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7.そして、仲間たちは…… |
日出子:そろそろ暗くなってきたし、あとは明日にして、今夜はわたしの下宿に泊まってく? 揚羽ちゃんの研究所には、その旨、電報を打っておくよ。
揚羽:ほんとにっ? わ〜い、はじめてのお泊りだぁ!
保助:よかったですなあ、揚羽さん。今日くらい電極から解放されて、ゆっくり休んでください。
揚羽:寝るときはいつもはずしてもらってるよ(笑)。では、日出子さんのお寝巻きにお着替えしてっと……
銀次・保助:うぉっと、それは目のやり場に困るんですが。
揚羽:平気平気、見られるのは慣れてるから。
日出子:ふ、不憫だなあ……わかってたけど(笑)。
というわけで、雑魚寝で眠りについた一行ですが、未明になって揚羽ちゃんは懐のあたりがむずむずするのを感じます。どうやら、例のお札「勇者の証」の仕業のようですが…… |
揚羽:なんかね、このお札がモゾモゾするの。もっかい神秘学で調べてみよう。
日出子:よくないものみたいだから、気をつけ――
揚羽:あっ、寝ぼけてたから大失敗しちゃった! どうしよう(笑)!
あ、あらあら……と笑ってる場合じゃありません!
揚羽ちゃんはとつぜん、あの井戸に向かいたい衝動に駆られます。ふらふらと部屋を出てゆく揚羽ちゃんに気づいて、ほかの仲間も飛びおきました。 |
銀次:ど、どこ行くんや、揚羽!?
揚羽:なんかね、いま、急にあの古井戸が愛してたまらなくなったの(笑)。
保助:あんなとこに一人で行くのは危険です――みんなで行っても危険ですがの(笑)。
揚羽:井戸に行かなきゃいけないの。井戸の向こうで了海さんが待ってるの!
揚羽ちゃんは引きとめる一行をふりきって井戸に向かおうとしますが、なんとか抵抗判定に成功して落ちつきを取りもどします。 |
日出子:やっぱり、井戸の向こうになにかがあるんだ!
サルバトーレ:でも、ワタシもお札はもってマスが、なにも感じまセンでしたよ? 不良品デスか? これも調べてみてください。
揚羽ちゃんが調べてみると、そのお札には「才知にあふれ、容貌たぐいまれな13〜16歳の男女」にだけ反応して、井戸におびきよせる魔力がかかっているとわかります。揚羽ちゃんは年齢こそ少し高いものの、そのほかの条件は申し分なく満たしています。大失敗したせいで、魔力が発動してしまったのでしょう。
さらに日出子さんの推察どおり、その井戸が異界への門であり、お札が通行証になっていることがわかります。 |
揚羽:だとしたら、お札をもってないふつうの人は、あの井戸を通れないね。
日出子:そうだね。だったら、わたしはふつうの人でいいよ。
保助:それには同感ですが(笑)、年齢や容貌からいって、お夢さんと徳助くんが井戸におびきよせられたのはまちがいありませんの。放っておくわけにはいきませんなあ。
子どもたちの生命が危ないと焦りながらも、井戸は怖いし通れない。
「心霊現象研究所」に相談に行くべきか、朝を待って情報を集めに行くべきか、プレイヤーたちが頭を悩ませているうちに、ふとサルバトーレがあることを思いだします。 |
サルバトーレ:異界への入り口といえば(コロコロっと知識判定)――京都には有名な「六道珍皇寺」というのがありマスよ。祇園神社を少し下ったところデス。
日出子:なんでサルバトーレがそんなことを知ってるかはさておき(笑)、お寺なら24時間営業だ(ホントか?)。いますぐ行ってみよう!
一行:おーっ!
サルバトーレ:それにしても腑に落ちません。ワタシもお札をもっているのに、どうして魔力が発動しなかったのでショウ?
って、あなた、いくら男前でも歳は30、分析力も知覚力も最低値、しかも半分イタリア人でしょうがっ(笑)。 |
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