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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『初心者さんいらっしゃい! な作品満載。2014年夏のソード・ワールド2.0インタビュー(2014年07月)
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ソード・ワールド2.0アイテム&データブック
ルミエルレガシィ

監修:北沢慶
著:清松みゆき・田中公侍/グループSNE


 夏恒例の大型データサプリメント。
 人族に縁のある「第一の剣ルミエル」の名を冠する本作には、新たなアイテムデータが多数収録されています。

 また、『III改』から騎乗ルール、騎芸、騎獣データを掲載。さらに本書だけの新規騎獣、新規騎獣装備品なども多数あり、ライダー必携の書となっています。

 新種族は『III改』にも掲載のヴァルキリーほか、太陽神ティダンの眷族ソレイユと、アイテムの使い手レプラカーンが追加されています。

アイテムが山盛りです。

――: 8月は夏の恒例データサプリメント『ソード・ワールド2.0アイテム&データブック ルミエルレガシィ(以下、ルミエル)』が出ますね。こちらもメインは清松さん、北沢さん、田中さん。
一昨年からタイトルに始まりの剣の名前を冠したデータサプリが続き、今回で3剣揃い踏みですね!
田中 狙ったわけではないのにルールブックとは逆順の並びです。
北沢 ちなみに、明言はしてないですが一応ルールブックの表紙のイメージは『I』ルミエル『II』イグニス『III』カルディアという感じです。
――: 2012年の『カルディアグレイス』は新種族と新技能、2013年の『イグニスブレイズ』は戦闘特技とモンスターデータの拡充がメインでしたが、今回は?
田中 『ルミエル』はアイテムがメインのサプリメントです。完全に新規のアイテムだけで、たぶん200くらいはありますね。
北沢 面白い効果を持つマジックアイテムもありますし、単純な武器や防具で、区分やランクごと、必要筋力帯で微妙に穴になっていた部分を埋めたのもあります。
清松 完全に新規のもののほかに、従来データではコストパフォーマンスが悪すぎたいくつかのアイテムについては、その上位互換になるアイテムを作っています。値段を割り引いたり、効果を強化したりしたものですね。これに乗り換えてね、安くなったアイテムなら、お金もGMから返してもらっていいよ、というものです。
田中 これは、代わりのアイテムを用意したものですが、データや説明を差し替える形になった改定もあります。
清松 程度の差はありますが、ルールと不整合を起こしていたものがいくつかあったので、それを見直しました。それと、少数ですが、バランス面から残念ながらダウン方向にデータを改定したものもあります。ちょっと胃の痛い作業でした。
北沢 今までも、なるべくなら、弱体化は避けたいと思ってやってきてましたし。
清松 後は、実際の扱いは変わらないけど、説明不足だったり曖昧だったりで、文章の追加や見直しをやったものがあります。順に、新規・上位・改定・追補と分類してますが、従来からの変更や補足となるのは、この4つですね。これ全部合わせると、300ぐらいにはなると思います。
――: 凄いですね。
北沢 本当に凄いのは総覧ですよ。
清松 従来のルールブック3冊、夏のサプリメント・データブック5冊、冬のツアー・博物誌5冊、これのアイテムを全部まとめて総覧にしてます。
田中 『アルケミスト・ワークス』のが20頁ほどでしたが、今回は50頁以上あります(笑)。項目数は1,000超えてると思います。
清松 単純にアイテム数が増えたのに加え、項目1個あたりの情報量も若干増えていて、それも頁数に影響しました。「どれがマジックアイテムか」「このアイテムは使うとき手を塞ぐのか」あたりは、全部情報として載ってます
北沢 50頁と聞くと多いけど、実際に調べようと思って引くと、すぐに見つかります。そして、便利。
田中 概要や基本データはこの総覧でわかりますし、詳細データが欲しいときもどの本の何頁にあるか、全部分かりますから、とりあえず『ルミエル』一冊用意しておくと、ゲームがスムーズに進行すること請け合いです。
――: 1,000個もあると目移りしちゃいそうです。
田中 せっかく大量のアイテムがあるんだからということで、ランダムトレジャードロップっていう選択ルールも作りました。魔物を強化して、その強化された魔物を倒したらその分価値の高いアイテムが手に入るというものです。例えば宝物庫を守ってるドラゴンというふうに活用してもらえればと思います。
清松 そして、思わぬアイテムを拾って、「これ、どうすんだ?」となる(笑)。
北沢 せっかくだから、誰か〈防具習熟/非金属鎧〉取れよー、とか(笑)。


ライダーがさらに輝きます。

――: 「『ルールブック改訂版』の内容は、その夏のデータブックにも収録される」というのは、今回も同じですか?
田中 同じです。ですので、ライダー技能改訂も、ヴァルキリーも『ルミエル』に収録されます。
清松 実際には、アッパーバージョンです。
田中 そうですね。新種族はヴァルキリーのほかにもありますし、ライダー技能関係では、ページの都合で入らなかった騎獣データや、騎獣を購入して自分専用にした時の特典ルールやそれに類するアイテムも収録されています。
北沢 ライダーをするなら、ぜひご覧ください。
清松 ドライバーもできるよ(笑)。
田中 二輪じゃなくて四輪という意味で。技能はあくまでライダーです。


非常に太陽の種族です。

田中 新種族はヴァルキリーの他に2種族入ってます。
清松 ひとつはソレイユ古代神の眷族にあたる種族というのがあって、"始祖神"ライフォスは人間、"妖精神"アステリアはエルフ、"月神"シーンはシャドウ……という感じなんだけど、"太陽神"ティダンだけ今まで眷族がいなくてね。
田中 それで太陽の子ソレイユが誕生したんですけど……、まあー非常に太陽の種族になりましたね。
清松 ちなみに、異世界的にはそういう理屈ですが、現場としてはリルドラケン以外にも脳筋したいなー、真の脳筋ほしいなー、ていうのが理由です。(笑)
――: え、そんな理由!?
田中 筋力の高さはこれまでに登場した種族の中でも1、2位を争います。ただ、知力の低さに関してもやっぱり1、2位を争ってますけど。(笑)
北沢 あと、太陽の眷族ということで昼間は精神効果属性の抵抗に+4のボーナスがつくんだけど、夜になると-4のペナルティがつきます。
清松 精神力も低め設定なので、夜になるとほぼ無抵抗。太陽が沈んだら即寝る、みたいな感じで、非常に極端な種族なのでテストプレイの評価も二極化していたね。実際の使い勝手は皆さんで試してみてください。
田中 もうひとつは、『ルミエル』のコンセプトに合わせてアイテム使いみたいな種族を、というところからレプラカーンが誕生しました。
清松 種族特徴で装飾品の「その他」欄が1つ増えるので、レプラカーンは指輪を最大4つ装備できるよ。
――: おお、すごい!
北沢 アイテム使いのイメージから手先が器用ですばしっこくて、でも身体を使うことはちょっと苦手、みたいな。
清松 外見的には小柄な、身長130cmくらいのもふもふした丸耳の種族です。地下に住んでいて夜になったらこっそり靴を直してくれる小人さんなイメージなので、それに合わせて生まれつき【コンシール・セルフ】が使えます。

++ 【コンシール・セルフ】 ++
 真語魔法6レベル、術者の存在を隠蔽する魔法。
「五感」「機械」「魔法」のいかなる知覚に対しても透明となり、音やにおいでも一切関知されなくなります。
 
――: え、強くないですか?
清松 暗視もあって姿が消せるから、密偵とかスカウトに非常に向いてる。ただ、当然技能がなければ探索に出ても何も見つけられずに帰ることになったり、相手のヒソヒソ話の言語がわからない、なんてことになるのでそこは気をつけてくださいね。
  こぼれた話:魔法の合言葉


魅力あふれる1冊です。

――: わたしがやるインタビューでは恒例の、制作中のあれこれをお願いします。
田中 まず楽しかったことはソレイユ。テストプレイで誰がソレイユやるか取りあいになるくらい楽しかったです。
ベーテ ソレイユ超楽しかったっすよー!!
藤澤 わたしもちょー楽しかったです!
秋田 (ぼそり)わたしやってない……。
清松 GMとして、気持ちよく殴られただけだ……。
一同 (笑)
清松 ソレイユは長所と短所が猛烈にはっきりしていて極端なので、ざっくりした感覚で遊ぶのが楽しいと思います。あっさりボスキャラを倒されても、まあソレイユだしな、くらいの軽い気持ちで。
田中 逆に、そんなつもりはなかったのにソレイユがばたっと倒れたせいで阿鼻叫喚、というのを楽しんでいただければよいかと。
北沢 ソレイユは一見派手ですから、それがいるからと、無理に構えてバランスを取りに行こうとすると、敵が強くなりすぎる危険があります。
清松 GMは、従来通りの感覚で行けばいいと思いますよ。どうしても、敵が脆く感じるなら、トレジャードロップルールを使ってください。合法的に敵のHPを強化できます。
田中 他に楽しかったのは新規のアイテムテスト。アイテムとっかえひっかえして楽しかったです。
――: 大変だったことはありましたか?
田中 さっきもちらっと声に出てましたが、ダウン方向の修正はきつかったですね。出来るだけやりたくなかったんですが、どうしても改訂せざるを得なかったものがいくつかあって。
清松 とにかくグレードダウンする作業は辛かったですね。今現在愛着を持って使ってくれているユーザーさんに申し訳なくて、何度も熟考して。
――: 例えばどのアイテムが対象に?
清松 むしろ、対象になってたけど、生き延びたアイテムでいい? 〈イスカイアの魔導鎧〉。これが、どう見ても飛び抜けて強い。なので、当初は防護点を1下げる方向で調整を進めてました。
北沢 ただ、今使ってるユーザー数では、おそらくトップクラスのアイテムですから。本当に、それでいいのかと。で、検討の結果、逆に、他の鎧を引き上げる形にしました。
田中 もちろん、単純に他の鎧の防護点を足したわけじゃないです。普通の鎧を魔法の鎧に強化して、防護点を+1できるレシピを用意しました。魔法の武器+1の鎧版です。
清松 〈イスカイアの魔導鎧〉は、ハナから魔法の鎧なので、この強化はできないと。そもそも防護点を高く設定したのが、魔法の鎧だからという理由だったし、いい落としどころではあると思います。
北沢 大変だったのはそれくらいで、他は概ね楽しい作業でしたね。
清松 ……。
田中 何か言いたいことが?
清松 アイデアをいろいろ出してもらってから、データ化していったんだけど、何というか、「このフレーバーはねえっすよ」ってのがいくつかあったなあと。
田中 ああ、確かに(笑)。
清松 とりあえず、データとしてテストプレイしといてと、そのまんま出して、皆が笑い転げるという。
北沢 一時期、ラクシアがどうなってしまうのかと危惧しました。
田中 最終的には、それも無難なところに落ち着きました。
北沢 終わってしまえば、これも楽しい想い出です。
清松 そうですね。『ルミエル』はGMにとってもプレイヤーにとっても使い勝手のいい魅力ある1冊になったと自負していますので、8月の発売を楽しみにしていてください。






おまけ
Role&Rollでリレーリプレイもやってるよ!

戦慄のトリプルクラウン
Role&Roll vol.110』から連載がスタートした企画リプレイ。
 7人のメンバーが持ち回りでGMを担当するリレーキャンペーンで、キャラクターは各メンバーが作成した7人のうち、毎回5人が参加します。
 そしてGMは7人が各3つずつ考えたお題の中から、ランダムに3つを引いてシナリオに組み込むのですが、
お題の1つはセッション直前に引く、というとんでもないムチャ振り!

 お題を引いた瞬間のGMの反応や、繰り広げられるカオスな展開に大爆笑間違いなし!
 シエナクェラス地方を舞台に参加メンバー7人8脚の大冒険。一体どんな結末を迎えるのかは、まだ誰にもわからない……。どうぞご期待ください!

 そんなリレーリプレイ、現在の順番は下記の通り。ちなみに下記タイトル内の「*」部分はお題が入っているのでネタばれ防止のため秘密です。どんなお題かは本編を見てのお楽しみ!
 書籍にまとまるまで待てない! という方は『Role&Roll』のバックナンバーをお求めくださいね。

順番 メンバー 掲載号 タイトル
北沢慶 vol.110 第0回:そしてムチャ振りは始まった+コラム:リレーGM形式で、みんなでGMを楽しもう!
北沢慶 vol.111 第1回:蘇る脅威
vol.112 第2回:激闘! **城
田中公侍 vol.113 第3回:わたしまけましたわ
vol.114 第4回:怪盗ポリアンナ、現る?
藤澤さなえ vol.115 第5回:地獄の沙汰もお題次第
vol.116 第6回:***食いは男をみせるか
清松みゆき vol.117 第7回:***はヘクスがお好き
川人忠明 vol.118 第8回: 7/20本誌発売をお楽しみに!


――: 詳しいことは書籍にまとまる頃に改めてご紹介の機会があるかと思うので今回は簡単に。
えーとこの企画は、
GM持ち回りで遊ぶリレーセッションをしてみよう! という企画なんですよね。
北沢 そうですね、最初はリレーセッション楽しいよ! っていうだけの軽い気持ちで立案したら……。
――: 編集さんからまさかのムチャ振りがあった、と。
北沢 結果的により面白い企画になったわけだけど、毎回お題をひいた時の阿鼻叫喚が凄まじいですよね。
7月発売の『Role&Roll vol.118』で5番目川人さんの回になりますが、各GMのキャラクターを良くあらわした面白いリプレイシリーズになっていると思います。
――: 読者としては、次はどんなお題がきてどう料理するのか、毎回すごく楽しみです。書籍にまとまるのはいつ頃ですか?
北沢 1巻目11月に発売予定です。前半4人分の話が掲載されますので楽しみにしていてくださいね。




 といったところで、インタビュー前半は終了です。

 後半では8月からスタートする新たな企画、リプレイ&小説グランドキャンペーン『ドラゴンレイド』についてご紹介いたしますので、どうぞお楽しみに!

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