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TOP > ユーザーコンテンツ > TRPGリプレイ > ゴーストハンターRPG02リプレイ「京都魔界紀行」3


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3.「怨霊の館」へ、れっつごー
 
 というわけで、昼さがり、五人うちそろって市電で出町柳に向かいます。そこからビラの地図のとおり、ひょこひょこ歩いていきますと、あたりにはのどかな田園風景が広がります。お化け屋敷の方角に向かう人影は他になく、目に入るのは農作業をしている人や、そこいらで遊んでいる子どもくらいです。

日出子:どーも、ほんとに「知る人ぞ知る」みたいだね。

銀次:でも、女子高生の話やと、えらい出来がええんですよね。やったら、おれの芸のネタにもなるかな。ぴょ〜ん、ぴょ〜ん!

一同乗ってきたんかい、ジャンプ・ブースター!(笑)
 
 いい歳をした大人(銀次、24歳)がホッピングに乗ってやってくれば、さすがに子どもたちも興味を引かれ、寄ってきます。ここで「近ごろ人気が出てきた」と自称する銀次の知名度をチェック。残念ながら、子どもたちの目には「変なおっちゃん」としか映らなかったようです。

銀次:が〜〜ん、この奥様もうっとりの美貌を……(笑)

子ども:おっちゃんら、そんなん乗って、なにしにきたん?

銀次:いや、このへんに、お化け屋敷ができたて聞いたんやけど、ぼく、行ったことあるか?
 
 問われた子どもはうなずきつつも、なんだか微妙な表情です。

サルバトーレ:ん? ひょっとしてホントに怖がってマスか。

銀次心理学で調べてみよう。コロコロっと(サイコロを振って)……あかん、子どもの考えてることはわからん(笑)。

日出子:きっとこの子はわたしたちをビビらせようとしてるんだよ。もしかしたら、お化け屋敷の回し者かもしれないね。

サルバトーレ:Oh、それはそれで、うまい宣伝デスね。

日出子:なら、百貨店の催しでもこの子を使えるな。念のために住所を確認しておこう(笑)。

保助:ところで、そのお化け屋敷には十尺のイタチとか、そういうのが置いてあるんですかのう……
 
 保助の言葉に、子どもは

「ふわふわした、赤いもんが飛んでてな、お墓みたいのんがあってな、そんでな……」

と言ったきり、また泣きだしそうになります。
「お化け屋敷はあっち」と子どもの指さしたほうを見ると空き地があり、そこに木造の建物があります。一見したところ、大きめの見世物小屋といった感じです。周囲をぐるりとまわると、少し離れたところに小さな神社があります。簡単にお参りしたのち、一行はお化け屋敷へと向かいました。

揚羽:ところで、このあたり、なにか変な気配とかありませんか。
 
 おっと、来ました。さすがにするどい揚羽ちゃんも、ぼんやりなサルバトーレも、建物の周りでなんだかよくない霊気を察知します。

日出子:具体的にはどんな感じなの?

揚羽:大昔、お墓だった場所とか、たくさん死人を出した元沼地とか、そういう感じかな?

銀次:なんだか、とたんにイヤ〜んな感じがしてきたなあ。

日出子:大丈夫、子どもが入れるくらいなんだから、みんなで行けば怖くないよ。

銀次:いや、べつにビビってるわけでは……ちょっと、あるけど(笑)。

揚羽:逆に考えれば、そういう場所だからこそお化け屋敷を建てたのかもしれないし。
 
「せっかく来たんだから、とりあえず入ってみよう」と一行が入り口に向かうと、切符売り場にはおばちゃんがすわっています。

保助:で、そのおばちゃんは「陽気なおばちゃん」ですか。
 
 はい?

保助:いや、げっそりやつれたりしてませんかの?
 
 してません(笑)。木戸銭はひとり12銭です。他の客は見当たりません。

日出子:よくこれで経営が成り立ってるなあ。
 
 キャリア・ウーマンらしくしきりに採算を気にする日出子さん。
 ちょびっと腰の引けた銀次。
 けれど、目をきらきらさせた揚羽とサルバトーレ、いつになく強引な保助さんが、妖気漂う幽霊屋敷にずずいと足を踏みいれます。

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