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GM: |
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では、特に何事もなく、夜が明けました。 |
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ルシアス: |
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ではデイジーに伝言を頼む。それぞれの集落から戦える人材をかき集めて、イラの部族とセセルの部族の集落の中間地点に待機させておいてくれ、と。 |
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GM/デイジー: |
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「それはどういうことですか?」 |
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ルシアス: |
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アジトの位置から考えて、少なくとも、テネリテの部族ではないだろう? イラの部族の集落の可能性が最も高いから、そこに事前に集まってもらった方がいいかもしれないが。 |
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ラファル: |
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もしもの時のために、ですね。遊牧民族ですから、馬を使った移動は慣れたものです。準備があればすぐに対応できると思います。 |
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ルシアス: |
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ただし、絶対に無理はしないこと、とデイジーにきつく言う。シュイの母親の真似など、決してしないように。危ないと思ったらすぐに逃げるんだぞ。 |
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GM: |
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:しかしそんなアドバイスの甲斐もなく、デイジーはシュイの母親に対して、ちょっと憧れの目を向けちゃってたりします。 |
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ルシアス: |
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むう。ならば、「好奇心、猫を殺す」という喩えを用いて、説教をする。6レベル神官の説教能力だ。 |
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GM: |
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……では微妙に洗脳されたような顔つきでデイジーは―― |
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ルシアス: |
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おいGM、お前、宗教をどんな風に見てるんだ。 |
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GM: |
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(少し考えてから)じゃあ、ちょっと虚ろな目で馬に乗りますね、と。 |
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アーピー: |
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ちょっとそれはナイぜ、と言っておく。GMの宗教観には偏りが見られるなァ。 |
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GM: |
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ともあれ、ここからならば集落まで一日半程度なので、ぎりぎり間に合います。 |
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アラン: |
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では、我々は北上します。 |
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GM: |
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シュイとその母親は、一本木の側で見送ってくれました。シュイの母親は、ちょっとだけついて行きたそうな顔をしていたましたよ……? |
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ラファル: |
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そこは断固として見て見ぬふりをするぞ! |
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そして目的地であるアジト周辺には、昼頃に到着と相成りました。
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ルシアス: |
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このあたりかな、となったら、警戒して進む。足跡などを探りつつ。 |
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アラン: |
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周囲の明るさはどうのようなものですか? |
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GM: |
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昼なので、見通しはそんなに悪くはないです。木々の密度も、そんなに高くはありません。けれど盗賊たちのアジトがあると思われる一帯に行くと、明らかに人間のものではない、大きな足跡があります。――見識判定を行ってみて下さい。 |
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アラン: |
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(コロコロ) 6 ゾロ、出ました。 |
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GM: |
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では、魔導機械のものと判明しました。続いて、魔物知識判定を振って下さい。 |
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アーピー: |
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(コロコロ)出ない。他のみんなも良い目は出なかったみたいだ。 |
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GM: |
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足跡の主の詳細を知ることはできませんでしたが、その痕跡から、四本足であること、かなりの重量であること、木を押しのけて進んでいること、などが分かりました。また木の幹の高い位置に、何かを擦った痕跡が見えます。筒のようなものを背負っているようです。 |
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ルシアス: |
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四本足に、筒のようなものを背負った魔導機械……もしや、ドゥームか? |
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アラン: |
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だとしたら、かなり厄介ですね…… |
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ラファル: |
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どこから来て、どこへ向かっているように見える? |
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GM: |
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足跡の向きなどからして、西から東へ向かっている様子です。 |
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ルシアス: |
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このサイズなら、そう速くは動けないだろうな。馬で追えば追いつけるだろう、と信じて、まずは洞窟の方に向かおう。 |
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アラン: |
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では我々は、足跡が来た方向に行きます。 |
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GM: |
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はい。足跡を追うと、洞窟の入口が見えてきました。 |
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ラファル: |
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洞窟の規模はどんなものだ? |
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GM: |
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大人三人が並んでも、余裕をもって進めるぐらいの横幅ですね。高さもかなりあります。入口に人影はありませんが、魔導機械の足跡は中から続いています。また、人間の足跡らしきものが、魔導機械の足跡の周辺にたくさんあります。 |
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ルシアス: |
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とりあえず「聞き耳判定」をするか。 |
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GM: |
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では洞窟の奥から声が聞こえてきます。人族の交易共通語です。内容は詳しくは分かりません。ただし、荒々しい言葉遣いで喋っている様子から、声は盗賊のものであろう、といったことは察することができます。 |
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アーピー: |
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洞窟の外から、奥行きとかは分かるか? |
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GM: |
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あまり深そうではありません。100メートルも無い程度です。 |
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アーピー: |
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では、妖精魔法【ウインドボイス】を使う。100メートル以内ならば、音を聞くことも音を届けることもできる便利な魔法だ。(コロコロ)よし、普通に判定成功。 |
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GM: |
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では、声が聞こえてきました。男二人が喋っています。要約すると、「イラの部族の集落に奇襲をかける」ということらしいです。魔導機械は脚が鈍いので、新月の夜に時間通りに到着できるのか、みたいなことを危惧しているようです。 |
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アーピー: |
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イラの部族の集落ってどれ? |
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GM: |
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これです(第1巻p.26をご参照下さい)。デイジーが所属する部族ですね。 |
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ラファル: |
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やっぱりか。デイジーの身が危ない! でもまずはこいつらを締め上げて、魔導機械をどこから仕入れたのかなどを聞いてみよう。なのでアランさん、とりあえず全力で【ファイアボール】を撃って下さい。 |
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アラン: |
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いやいやいや。中の具体的な状況、何も分かってないじゃないですか。人質がいる可能性もありますし。 |
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GM: |
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松明などで一応の光源はあります。しかし、そんなに見通しが良いわけではないですよ。 |
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アラン: |
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まずは僕が接近して、状況を見極めます。隠密判定で。(コロコロ)……
1 ゾロだ。あー……死にたい…… |
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GM: |
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ピンゾロですか。では、彼我の距離30メートルの地点で、盗賊二人がアランの存在に気づいたようです。 |
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アーピー: |
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……無茶しやがって。 |
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GM: |
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盗賊二人は走り寄ってきて、「なんだテメェらァ!」などとがなりたてます。そして襲いかかってきます。が――威勢は良いけれどあくまでチンピラ。戦力差は明らかです。戦闘らしい戦闘をすることもなく、あなたたちは勝利しました。 |
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ルシアス: |
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では、情報を頂くとするか。――魔導機械は具体的にどういう形をしているんだ? |
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GM: |
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チンピラたちは、形は言えますが知識が無いため、具体的な名前は分からないようです。 |
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ルシアス: |
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では、首領については? |
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GM/チンピラ: |
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「おれたちも詳しく知らねンだよォ!」 |
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アラン: |
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よくそんなヤツについていきましたねー。 |
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GM/チンピラ: |
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「お、親分はめちゃくちゃ強いんだ! だからおれたち、ずっとついて行くって決めたんだッ!」 |
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アーピー: |
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なんて単純な……魔導機械を持ってきたのはそいつなのか? |
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GM: |
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はい。二人の証言によれば、イカツイ、2メートルぐらいのオッサンです。二人の側近を従えていて、その二人以外の者には、ほとんど声をかけることすらしないみたいです。 |
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アラン: |
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盗賊は、全部で何人いそうなんですか? |
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GM: |
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このチンピラ二人を除いて、盗賊は全部で二十人いるらしいです。そいつらが、魔導機械とは別に先行部隊として動いている、とのこと。 |
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ルシアス: |
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なるほど。足の遅い魔導機械で最終的な殲滅にかかる算段か。先行部隊に関しては、部族の若者に頼るしかないな。 |
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アーピー: |
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部族を襲う、その理由は何なんだ? |
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GM: |
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馬泥棒はもう飯の種にならない。それならば、街よりも襲いやすい集落を襲おう、ということになったらしいです。要は、略奪が目的ですね。 |
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ルシアス: |
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それを言い出したのは首領なのか? |
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GM: |
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はい。そいつの号令で人数も集まったらしいです。どこのどいつだかは分かりませんが、威圧感だけでチンピラをまとめ上げてしまったようです。 |
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ラファル: |
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(邪悪に微笑んで)人の心臓を喰った、みたいな場面は目撃してない? |
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ルシアス: |
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それは誘導尋問だッ! |
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アーピー: |
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それだと確定でオーガじゃないか! |
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GM: |
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(首領の正体、あっさりバレてるよー……)そんな光景は見たことがない、とチンピラ二人は口を揃えて答えますね。 |
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ルシアス: |
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もうこれ以上は有益な情報は得られそうにないな。とりあえずこの二人は縄で縛って、洞窟の外に転がしておくか。 |
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アーピー: |
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オーガに魔導機械……腕が鳴るぜ! |
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ラファル: |
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(突然、神妙な顔つきになって)みんな、協力してくれて、ありがとう。 |
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ルシアス: |
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何を今さら畏まっているんだ。助け合うのは当然だろう? |
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アーピー: |
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そうさ。それに、強い奴がいるならば、オレサマはそれを打ち砕くだけだ。 |
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アラン: |
/ |
……強い奴と戦って、美しく死ぬ。それが僕の望みなんだ。 |
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各々、向いてる方向は違えど、仲間を思いやる気持ちは同じ。そんな彼らの志通り、即座に追跡開始、となると良かったのですが――
人族には、どうしても逆らえない欲求というものがあるのです。
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