アラン: |
意外にMPを使ってしまいましたねぇ。 |
GM: |
そのぶん楽勝だったジャナイ!(笑) |
セレス: |
戦利品取ろうよー。 |
GM: |
戦利品をとるなら、1回につき10分かかるよ。それでもいい? |
ルシアス: |
遺跡の奥の蛮族は、これで一掃できたと考えるなら、ここから離れる必要もないが。 |
リチャード: |
さすがに連戦は厳しいね。私も魔法と練技を使って、MPがほぼ空になっちゃったから。 |
アラン: |
リチャードはMPが少ないのが弱点ですからねぇ。 |
リチャード: |
〈魔香草〉による回復は必須かな。だから、とりあえずは安全を確保したいね。 |
ルシアス: |
〈魔香草〉の回復は自分も欲しい。 |
リチャード: |
それなら、ルシアスのMP回復を優先しよう。
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一行は一旦遺跡の入り口から離れ、回復と戦利品の取得を行います。その後遺跡の中に向かいますが、中に蛮族の気配はありません。
やがて遺跡の最奥から、か細い声で汎用蛮族語が聞こえてきます。一行はその声に導かれて進み、やがて捕らえられているひとりの人間を見つけました。
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GM: |
人間は廃材や瓦礫などを積み重ねた即席の牢に捕らえられている。牢のそばには小さな蛮族が「うるさい、静かにしろ」「怒られるぞ」と人間を諌めている蛮族の姿があるね。まぁ、「魔物知識判定」するまでもなく、2匹のコボルドだと分かっていいよ。 |
リチャード: |
それだけかな? |
GM: |
そう、それだけ。 |
リチャード: |
なら、〈クレイモア〉を肩に担いで悠然と前に出ようか。背中に弱肉強食の文字を背負いながら。 |
セレス: |
世紀末な感じのBGMも流せそうだねー。 |
GM: |
(笑)。コボルド2匹は人族の姿を見かけると、恐れの表情で隅に身体を寄せ合う。 |
リチャード: |
そのまま、瓦礫の牢を一刀両断しよう。あなたはサレイ様ですね? |
アラン: |
即断即決だね、リチャード(笑)。 |
GM: |
気の弱そうな人間の男は、ル=ロウドの聖印を両手で握り締めて言う。「私がサレイですが、あなた方は……?」 |
リチャード: |
ル=ロウド神殿にいたウィルという者の仲間です。あなたを助けに来ました。 |
GM/サレイ: |
「なんと、助かります!」 |
リチャード: |
聞きたいことがいくつかあるよ。まず、ここの蛮族は、さっき倒したリザードマンたちと、このコボルド2匹だけなのかな? |
GM/サレイ: |
「えぇ、ここにいるのはこれだけ、と聞いています」 |
セレス: |
じゃあ、ここでゆっくりしてても安心? |
ルシアス: |
しかし「ここに」ということは、他にもいるということか? |
アラン: |
そのようですねぇ。でも、サレイ様が無事なら後は帰るだけですねぇ。 |
リチャード: |
いや、アラン。書物の存在を忘れてはいけないよ。 |
ルシアス: |
サレイ様に確認しよう。お持ちになられていた書物というのはご無事ですか? |
セレス: |
ある意味、命よりも大事な。 |
GM: |
こら(笑)。でも、サレイはその話を聞くと青ざめるね。「なんと、やはり持ち出されてしまっていましたか」 |
ルシアス: |
自らの意思で持ち出したものではない、と? |
GM/サレイ: |
「えぇ、そうです。私を無理やり連れ去った後、私の部屋から持ち出したのでしょう」 |
アラン: |
その書物とは? |
GM/サレイ: |
「……書物が何であるか、というのは、皆様だけの胸にしまっておいていただけますか?」 |
リチャード: |
約束しましょう。 |
GM/サレイ: |
「その書物には“竜の歌”と呼ばれる呪歌の楽譜が記されています。その呪歌は“竜の盟約”を維持するために必要なもので、我がヴィエナ家は代々その呪歌を受け継いでるのです」 |
ルシアス: |
“竜の歌”……! |
リチャード: |
蛮族が狙っているのは、それだね。 |
本編2巻の鍵となった呪歌“竜の歌”。ヴィエナ家には現在息子が3人おり、長男ロウロード、次男サレイ、三男クライフの3人が三節に分けて“竜の歌”を受け継いでいます。ルデアの竜との信頼関係を表す“竜の盟約”を維持するために必要なもので、歌えば竜を強制的に成長させられるという、凄まじい効果を持ちます。
本編2巻では、この“竜の歌”を巡り、ラファルたちが三男クライフを護衛する物語が描かれています。この外伝とも密接に関わっているエピソードですので、よろしければぜひご覧ください。
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リチャード: |
楽譜があれば“竜の歌”が歌えるんだね? |
GM: |
相応の学習期間とバード技能レベルが必要だけどね。サレイは蛮族側に呪歌を使える奴がいるんじゃないか、と言うね。 |
アラン: |
呪歌を使う蛮族ですか……。 |
リチャード: |
江戸城お歌お守り番、とかそういうのかな? |
GM: |
そんなものですかね(笑)。一応、書物1冊を奪われただけで決定的な状況にはならないよ。三節に分けられていると言ったとおり、全ての呪歌がそろわなければ“竜の歌”は完成しない。 |
ルシアス: |
確か、三男のクライフ様は長男ロウロード様に疎んじられている、という話があったな。 |
GM: |
本編2巻4話だね。ルシアスとセレスが、ヴィエナ家の領内でクライフの護衛をしていた時に得た情報だ。 |
GM/サレイ: |
「しかし、蛮族たちはまだ“竜の歌”が三節揃っていなければ意味がないことを知りません。今のうちに取り返せば、致命的な状況を免れます」 |
セレス: |
なるほどー。 |
アラン: |
それは、お父さんも“竜の歌”の方に報酬を出しますねぇ。 |
一行は相談した後、楽譜を取り戻すため、サレイを連れたまま、彼から得られる情報を元にさらに樹海の奥深くへと進むことにしました。一度サレイを連れ帰っている時間的余裕はない、と判断したためです。
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