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Text:笠井道子
−目次−
0.はじめに |
時代は大正末期。
この時期の京都は思ったより「近代化計画」が進んでいる。
一説には「天皇さま」をお江戸にかっさらわれた京都市民の心を慰撫するためと言われている。
その真偽はともかく、疎水の水力発電ははじまっていたし、百貨店はあったし、市電はほとんど街中にはりめぐらされ、京阪電車の急行は大阪と京都を一時間で往復していた。
義務教育は小学校六年間、授業料は無料。
まさに近代の幕開けともいうべき時期。
そして、これからお届けするのは、とある心霊サークルに所属する5人のメンバーと、近代化の波に押されて行き場を失いつつある怨霊との恐怖に満ちた一幕です。 |
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