ゆうみん |
7月30日に角川KCG文庫さんから発売の『妹トラップ! 外道な兄と使われ妖怪(以下、妹トラップ)』のお話も伺ってまいりましょう。
この作品は、ソーシャルゲームの連動作品ということなんですが、どういった経緯で友野さんのところに? |
友野 |
ライターや編集の仕事をしている友人からある日電話がかかってきて
『友野さん、僕の知り合いが『秘録妖怪大戦争』というソーシャルゲームのノベライズする人探してるんですけど、友野さん若いのに心あたりは……』
「『妖怪大戦争』? 僕がやる」
って脊髄反射的に答えていて。 |
ゆうみん |
脊髄反射、ですか? |
友野 |
そう、答えてから版元とか条件とかを確認して。そしたら、担当編集さんとはついこの前お会いしたばっかりで、その時に企画持って行っていいですかって話したところだったから連絡を取って、非常にあっさり決まった。 |
ゆうみん |
脊髄反射で答えちゃうくらい、友野さんにとって重要な作品なんですか? |
友野 |
僕の大原点のひとつだからね。
角川映画さんの前身である大映っていう映画会社が1968年に作った『妖怪三部作』っていう妖怪映画が3本あって、その中の2作目が『妖怪大戦争』なんだよ。
生涯で僕が好きな映画を3本選べって言われたら、その3本の指に入る。 |
ゆうみん |
ほほう。 |
友野 |
子供の頃からずっと好きで、大学時代に特撮作品オールナイト上映をしていたのを友人と見に行って、「俺らも作ろうぜ!」て8ミリ映画で『妖怪総進撃』っていう映画を作っちゃったくらい好き(笑)。
というわけで、それを元にしたソーシャルゲームの小説って言われたら僕がやるって言う以外にないだろう、と。 |
ゆうみん |
なるほどそれは即答しちゃいますね(笑)。 |
友野 |
で、即答した後で「妖怪はみんな美少女化してます」って言われて「ん?!」てなったりもしたんだけど(笑)。
実は担当編集さんは、SNE創設の頃からお付き合いのある方で、デビューする前からずっと面識だけはあって、今回初めて直接一緒にお仕事させていただくことになった、という縁もあって。 |
ゆうみん |
すごい縁ですね。
ちなみに、このゲームはプレイヤーが妖怪使いになって、妖怪を集めて育てて戦うバトルゲームだそうですが、小説執筆にあたって妖怪が美少女っていう以外には制限みたいなものはあったんですか? |
友野 |
プレイヤーが所属する〈キョーカイ〉と〈ツチグモ〉っていう組織の設定なんかはあるけど、逆に、それらの詳細設定を作ってくれたらフィードバックしますよって言われて、妖怪のバトルも好き放題で非常にフリーハンドにやらせていただきました。
なので、今回の作品はノベライズではなく連動作品として、タイトルにも『妖怪大戦争』と入れずにいきましょう、ということになったんだよ。 |
ゆうみん |
なるほど。他にもコミックとかいろいろ同時期に始まってますよね。 |
友野 |
そちらは僕は関わっていないので詳しいことはわからないですが、連動企画として、電子書籍版が同時発売されています。
さらに、各作品にはゲームに使えるカードがおまけでついています。
『妹トラップ』の主人公たちは、小説のオリジナルキャラだけど、本を買っていただくとゲームの中でも朱天童子を使えるようになるよ。 |
ゆうみん |
あ、そのシリアルコードなんですけど、有効期限が2012年9月30日と書いてあって短いなーと思ってたんですけど。 |
友野 |
正しくは2012年12月31日に訂正されてたね。
このお話は、妹のアカネに憑依した妖怪の朱天童子と、その朱天童子を召喚し使役する兄のイオリのダブル主人公で、そして目指すは世界征服。たった一人の美少女(妹ではない)のために世界征服を目指すという。だからヒロインはあとらが……ヒロインなのかな、あれ? |
ゆうみん |
え、いちおう、ポジション的にはヒロインでは? ポジション的に、と言えは妹は読んでるうちに、あれ? い……もう、と? ってなりますが。まさかあんなニックネームでクラスメートから呼ばれているとは(笑)。 |
友野 |
いわゆるラノベの妹キャラとはかけ離れてるよね。
たぶんタイトル詐欺って言われると思うんだけど(笑)、でもがんばって面白い話にしたつもりなので、ぜひこれもお楽しみいただければ幸いです。
挿絵を担当してくださった西脇ゆぅりさんのイラストもたいそう可愛らしいので、本文に足りない萌えはイラストで補っていただければ、と(笑)。
で、小説を読んでもし興味を持っていただけたなら、ぜひ映画やゲームもどうぞ。どちらも面白いのでおススメですよ。 |
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西脇ゆぅりさんのサイト
http://yuuri.happy.nu/
pixiv
http://www.pixiv.net/member.php?id=454539
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