+ ビッグショット
BIGSHOT |
アレックス・ランドルフ作
ラベンスバーガー社 |
評価
7 |
80歳近くでなお、現役でボードゲームを作り続ける怪物ランドルフの最新作。
ドイツボードゲーム界の父とも言える彼の新作は、一見よくある街区画ゲーム。
いかに有利な区画を競り落としてマーカーを置き、そこの1位を狙うかというテーマ。今年はこの種のゲームが多く、中でもこの作品は簡単そうに見えるので、もう一つと思われるかもしれない。
しかし、ぼくには一つ、とてもおもしろい部分があった。借金を毎回してもいいのだ。これがあるせいで、ゲームは随分過激にもなる。これまでせりゲームというと、決められた所有額をいかに効果的に使うかばかりだった。だから、ある意味でケチが強く、豪気なプレイヤーは‘また、せりか’という表情をよく見せた。
それと、せりは1度遊ぶと適正値がわかるが、最初は値付けが難しい。これを解決したのが『ラー』で、あれは値を付けるマーカーが3枚しかなく、残っているのが何かまで推測がつくので、最初の値付けのあいまいさに苦しむことはなかった(悩むのは同じだけど、ある範囲内という制限がある)。
このランドルフの作品は、逆に制限をゆるめたらどうなるかという方向を向いていておもしろい。借金しながらせりをするというのは、落ち着かないけどね。
ゲームのテーマとしてはありきたりかもしれないが、さすがにランドルフともなれば、一つはおもしろいゲームアイデアを考えてくれる。他のルールは、いつものように実に簡潔で遊びやすい。この調子で毎年一つは彼の作品を見たいものだ。
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ゲームカタログ目次 ++
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