秋口 |
「ねぇお前ら。いつになったら、2回目のT&Tインタビューがあがるのさ?」 |
大井 |
「ふぇ?」 |
河野 |
「2回目?」 |
葵ちゃん |
「そんなのあるんですの?」 |
秋口 |
「……グズが」 |
新人3人組 |
(びびくぅっ!) |
そう、三人は忘れていたのです。
甘いマスクの秋口先輩は、怒るととっても怖いことを。
そしてゴミを捨てるのが、大好きだということを。
このままだと葵ちゃんたち新人三人組は、ゴミクズみたいに捨てられてしまいます。
ゴミに新しいも古いもないのです。
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葵ちゃん |
「い、今すぐインタビューにいってきますの!」 |
秋口 |
「……で、いつ上がるの?」 |
大井 |
「今月中……」 |
秋口 |
「……チッ」 |
秋口先輩の舌打ちです。確かなことはわかりませんが、秋口先輩の舌打ちは、3つ溜まればゴミ認定だ――と、巷ではまことしやかに囁かれています。
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河野 |
「あ、いえ、今週中には……」 |
秋口 |
「……チッ」 |
おやおや、もう2つ目ですね。三人がゴミになるまで、あと1つてすよ♪
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葵ちゃん |
「今日中に上げますのっ!」 |
大井&河野 |
『えーっ!』 |
秋口 |
「ん、じゃあさっさとやってきて」 |
新人3人組河野 |
『い、いってきまーす!』 |
と、いうわけで。
今回インタビューを受けて頂くのは、たまたまSNE本社にいらした杉浦さんです。
実はこの杉浦さん、雑誌『ロール&ロール』にT&T紹介文の掲載が決まっていたりするらしく、新人三人組にとっては幸運なことに(そして杉浦さんにとっては不運なことに)インタビューの獲物に最適な相手だったのです。
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葵ちゃん |
「杉浦さん、インタビューをさせて頂きますのー」 |
杉浦 |
「はいはーい」 |
大井 |
「それじゃあ、早速ですがっ! ちょーカッコイイ杉浦さんに質問です! T&Tを使って、女の子にモテる方法とはっ?」 |
杉浦 |
「え、いや。T&Tではモテない。……そういったタイプのゲームではないですね」 |
大井 |
「えー、もてないのー?」 |
河野 |
「僕たち、T&Tを信じたいんですっ!」 |
杉浦 |
「そうですね。じゃあ合コンで散々飲ませて、みんな正気を失ってからやるにはいいゲームかもしれません。妙に笑えるし」 |
大井 |
「合コンかぁ。それ、いいなぁ♪」 |
葵ちゃん |
「下品ですのっ! まったく。早く次の質問にいきますのー」 |
河野 |
「じゃあじゃあ、T&Tでお気に入りのキャラを使いたいんですが……」 |
杉浦 |
「え、なんで? なんでT&Tでお気に入りのキャラを使うの?」 |
葵ちゃん |
「なにか、問題なんですの?」 |
杉浦 |
「いや、だって死ぬし。GMの人と仲よくなって、死んだ後も地獄で冒険だーみたいなシナリオを用意して貰えるなら、お気に入りのキャラ使ってもいいかも」 |
大井 |
「し、死ぬこと前提ですか……」 |
杉浦 |
「あ、もしくはアルコール用意して、全部どうでもよくなってからやる、とか。で、翌日に後悔したら、アルコール飲んで忘れちゃうといいです」 |
河野 |
「……アルコール前提のゲームなんですね」 |
葵ちゃん |
「えっと、それじゃあ杉浦さんにとって、T&Tはどんなゲームですの?」 |
杉浦 |
「うーん。T&Tは、全体的にアバウトなゲームですね。バランスを取ろうと思ったら、結構GMが頑張らないといけないかも。僕なんか、敵の強さは大抵その場で決めてますし。でも、そのアンバランス感が魅力なのかもしれない」 |
葵ちゃん |
「な、なるほどー。それだけ自由度の高いゲーム、ということですのね」 |
杉浦 |
「清松みゆき先生がデザインした『ハイパーT&T』のイラスト依頼が来た時からの付き合いですから……もう、12,3年になるのかな? なかなか思い入れの深い作品です」 |
新人三人 |
「えぇっ!」 |
葵ちゃん |
「杉浦さん、イラスト描かれていたんですの?」 |
杉浦 |
「うん。SNEに入ったばかりの時に。一週間で100枚描けーとか依頼が来て、北沢さんの家に泊り込んで描きましたね」 |
河野 |
「ふえぇ」 |
大井 |
「色々、繋がりがあるものですねぇ」 |
葵ちゃん |
「色々勉強になったの。今日はありがとうございました、ですのー」 |
杉浦 |
「はい、お疲れさま」 |
杉浦さんにお話を聞けて、また一つ賢くなった新人たち。
三人はSNE本社を後にして、いかにもエンディングっぽく夕日をバックに佇みます。
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大井 |
「杉浦さんにお話を聞けて、すっごく勉強になりましたね」 |
河野 |
「うん、今日僕たちが学んだことは――」 |
葵ちゃん |
「T&Tにはアルコールが必須! ですのっ!」 |
大井&河野 |
「うんっ!」 |
葵ちゃん |
「さぁ、T&Tを知るために、私たちはまだまだがんばりますのよーっ!」 |
三人 |
『おーっ!』 |
葵ちゃんたちは、夕陽に向かって走り出します。
空には、秋口先輩の、優しい笑顔が浮かんでいました。
ところで。本当にこのインタビューが続くのか、それはまだ誰にも分かりませんが――
風の噂では、杉浦さんがイラストを描く時にお世話になったという北沢先生や、あの清松先生の登場が囁かれていたり。こう、御期待……な、感じなのです。 |