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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『新緑の季節のソード・ワールド』(2007年04月)
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== その2 == 小説は女性陣が大活躍! ==


 今回の特集対象期間に刊行されたのは、短編集が2冊と長編1冊。
 月刊ドラゴンマガジンで短期集中連載した作品をまとめた女の子満載の短編集『ソード・ワールド短編集 ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』、夏に6巻が発売され堂々の完結を迎えた『サーラの冒険』。その5巻最後の衝撃の別れから6巻に至るまでのデルの物語他3編を収録した『死者の村の少女 サーラの冒険外伝』、そしてファンドリアの闇に渦巻く陰謀劇と美貌の密偵を描いた『ダークエルフの口づけ』2巻。

 奇しくも、今回取り上げる作品はすべて女の子の活躍を描いた作品ばかりなんですね!
 ゆうみんはそのことにインタビュー記事を書き始めてから気付いて、ちょっとびっくりしてしまったんですが、読者の皆さんはお気付きだったでしょうか?


◆◆ 乙女色の短編集 ◆◆

 『ソード・ワールド短編集 ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』
   著者=藤澤さなえ
   富士見書房 ファンタジア文庫
   短編集第1弾『ソード・ワールド短編集 ぺらぺらーず漫遊記』も好評発売中!

 「新SWリプレイNEXT」シリーズ、通称"ぺらぺらーず"の短編集第2弾。
 月刊ドラゴンマガジンで2006年2月号〜4月号にかけて連載されたぺらぺらーず短編+書きおろしが1本。
 リプレイ中で真っ黒な策士っぷりを披露しているベルカナだけど、お年頃らしい乙女な一面だってあるんだよ! という姿が楽しめる乙女色の短編集。

ゆうみん:  それでは、次は小説のご紹介。まずはぺらぺらーずリプレイのヒロイン的存在であるベルカナをテーマにした短編集『ソード・ワールド短編集 ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』から。
 今回の短編集は、まるまる1冊藤澤さんの作品なんですよね! そしてまるまる1冊ベルカナがテーマの作品。
藤澤  はい、どこまで"乙女"なベルカナにチャレンジできるかを、がんばった本です。がんばらないと、すぐに黒くなっちゃうんで。
一同  (笑)。
藤澤  ベルカナはよく黒い黒いって言われますけど、セッション中に話していると、ちゃんと乙女な部分がたくさんあるんですよ。
 でも、そんな乙女要素が詰まっている部分に限って、リプレイ執筆時に落としてしまう部分なので、今回の短編集は――
清松  なぜか目立つのは黒い部分だが、ちゃんと乙女な部分だってあるんだよ! というのを――
藤澤  小説で主張する一冊です(笑)。
 ベルカナさんのプレイヤーさんからも、好きに書いていいよとお墨付きをいただいたので、わたしの持っている"ベルカナはこんな女の子に違いない"というイメージを前面に押し出して乙女色に染めてみました。
ゆうみん:  乙女色に。そういえば、この表紙を見てシャイアラさんが文句を言ってたんですよ。
「なんかこのベルカナ、シャイアラにぎゅってされてるのが」
藤澤&ゆうみん  「イヤそうに見える」て。
一同  (笑)。
篠谷  イヤそうじゃなくて「きゃ」っていう乙女なところやん(笑)。
こぼれ話6 シャイアラさんがね
藤澤  そんな乙女満載の「乙女の巻」、どうぞご堪能ください。
 ……実は文庫化にあたって、一番気合を入れて楽しく書いたのは、ブックの日記だったりしますので、そちらも楽しんでいただければ嬉しいです。


◆◆ ファンドリアの闇はどこまでも深く ◆◆

 『ソード・ワールド・ノベル ダークエルフの口づけ』
   著=川人忠明
   富士見書房 富士見ファンタジア文庫
   1巻も好評発売中!

 アレクラスト中原に位置する混沌の王国ファンドリア。
 貿易商ギルドの重要施設のひとつ<ロス・ペラス沈黙の紳士>会館で保安主任を務めるベラは、実は<ダークエルフの里>から送り込まれた密偵。そのベラに命を救われ、警備兵としてベラのもとで働く青年アマデオ。
 ララサベル公爵家の護衛として故郷へ帰還したアマデオを待ち受けていたものは?!

川人  ……実はね、表紙の折り返しにすごい誤植があるんだよね。読んでないとわからない間違いなんだけど。
ゆうみん:  え、えーと……(熟読中)……ん?
川人  わかった? ここに「それから二年」て書いてあるんやけど、ほんとは7年やねん。
ゆうみん:  5年の空白! えらいサバ読みましたね!(笑)
川人  まあ、エルフにとってはたかだか5年なんて1年にも満たない感覚だろうけどね。
 ベラは推定250歳にはなってるつもりなんだけど、エルフと人間ってすごく寿命に差のある種族だから、ベラにとってアマデオなんか、自分がまだまだぴちぴちの頃にしおしお〜って死んじゃうような種族なわけ。
ゆうみん:  小動物飼ってるようなものですか?
 飼ってる間は可愛がるけど、数年でお別れがきちゃう。で、その時は悲しいけど、しばらくするとまた新しい子を飼い始める、みたいな。
川人  そうそう。その小動物からどこまで昇進できるかは、今後のアマデオの頑張り次第かな。
ゆうみん:  相当頑張らないとだめっぽいですねぇ。何せここはファンドリア。怖い人がいっぱいいますから。
川人  いっぱいどころか、怖い人しかいないからね。
 まあ、僕もねぇ……、たまにはほのぼのした話を書いてみたいんだけど……、ファンドリアでほのぼのを書くとまるで死にフラグが立ってるように見えるんだよね(笑)。
ゆうみん:  そんな怖い人満載のファンドリアなんですけど、執筆中の楽しいこととか苦労ってどんなところですか?
川人  書いてるときは、悩んでることの方が多いかな。もっと面白くなるんじゃないかなっていう気持ちが常にあるから。
 それから、この話キャラクターが多いでしょ。しかも美形ばっかりだから、それぞれのキャラの描写が大変。目の色とか髪の色が被ってたりするし、できるだけ同じ形容詞が続かないように気をつけてはいるんだけど。
ゆうみん:  ああ、たしかにキャラクター多いですよね。
 (こぼれ話7 死んでしまった女の子ファンクラブ
川人  いろんなタイプのキャラクターを書きたいし、いろんな面から物語を見せていきたいと思ってるから。
 あとがきでも書いてるけど、プロット段階では倍くらいキャラがいるんだよ。
 本当は大河小説並に出したいんだけどね。群像劇とか好きだから。
ゆうみん:  そんなにいたら読者は大変ですよ(笑)。
川人  あと苦労といえば、キャラの描写だけじゃなくて、印象的なシーンには印象的な表現を使いたいな、と思うんだよね。それは僕に限らず作家の性みたいなもんなんだけど、執筆中はそこらへんで苦心してます。
 個人的には、ダークさ加減はかなり抑えめにしてあるつもり。
ゆうみん:  そうなんですか?
川人  うん。まあ、抑えてても暗い話だから、楽しい……、かどうかはわからないけど、面白く読んでいただければありがたいです。
ゆうみん:  気になる3巻は、7月発売の予定ですね。
川人  はい。4巻もできるだけ……、冬の早いうちに出したいなぁ、と思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


◆◆ 涙なしには読めない、切なさ詰まった短編集 ◆◆

 『死者の村の少女 サーラの冒険外伝』
   著=山本弘
   富士見書房 富士見ファンタジア文庫
   本編『サーラの冒険』全6巻も好評発売中です!

 昨年の夏に堂々の完結を向かえた大人気シリーズ『サーラの冒険』初の外伝集。
 魔獣ナイトフライヤーとなったデルが、闇の王子ジェノアのもとに辿りつくまでを綴った表題作、冒険者に憧れるおてんば娘の『リゼットの冒険』、過去の読者参加企画『西部諸国シアター』の2巻『熱血爆風プリンセス』に収録された『「時の果てまでこの歌を』の3編を収録した、涙なしには読むことのできない切なさの詰まった短編集です!

ゆうみん:  昨年のSW特集でちらっと語られたサーラの冒険外伝集は2006年12月に発売されました。
 再録の2篇は西部諸国シアターや雑誌で読んでいても、『サーラの冒険』本編を最後まで読んでから読み返せば感慨もひとしおです。
 そして書きおろしの表題作。サーラの元を去ったデルは、行くあても帰る場所もないままに彷徨い、ある村にたどり着きます。そこでデルが見たもの……、それはぜひ本書をお手にとってご確認ください!


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