|
【15年01月08日 安田均】 |
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2009年末頃わたしは、今から5年経った2014年には、世界は大きく変わっているだろうな、と感じました。それを去年の年頭エッセイで、「タブレット、スマホに代表されるIT機器に影響された‘ニューカジュアルの時代’になった」と書きました。これは、今もまちがいないと思っています。
もう一つ、その間の大きな動きとして、シェールガスによるエネルギー革命がありますが(アメリカのヘゲモニーと、天然資源新興国の衰退――典型はBRICSのうちのブラジルとロシア。チャイナとインドは天然資源国ではなく人的資源国)、それは置きましょう。
いま、その2014年を経て、もっと身近に大きく変わったこともあるのに気づきました。
それは、グループSNEで作品を作って売っている(自社生産)ことです。なんと会社設立から27年目にしての変化。ボード/カードゲームでcosaicさん(社員である秋口ぎぐるのゲーム製作会社)との共同作業がメインですが、去年1年、順調に行うことができました。これは、ファンや関係者のみなさんのおかげと思っております。ありがとうございます。
よく考えてみると、これも「変化した時代」の流れ(製造、販売でのネット、グローバル化)が大きく関わっているのですが、それはともかく。今年もグループSNEでは、こうした動きを少しずつ広げて行きたいと思います。
まず、ボード/カードゲームですが、今年はいろいろと出版点数が増えると思います。人気のある「ブラックストーリーズ」関連や、定評あるライナー・クニツィーアやジェイムズ・アーネストらの遊びやすいカードゲームが中心ですが、ボードゲームもいくつか出して行きたいと思っています。これらは、海外の作品もあります(「CV」「オリジン」など)が、グループSNEのオリジナル作品もいくつか出ると思います(第1弾は「コクーンワールド・ボードゲーム」)。乞うご期待。
つぎにRPGですが、今年もソード・ワールド2.0がメインであることはまちがいありません。去年からのドラゴンレイド関連のサプリメント、小説、リプレイ(清松みゆき、北沢慶、秋田みやび、川人忠明、田中公侍、ベーテ・有理・黒崎、大井雄紀ら)が出て行きますが、それとはちがった設定も登場します。新人のリプレイ(R&R誌)や、リリースが遅れましたが、コンピュータ・アプリ(藤澤さなえ、川人忠明ら)に関わるもの。もう一つが、自社出版(そして、ボード/カードゲーム)と関わるものです。こちらのタイトルは「ソード・ワールド2.0 スタートセット」(清松みゆき、北沢慶、藤澤さなえら)。ボックス版のRPGです。こうした新しい形式にもご注目ください。
そして、TCGも「モンコレ」ではなく、新たな作品(加藤ヒロノリ、杉浦武夫、河端ジュン一)がもうすぐ登場する予定です。続報に期待してください。そして、TCGそのものではありませんが、米欧ではむしろ主流のデック構築型やLCGタイプ(カードが揃っていてセレクト中心。エキスパンション・メイン)の作品が現れるかもしれません。現在、海外ではRPGやTCGの名作が、ボード/カードゲームやデック構築、LCGで展開されることが多くなっています(カード資産が使える形)。あるいは「モンコレ」もこちらで?
小説は去年、河野裕の新レーベル作品「いなくなれ、群青」や友野詳の時代小説など新しい展開がありましたが、今年も新たな作家作品が登場する予定です。秋田みやびや若手・新人らにもご期待ください。一つおもしろい形としては「ブラックストーリーズ」の小説形式が登場します。グループSNEとしては久々のシェアードワールド(河野裕、友野詳、秋口ぎぐる、柘植めぐみ)。アンソロジー小説ですが、ゲーム性も高いものになると思います。
おっと、わたしの久方ぶりの新作(秋口ぎぐると共著)、ゴーストハンター・シリーズ3「アルケリンガの魔界」や友野詳の「コクーン」「ルナル」の復刊もお忘れなく。
コンピュータゲームについても、いくつか進んでいるのですが、これはリリースが確実になってからお伝えします(去年は遅れてしまって申し訳ない)。
そして新しいところでは、これまでにないスタイルの3D小説。「bell」(執筆:河野裕、河端ジュン一)が年末に出ましたが、その続巻が春には登場します。イベントもクリスマスにありましたが、今後どうなるか。こちらもご期待ください。
もちろん去年からはじめたニコニコ動画でのグループSNEチャンネルも随時コンテンツを増やしていくつもりです。
ひとことで言うと、去年は「六(部)門展開」と名づけましたが、今年はそれらがいろいろ交じり合って、よい作品、新しい作品を、より広げていくことができればと考えております。
一層のご支援、よろしくお願いします。
と、今年の予定ばかり書きましたが、さて今年は‘羊年(未年)’ということです。小説では「羊たちの沈黙」、「羊をめぐる冒険」が有名。でも、羊といえば、見た目のイメージはよいんですが、言葉になると「羊の皮をかぶった狼」とか「羊頭狗肉」とかあまりよいものに使われてないですね。人と羊がくっつくと「佯」でこれも意味は偽り。‘佯狂’なんて犯罪逃れに狂人を偽るということで、精神鑑定などときどきありますね。ということで、羊のつく何か良い言葉は、と探すと見つかりました。
‘大きい羊’は「美」しい。今年はこれで! |
|