ゆうみん: |
それでは、次は小説のご紹介。まずはぺらぺらーずリプレイのヒロイン的存在であるベルカナをテーマにした短編集『ソード・ワールド短編集 ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』から。
今回の短編集は、まるまる1冊藤澤さんの作品なんですよね! そしてまるまる1冊ベルカナがテーマの作品。 |
藤澤: |
はい、どこまで"乙女"なベルカナにチャレンジできるかを、がんばった本です。がんばらないと、すぐに黒くなっちゃうんで。 |
一同: |
(笑)。 |
藤澤: |
ベルカナはよく黒い黒いって言われますけど、セッション中に話していると、ちゃんと乙女な部分がたくさんあるんですよ。
でも、そんな乙女要素が詰まっている部分に限って、リプレイ執筆時に落としてしまう部分なので、今回の短編集は―― |
清松: |
なぜか目立つのは黒い部分だが、ちゃんと乙女な部分だってあるんだよ! というのを―― |
藤澤: |
小説で主張する一冊です(笑)。
ベルカナさんのプレイヤーさんからも、好きに書いていいよとお墨付きをいただいたので、わたしの持っている"ベルカナはこんな女の子に違いない"というイメージを前面に押し出して乙女色に染めてみました。 |
ゆうみん: |
乙女色に。そういえば、この表紙を見てシャイアラさんが文句を言ってたんですよ。
「なんかこのベルカナ、シャイアラにぎゅってされてるのが」 |
藤澤&ゆうみん: |
「イヤそうに見える」て。 |
一同: |
(笑)。 |
篠谷: |
イヤそうじゃなくて「きゃ」っていう乙女なところやん(笑)。
(こぼれ話6 シャイアラさんがね) |
藤澤: |
そんな乙女満載の「乙女の巻」、どうぞご堪能ください。
……実は文庫化にあたって、一番気合を入れて楽しく書いたのは、ブックの日記だったりしますので、そちらも楽しんでいただければ嬉しいです。 |
川人: |
……実はね、表紙の折り返しにすごい誤植があるんだよね。読んでないとわからない間違いなんだけど。 |
ゆうみん: |
え、えーと……(熟読中)……ん? |
川人: |
わかった? ここに「それから二年」て書いてあるんやけど、ほんとは7年やねん。 |
ゆうみん: |
5年の空白! えらいサバ読みましたね!(笑) |
川人: |
まあ、エルフにとってはたかだか5年なんて1年にも満たない感覚だろうけどね。
ベラは推定250歳にはなってるつもりなんだけど、エルフと人間ってすごく寿命に差のある種族だから、ベラにとってアマデオなんか、自分がまだまだぴちぴちの頃にしおしお〜って死んじゃうような種族なわけ。 |
ゆうみん: |
小動物飼ってるようなものですか?
飼ってる間は可愛がるけど、数年でお別れがきちゃう。で、その時は悲しいけど、しばらくするとまた新しい子を飼い始める、みたいな。 |
川人: |
そうそう。その小動物からどこまで昇進できるかは、今後のアマデオの頑張り次第かな。 |
ゆうみん: |
相当頑張らないとだめっぽいですねぇ。何せここはファンドリア。怖い人がいっぱいいますから。 |
川人: |
いっぱいどころか、怖い人しかいないからね。
まあ、僕もねぇ……、たまにはほのぼのした話を書いてみたいんだけど……、ファンドリアでほのぼのを書くとまるで死にフラグが立ってるように見えるんだよね(笑)。 |
ゆうみん: |
そんな怖い人満載のファンドリアなんですけど、執筆中の楽しいこととか苦労ってどんなところですか? |
川人: |
書いてるときは、悩んでることの方が多いかな。もっと面白くなるんじゃないかなっていう気持ちが常にあるから。
それから、この話キャラクターが多いでしょ。しかも美形ばっかりだから、それぞれのキャラの描写が大変。目の色とか髪の色が被ってたりするし、できるだけ同じ形容詞が続かないように気をつけてはいるんだけど。 |
ゆうみん: |
ああ、たしかにキャラクター多いですよね。
(こぼれ話7 死んでしまった女の子ファンクラブ) |
川人: |
いろんなタイプのキャラクターを書きたいし、いろんな面から物語を見せていきたいと思ってるから。
あとがきでも書いてるけど、プロット段階では倍くらいキャラがいるんだよ。
本当は大河小説並に出したいんだけどね。群像劇とか好きだから。 |
ゆうみん: |
そんなにいたら読者は大変ですよ(笑)。 |
川人: |
あと苦労といえば、キャラの描写だけじゃなくて、印象的なシーンには印象的な表現を使いたいな、と思うんだよね。それは僕に限らず作家の性みたいなもんなんだけど、執筆中はそこらへんで苦心してます。
個人的には、ダークさ加減はかなり抑えめにしてあるつもり。 |
ゆうみん: |
そうなんですか? |
川人: |
うん。まあ、抑えてても暗い話だから、楽しい……、かどうかはわからないけど、面白く読んでいただければありがたいです。 |
ゆうみん: |
気になる3巻は、7月発売の予定ですね。 |
川人: |
はい。4巻もできるだけ……、冬の早いうちに出したいなぁ、と思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 |