怖が語られました。冒険企画局所属、『インセイン』などで活躍中の芥邊雨龍さんはこの会の常連だそうで、その語り口は流石の一言です。
 そしてTRPGフェスならではの奇妙な企画が、
「お風呂DEトークショー」です。これは大野屋さんの誇る大浴場、ローマ風呂の中で行われたトークショーで、ローマ皇帝に扮した友野詳が一面の男たちを前に大演説をしたそうです。衣装もあって浴場は非常に蒸し暑かったらしく「5分が限界だった、10分だったら倒れてた」と後に語る皇帝でした。


 
GMマガジン&TtTマガジン W編集トークショー
GMマガジン編集長は秘密です
  AFFの今後を語る(ここはまだGENCON報告)
熱海でも怖い話をしませんか〜深夜のSNEトークショー
あれ、何か写り込んで……?いや気のせいか




● 怒涛のSNEトークショー

 以上のイベントに参加していたメンバーは多くて数人もしくは1人でしたが、
「グループSNEトークショー」には数多くのメンバーが最新の作品情報を引っ提げて参加していました。タイムキーパーを務めたのは数多くのデザインに関わる松田実愛。果てしなく話が長くなりかねない面々を、用意した鐘の音によってなんとか制御していました。まずは『SW2.0』についてですが、9月発売の大型サプリ『エイジ・オブ・グリモワール』の発表によって魔法文明時代という新たなプレイ環境が登場し、今後も冬発売の博物誌やリプレイを通して展開していくことが明らかになりました。好評を頂戴している河端ジュン一初のリプレイ『導かれし田舎者たち』をはじめとする既刊リプレイ、布製の『テラスティア大陸マップ』などについても触れられ、新たな遊びを提案する「ボードゲーム」「LARP」、そして『SW2.5』の先行情報も出され、皆さんの期待感を否が応にも盛り上げていました。
 他のゲームもホットな話題です。『DARK SOULS TRPG』からは
11月発売のサプリメント『LOAD OF CINDER FALLEN』の概要が、『ゴーストハンター03』からは脱出ゲームから着想を得た9月発売の拡張セット『フーディニ脱出!』について語られました。そして新規タイトルである『ブラインド・ミトスTRPG(仮)』についてもその概要が紹介され、世界観の誕生秘話が明らかに。『T&T』『AFF』の翻訳タイトルについても語られ、最新ボード/カードゲーム『マネー』『EXIT』についても貴重な裏話が語られました。
 ゲームに限らない
オリジナル小説もまた、脚光を浴びている作品群です。『サクラダリセット』を代表作とする河野裕の『ウォーター&ビスケットのテーマ』(河端ジュン一との共著)や『階段島』シリーズ、リプレイの名手・秋田みやびの『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』シリーズに友野詳の最新作と、数々の作品について紹介されました。
 一流のクリエイターたちが軽妙に語り、最新情報や裏事情に驚く、そんなひとときを楽しんでもらえたのでしたら幸いです。

 
左からこあらだまり、田中公侍、加藤ヒロノリ、
友野詳、北沢慶、安田均社長
  同じく石野力、黒田尚吾、柘植めぐみ、社長、松田実愛
     
同じく友野詳、秋田みやび、河野裕、司会陣




最後のご紹介

 今回開かれたイベントはほんとうに多種多様。
貴重なコレクションを公開していた「TRPG博物館」「深夜のフリーマーケット」「ガッツリ語り合う部屋」など、ちょっと分類が難しい参加型イベントも開催されました。


貴重な箱ものシステムもこのとおり


 我々SNEのイベントにも、まだ語られていないものがあります。1997年に始まり、20年に渡ってダイスを振り続けたあの企画……そう、
『ドラゴンを倒せ2017』のご紹介です!人間とドラゴンの陣営に分かれ、ダイスの出目合計を比べ合うこの企画。そもそもの始まりは『T&T』(陣営ごとに戦闘力ロールを合計し、比べ合うルール)のアイスドラゴン。どうやって倒すんだという数値設定が成されていたのですが、北沢慶の「人を目一杯集めれば勝てる!」という思い付きから全てが動き出しました。JGCを代表するイベントとして君臨し、熱海においてもその人気は健在。毎年非常識な量のダイスを持ってくる猛者もすっかり名物になり、最も多い持ち込みはとうとう8000個になりました。そして始まるダイスロール、ドラゴンが1000個ずつ、4回のブレス(ロールは安田社長、杉本=ヨハネさん、北沢慶、トレカ番長さん)を放ち、そして戦士たちがそれぞれの戦いの結果を算出。時間ぎりぎりまでダイスと計算の音が鳴りやまない、熾烈な戦いが繰り広げられました。そしてその結果は……。

モンスター
63064
(うちドラゴン13943)
人間
123771
(うち1人が56158)

 で人間側の大勝利! 人間のみなさん、そして8000個の勇者の方、おめでとうございます!


着いた時には役目を終えていたドラゴン
 
ドラゴンブレスの威力。今年はほぼ平均値
     

総合結果




閉会式

 あふれんばかりにイベントを詰め込んだTRPGフェスティバル、終わりが来るのはあっという間です。WAR→Pのグランドエンディングが行われ、インコグ・ラボ代表江島博先生、友野詳アークライトの刈谷圭司さん、グループSNE社長安田均の順にスピーチをしていきました。


閉会式開始直前

 そして明らかになる衝撃の事実。主催の刈谷圭司さんによれば、
調子に乗って色々注ぎ込んだために採算が怪しく、来年のTRPGフェスティバルの開催は未定だとのこと。とんでもない発表に会場はどよめきますが、安田社長の締めの言葉はそれをしっかり受けたものでした。

「皆さんが楽しんだことを言ってもらえれば、アークライトさんもきっと約束してくださると思います。これからも、みなさんフェスティバルを続けたいと思ってますよね?」

とがっちり牽制してから、

「僭越ながら、締めの言葉を述べさせていただきたいと思います。」


「来年もTRPGフェスティバル、やるぞー!」 「おー!」
「熱海で、やるぞー!」 「おー!」
「約束だぞー!!」 「おー!!」


 万雷の拍手。
 こうしてTRPGフェスティバルは終わりを迎え、ゲーマー達は日常に帰っていきました。来年もまたここで遊べることを願いつつ、このレポートを締めさせていただきたいと思います。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


また、ここで。




イベントレポート 目次

TOP