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9.逡巡するプレイヤーたち…… |
いそいで「怨霊の館」まで舞いもどったものの、井戸に漂っていた強烈な霊気を思い出し、なかなか踏ん切りがつかない一行。と、そこに一郎太がやってきます。 |
一郎太:その護符持ってたら、姉ちゃんとこ行けるんか。ほな、ぼくが行ってくるわ!
日出子:いや、きみはお姉さんの姿を見ないほうが……
サルバトーレ:そうデス。ここはプロにまかせなサイ。
一郎太:プロって……こっちのふたりだけやろ(と、サルバトーレと揚羽ちゃんを指さす)
銀次:(キリリと胸を張り)いや、われわれはこう見えても……
日出子:りっぱなアシスタントやねん(笑)。
一郎太:姉ちゃん助けるためやったら、ぼく、どこでも行くで!
銀次:あんな、昔の諺に「ミイラとりがミイラになる」ってのがあってな。まあ、最中(もなか)でも食うて待っといてくれや。
一郎太:ぷいっ。
銀次:なんやと〜、このガキ、最中返せ〜〜〜(笑)。
日出子:もし一日経ってわたしたちが帰ってこなかったら、きみは揚羽ちゃんのいる研究所に連絡してね。
揚羽:そうしたら、みんな、大喜びで……
日出子:さらにミイラとりがいっぱいくるから(笑)。
一郎太:ほな、おばちゃんらが姉ちゃん、助けてくれるんか?
日出子:むうう、まかせろと言ったからにはしょうがない。おうさ、大船に乗ったつもりでいなさい、少年。無事に帰ってきたら、そのときには「おばちゃん」呼ばわりした落とし前をつけてもらうからね(笑)。
一郎太に背中を押される形で、プレイヤーたちは「怨霊の館」の裏口に近づきますが、営業中でもあるため、例の陰気な男が立ちはだかります。一行の推測どおり、この男は明治のころ、怨霊と化した了海にとらわれ、亡者とされた「仙治」です。その後、了海の手下として、雑用を引き受けているのです。 |
仙治:こちらは出口です。入り口のほうにお回りください。
揚羽:あなたはだれに頼まれて、ここでお札を配ってるんですか?
仙治:了海さま……いえ、大平男爵に……
サルバトーレ:目の前のこの男は生きているのでショウか。
調べれば一目瞭然、生きているわけありませんわな(笑)。 |
サルバトーレ:Oh、やはり、この人は死人デス。
保助:いや、どっから見ても生きてますぞ(怖いので、必死に自分に言い聞かせている)。
サルバトーレ:なりまセン、悪魔祓いのワタクシとしましては、これを捨ておくわけにいきマセン。「魔力破壊」!
サルバトーレのクリティカル一撃で、仙治はしおしおしお〜と消えていきます。 |
日出子:よくも、わたしたちの目の前でそんなことを!
サルバトーレ:ア、アレ? 亡者を滅して正しいことをしたのに、なぜに怒られマスか?!
日出子:うん、ただの八つ当たりだよ(笑)。心の中では、この人は生きてるって信じようとしてたのに……うわ〜ん。
保助:いやあ、サルバトーレどのはなかなか不思議な「奇術」を使いますなあ(まだ自分をごまかそうとしている)。
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