GM: |
えー、皆さん、お集まりいただいてありがとうございます。『マージナル・ライダー外伝』の2話をはじめさせていただきます。 |
一同: |
わー(拍手) |
GM: |
まずは初めての皆の為に、簡単な自己紹介などをお願いします。 |
ルシアス: |
了解だ。自分はルシアス。竜の姿の人族、リルドラケンの神官戦士だ。ライフォス様の御手により、皆の間を取り持っている。 |
セレス: |
私はセレスだよ。外伝1話にも出てるのは私だけだよね? 外伝皆勤賞? |
GM: |
今のところはそうですね(笑)。 |
セレス: |
1話と違うところは《二刀流》を覚えたコトくらいかな。バンバン撃つよー。 |
リチャード: |
そして、私が〈雷神の吐息亭〉筆頭冒険者のリチャード・ヴァレッセンだね。 |
セレス: |
自分で筆頭って言った(笑)。 |
リチャード: |
その誇りと矜持を失わないためだよ(笑)。人間の魔法戦士で操霊魔法を使うよ。愛用の〈クレイモア〉は毎日磨いているね。 |
アラン: |
……合コンに出る前にね(ぼそ)。 |
リチャード: |
合コンに剣は持っていかないよ?(笑) アラン、君も自己紹介したまえ。 |
アラン: |
アラン・ベッカーですよ。リチャードに全てを任せて生きてきました。合言葉は「アラン、【ファイアボール】だ!」ですねぇ。 |
セレス: |
ピ○チュウ、10万ボルトだ! と同じ意味?(笑) |
アラン: |
(即座に)そう、それです。 |
ルシアス: |
それでいいのか(笑)。
|
GM: |
自己紹介も終わったところで、まずは、なぜこの4人がパーティを組むことになったか、というところから説明しようか。今の君たちの状況は、本編2巻4話の後になる。
ルシアスとセレスはラファルたちとクライフ・ヴィエナという貴族の護衛をした後だね。 |
セレス: |
護衛なのに「魔剣の迷宮」に潜ったんだよね。 |
ルシアス: |
散々な目に合った記憶があるな(笑)。 |
GM: |
しっかり攻略されたけどね。そしてその間、リチャードたちはコーネリアスからサレイ・ヴィエナというル=ロウド神官の捜索を依頼されていたんだ。 |
リチャード: |
そうだね。私の仲間のウィルという神官が、同じくル=ロウドでね。彼が神殿で調査してくれたおかげでサレイ様の居所の目星がついたから、遠征する予定だったんだ。でも、そのウィルがパーティから外れてしまってね。 |
アラン: |
僕とリチャードだけだと、完全に攻撃寄りですからねぇ。 |
ルシアス: |
それで、自分たちに声がかかったんだったな。 |
セレス: |
そーそー。合コンにナンパされたの。 |
リチャード: |
合コンじゃないぞ!(笑) コーネリアスから依頼を請けたはいいけど、人員が足りなかったから、実力のあるルシアスとセレスに頼んだのさ。 |
セレス: |
GM、私たちは面識があるのかな? |
GM: |
そうだね。4人とも冒険者の店〈雷神の吐息亭〉に所属する冒険者だから、互いに顔見知りだよ。でも、パーティを組むのはこれが初めてかな。 |
リチャード: |
PCとして登場したからには、好き勝手やらせてもらうよ(笑)。 |
アラン: |
僕はNPCとして登場したこともなかったからねぇ。皆と一緒に冒険できるのが楽しみだよ。 |
ルシアス: |
宜しくお願いします、と先輩冒険者に対して改まる。 |
リチャード: |
いやいや、私たちなんかまだ若輩者さ。ルシアスの方が年上なんだし、仲間になるんだから堅苦しいのはナシにしよう。アランに対しても、呼び捨てでいいさ。 |
アラン: |
そうですねぇ。僕のこれは地なんで、気にしないで下さい。 |
ルシアス: |
リチャードさんがそう言ってくれるならありがたい。いつもどおりにやらせてもらおう。 |
セレス: |
合コンで話してる限り、2人ともヘンな人じゃないから安心だよー。 |
リチャード: |
そ、そろそろ合コンから離れてくれないかな(笑)。 |
ルシアス: |
依頼の話だが、サレイ様の居所というのは? |
GM: |
ウィルからの報告によると、どうやらティラの樹海方面の村らしい。 |
アラン: |
王都からは西だね。 |
GM: |
うむ。で、ウィルはル=ロウド神殿からサレイがいなくなった時期の前後で、重要な情報をいくつか手に入れている。しかし詳しく調べるためにル=ロウド神殿の司祭となる必要があったんだ。司祭になってしまうと、簡単に神殿を離れられない。そのため、今回はリチャードたちと共に行けない、ということだね。 |
ルシアス: |
流れる風の神なんだったら、留まるための神殿やら司祭やらも必要ないんじゃないかとも思うがな(笑)。 |
セレス: |
神殿も風通し良くするために窓は全開放っぽいしね(笑)。 |
リチャード: |
そうか、だからサレイ様は攫われたのか! |
アラン: |
完璧な推理ですねぇ、リチャード。 |
GM: |
実際のル=ロウド神殿が吹きさらしかどうかは決めてないけどね(笑)。 |
ルシアス: |
サレイ様はヴィエナ家の次男。自分たちが護衛していた三男クライフ様の兄に当たる。関連性を感じて、同行することにしたんだったな。 |
GM: |
ラファルにも託されたしね。 |
リチャード: |
他にウィルさんが調べて分かったことはあるかい? |
GM: |
うむ。さっきも言ったとおり、重要な情報が分かっている。サレイはヴィエナ家から1冊の書物を持ってきているんだけど、それがサレイ失踪と同時期に無くなっている。これは「所在がはっきりしていなければならない」もので、さらに「他の人間には価値がない」ものらしい。サレイは普段は神殿内の私室に置いていたようなんだけど、それがサレイの失踪と共に見当たらなくなっている。 |
アラン: |
そんな書物があるんですかぁ。 |
ルシアス: |
(戦慄して)きっとそれは「絶版げえむ」という名の書物に違いない……! |
リチャード: |
そ、それは大変だ!(笑) 未開封のアレとかソレとか並の価値があるというんだな!? |
GM: |
用途は違うと思いますが、価値は似たようなもの……かな?(笑) |
アラン: |
貴重なものなんですよね? 価値がないなら売り払うこともできないだろうし。 |
リチャード: |
サレイは自らの意思でいなくなったわけではないようだね。その書物を渡せと脅されたか、それごと攫われたか……。 |
GM: |
(流石だね)で、この依頼の依頼主は父親であるヴィエナ家当主からのものだ。次男サレイを見つけ出したらひとり五千ガメル、その書物を持ち帰れば追加で七千ガメル、という内容だね。 |
一同: |
(顔を見合わせる) |
アラン: |
結構な報酬ですねぇ。合わせて一万二千ガメルですか。 |
ルシアス: |
(頭を抱えて)それもそうだが……これは、どちらかを選ばなければならない場合は書物を選べ、と言外に伝えてきているな。 |
セレス: |
実の息子さんなのに? へんなの。 |
リチャード: |
それだけ、その書物が重要だということだね。これだけ緊張感のある依頼は久々だね……。 |
いきなり行方不明の貴族を探すという、困難な依頼を受けた4人の冒険者たち。誘拐のうえ貴重なアイテムがあって、本人の命よりも優先で……と、なかなかに問題目白押しです。
しかし、熟練した冒険者の彼らであればこそ、難易度の高い依頼でもこなしてくれるはずです。彼らの活躍に期待しましょう。 |