1.開会式 |
開場数時間前、JGCの会場となる新横浜プリンスホテルのロビーには今か今かと入場を待ちわびる参加者のみなさんが集まりつつありました。
午後3時、開会式よりも一足先に物販スペースが開場となり、にぎやかな雰囲気が会場全体を包み込みます。目玉商品の数々を手にするみなさんの目は童心に返ったかのようでした.(この物販スペースの様子はこちらで)
そして午後5時、JGC2014 の開会が宣言されます!
開会式壇上へ開会のあいさつに現われたのはこの4人。
我らがボスにして、基本&拡張セット1が好評発売中の『ゴーストハンター13 タイルゲーム』デザイナー、株式会社グループSNE代表取締役社長、安田均。
大人気『アリアンロッド2E』そして今年版上げとなった『ナイトウィザード3rd Edition』を手がけるF.E.A.R.副社長菊池たけし先生。
新作のソード・ワールド2.0ノベル『ドラゴンレイド戦竜伝』の著者であり、ミスター北沢の愛称でおなじみ、みんなの兄貴、「ソード・ワールド2.0」の総監修北沢慶。
そして御年80歳を迎えるジェダイナイト……もといアナログゲーム界の重鎮鈴木銀一郎先生。
このそうそうたるメンバーの中からあいさつの先鋒を務めたのは、安田社長でした!
JGC開催の数週間前、旧友とともに各地へ旅行に行っていた社長は旅先でもゲーム三昧だったとのこと。
「僕も友達も昔からゲームが大好きだからみんな集まればまず初めにゲーム。でもまさか旅先でもやるなんて(笑)」
と言いつつ、『アクワイア』から始まったゲームを愛する心がその言葉から伝わってきました。
そして社長はその旅行中にある発見をしたそうです。
「船ほどゲームに向いた環境はないかもしれない。船旅は窮屈なイメージがあったけど実際はその逆で実に開放的なものだった。各停泊地の観光から帰ったあと、満足感を胸に快適な船内でゆっくりとゲームができるし、運動施設もある。何をするにしてもいつもよりワクワク感が大いに増した良いものでした」
「SNE30周年ゲーム会は客船でやってみようかなんて思ったり(笑)」
と大胆な提案で会場をわかせました。
社長……船上のゲーム会、楽しみにしております(笑)。
「あいさつする順番は重要」
第一声にそう語ったのは菊池先生。軽快なトークで場を大いに盛り上げた先生は、どうやら次に控える北沢慶に面白いあいさつをするようプレッシャーをかけるのでした。
しかしこの第一声が後にあんなことになるとはこのとき誰も予想しなかったのであった……。
「よっしゃあああああ!」
と、雄叫びとともにマイクを手にしたのはもちろん北沢慶!
菊池先生のムチャぶりもなんのその会場をさらにわかせます。
「今年からの僕はどんどん新たなことに挑戦したいと思っています。みなさんも新しいこと、例えば、TRPGが好きな人はボードゲームをやってみたりボードゲームが好きな人はTRPGをやってみる、などなど……。それらを真っ先に教えてあげられるのは会場にいるみなさんのはずです!」
参加者全員に檄を飛ばす姿はやはりパワフルな兄貴そのもの。
北沢さんはあいさつの最後に再び参加者に気合いを入れます。
「TRPGは好きかぁーっ!」
「おぉーっ!」
「ボードゲームは好きかぁーっ!」
「おぉーっ!」
「北沢慶は好きかぁーっ!」
「おぉぉぉぉぉぉぉ!」
北沢さん、さすがです(笑)。
お三方のあいさつにより会場が温まりきったところで、鈴木銀一郎先生のごあいさつ。先生は今年で御年80歳。そのお祝いの花束が贈られました。
全身の装束とライトセイバー片手のお姿が馴染みすぎてもはやジェダイマスターの域に達しているのではなかろうかという先生は、会場全体にフォースの加護を与えます。本当に馴染みすぎです(笑)。
そして鈴木先生が拳を高く挙げると、会場の全員もそれにならいます。
これが噂に聞く毎年恒例の“アレ"なんだとすぐさまわかり、ちょっと興奮気味で僕もつづきました。
「ゲームを楽しむぞーっ!」
「おぉーっ!」
「48時間楽しむぞーっ!」
「おぉーっ!」
「寝ないでやるぞーっ!」
「うおーっ!」
先生「まっ、私は寝るんですけどね」
大盛り上がりのうちに開会式は終わり、JGC2014の開幕となりました!
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2.SNE物販ルーム&サイン会 |
物販ルームのSNEブースでは注目作品を取り揃えておりました!
まずは注目の「ブラックストーリーズ」シリーズ。
JGC2014ではシリーズ第二弾『鳥肌の立つ“黒い"物語』が先行販売されました。さらに、品切れになっていたシリーズ第一弾『50の“黒い"物語』も重版分がついに到着。
これは、とある事件の結末に対して、リドルマスター(出題者)に「Yes」「No」で答えられる質問を投げかけ、どうしてそのような事態になったのかをみんなで明らかにする推理ゲーム。
ブースで印象に残ったシーンを一つご紹介しましょう。
「ブラックストーリーズってなんですか?」
「じゃあ、お試しで問題を出してみますね。サウナで男が死んでいて、そばには魔法瓶が……」
「あっ、それ知ってる! ○○(答え)ですよね!?」
「はやっ! 正解ですっ!」
「よっしゃっ! 『ブラックストーリーズ』1と2、両方くださいっ!」
まさに即答でした。そしてお客様の満面のドヤ顔(笑)。
ちょっと思考の飛躍が求められるのですが、ミステリ好きな人もそうでない人も手軽に遊べるゲームです。[ブラックストーリーズ製品紹介はこちら→]
もちろん『ゴーストハンター13 タイルゲーム』基本セットに加え、7月に発売された拡張セット第一弾「7つの大罪」も販売いたしました。
そして最終日8月31日(日)にはビッグニュースが発表。拡張セット第二弾「ディアブロ・ドゥ・ラプラス」が11月発売予定です! [最新ニュースはこちら→]
同じく最終日の午後4時からは、ゴーストハンターシリーズのデザイナー兼著者兼総監修である安田均社長、小説の著者・山本弘先生、メインイラストレーター・弘司先生お三方のサイン会も開かれました。
まさにゴーストハンターBIG3!
『ゴーストハンター13 タイルゲーム』のパッケージ裏にお三方のサインを書いてもらっていた人や、ゴーストハンターミニライブのプレイベント記念カードにサインをいただいた人などなど、どれもレアリティが増した思い出深いものとなったことでしょう。 [ゴーストハンターミニライブ プレイベントについてはこちら→]
ほかにも大好評のカードゲーム『王宮のささやき』や『キャット&チョコレート』シリーズ、さらには友野詳や山本弘先生が執筆に参加した「クトゥルー・ミュトス・ファイルズ」の『闇のトラペゾヘドロン』『超時間の闇』(ともに創土社)も販売いたしました。
開会式前には友野詳のゲリラサイン会が開催! 偶然出くわしたファン一同、サインゲットでウキウキのご様子。
物販ルームへお越しくださったみなさま、まことにありがとうございました!
SNEでは続々とボードゲーム新タイトルが発売されるので、ぜひお手に取っていただければと思います。
また、販売卓に併設して「グループSNE/cosaic新作体験卓」も常時開設しておりました。その様子は「4.がっつり遊ぼう with SNE&グループSNE/cosaicゲーム体験会」にて。
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3.グループSNE コンベンション |
JGCといえばTRPGは欠かせません。
各社の有名タイトルをプレイできる卓が立ち並んでおりました。
今回SNEのTRPG卓は「ソード・ワールド2.0」「ゴーストハンターRPG 02」「ガープス・ルナル」「ガープス・コクーン」!
ダイスの音とロールプレイの声が会場を満たします。
「ソード・ワールド2.0」
初心者卓、一般卓にわかれてのプレイ。
『ルールブックV改訂版』とサプリメント『ルミエルレガシィ』が発売されたばかりで、一般卓ではそれらを一部活用したセッションを行いました。
使いやすくなったライダー技能を活かしたプレイ、新種族ソレイユのポージングによって会話ができる特徴などを実践してとてもにぎやか。みんなレプラカーンのこと忘れないでね(笑)。
「ゴーストハンターRPG 02」
『ゴーストハンター13 タイルゲーム』が好評ですが、12年経った今もなおそのRPG版は大人気!
恐怖判定をするごとに、まさしく恐怖のうめき声が卓の他プレイヤーをおどかします。
このゲームに慣れた方々が多く、スムーズに行くかと思いきや、やはりダイスの女神(この場合は死神でしょうか?)は、クトゥルーの神々並に気まぐれです。
「ガープス・ルナル」「ガープス・コクーン」
友野詳の小説『ルナルサーガ』『コクーン・ワールド』でおなじみのガープス・ルナル&コクーン。ここにきてなぜ卓が立っているのか、参加者の方々もJGC2014のパンフレットにあった「ルナル・コクーントークショー」の予定を見て、なんとなぁ〜く察したり察しなかったり……。
この時点ではまだ何が発表されるか明らかにされていなかったため、ファンの想像はふくらむばかりだったようです。
ルナルのシナリオでは、厄介なストーカーをおなじみのサンプルキャラクター使ってこらしめるはずが……?
当面の間、ルビーを見るのが恐くなりそうなシナリオでした。
[各シナリオのマスターの感想はこちら→]
コンベンションは3日間、計4回行われたのですが、いずれの回もGMとプレイヤーどちらも「まだまだやれるぞ!」とパワフルに卓を沸かせていました。
来年も疲れを知らない参加者たちの盛況なセッション、期待してます!
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4.がっつり遊ぼう with SNE&グループSNE/cosaicゲーム体験卓 |
【がっつり遊ぼう with SNE】
SNEイチオシ&発売予定のボードゲーム注目作を心ゆくまでがっつり遊べる体験卓が開かれました。
第一部ではこの日のために未訳&オリジナルの「ブラックストーリーズ」問題をご用意し、みなさんに楽しんでいただきました。
第二部では『王への請願』『Get Lucky』『ゾンビダイス』の体験ほか、、現在鋭意開発中のオリジナルボードゲーム『ブラインドミトス』をデザイナーの安田社長自らレクチャー。
『ブラインドミトス』は災厄をもたらす“禁書"を回収するエージェント、「ビブリオファイラー」となって事件に立ち向かうゲームです。
パッケージイラストを担当していただく田口順子先生にもご観戦いただきました。
『ブラインドミトス』について安田社長曰く
「シティアドベンチャー型の協力ゲーム。ボード上の施設やプレイヤーが行えるアクションを駆使して、大勢の化物や大きな怪物を倒しつつ、その原因を探っていくというものが基本。油断しているとそいつらに街が侵食され、埋め尽くされていく……という恐怖が待っています。これからどんどんブラッシュアップしてみなさんにお届けしますよ!」
その他にも社長は『ゾンビダイス』レクチャーに登場。
プレイヤーがゾンビとなって人間を襲うシンプルなダイスゲーム。
ルールは簡単。ボトルの中から複数あるダイスを常に3つ取り出し、それを振ります。
ダイスの面に描かれた「脳」の目ひとつで1点、弾痕の面3つを出してしまうと、得点は無効となってしまいます。
各ダイスには色があり、緑=脳の面が出やすい 黄=脳も弾痕の面も平均 赤=弾痕の面が出やすい、にわかれています。
プレイヤーの方々は得点トップのゾンビを追い越すため、弾痕がすでに2つ出てもあえて振り続けるという挑戦に出て、見事逆転! 次のプレイヤーがさらに逆転という大いに荒れた卓もあったようです。
脳の面さえ出せば延々とダイスを振り続けることができるので、日頃のダイス運が勝負をわけるかも!?
さらに、コーナーの一角で延々とタイルをめくりつづける卓が1つ。
「せっかくのJGCだから、がっつりゴーストハンターを遊んだらどうだ、柘植?」
安田社長の一声で決まった『ゴーストハンター13 EX1 7つの大罪』キャンペーン、7本のシナリオを遊びつくそうというイベントです。
1卓限定だったため希望者全員に参加していただけなかったのが残念ですが、午後3:30〜夜11:30まで、なんと8時間ぶっ通しで遊んでいただきました。
マスターを務めた柘植めぐみによれば、第一、第二シナリオで敗北し、先行きを案じたものの、その後、第三〜第五シナリオまでは見事クリアできたとのこと。
時間切れで第六・第七シナリオは「いつか来るだろうその日」への宿題となりました。
参加者のみなさまが大注目&大興奮のゲームの数々でした!
……そんな大盛り上がりのボードゲームですが、みなさん他タイトルにも関心をひかれることでしょう。
そこでオススメするのは、毎年春に出している、ボードゲーム版『世界の歩き方』と言っても過言ではない『ボードゲーム・ストリート』!
本書について、最終日に行われたRole&Roll新作発表会にて社長から紹介がありました。
まず始めに……
「いまボードゲームがいちばんアツい国ってどこかわかりますか?」
との社長の質問に対してお客さんは「……???」
「それはフランスです。毎年カンヌのゲーム祭には17万人も来るそうですよ。
来年はぼくもぜひ行きたいと思っています」
と、ボードゲームの新たな流れを紹介する安田社長。
もちろんボードゲームひとつひとつを把握するのは容易なことではありません。『ボードゲーム・ストリート』刊行までの苦労話も飛び出します。
「いまは年間1000くらいゲームが出ているので、実際に遊んでみて内容を把握するのがもうタイヘン。『ストリート』が出るのは、ドイツゲーム大賞の候補作が発表されるより少し早いから、大賞候補作などの面白いゲームがしっかりピックアップできているかドキドキで……。昨年はドンピシャだったけどね(笑)」
世界のボードゲームを知るならこの一冊『ボードゲーム・ストリート』(最新版は2014年版)。
注目作&話題作に関する紹介記事が目白押しです!
『【グループSNE/cosaic体験卓】
今年の『ゴーストハンター13 タイルゲーム』は、拡張セット1「7つの大罪」を使った体験卓です。
このセットから「屋外タイル」を使って、館の内外を探索できるようになりました。
今回はライカンスロープとなったプレイヤーのひとりを助けるため奔走するシナリオ。どんどん狂気カードが貯まっていく恐怖は今作でも健在です!
『アサンテ』はカードを使った2人用ボードゲーム。
カードを駆使して得た資源をお金に換えて勝敗を争います。
TCG(トレーディング・カードゲーム)好きにはモチロン、カードゲームは初めてな人にもオススメなゲームとなっております。
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『アサンテ』完全日本語版
左が米田仁士先生によるオリジナルイラスト
右がKOSMOS版パッケージ |
プレイ風景 |
『ポイズン』は体験卓のなかでも、とりわけ注目されていたように思います。
魔法の鍋で毒薬を作る魔法使いがパッケージに描かれているのですが、レクチャー担当の石野力、どうみても薬を作る側ではなく売る側の人間です……。(下写真:左)
日本語版パッケージは『モンスターメーカー』でおなじみ九月姫先生。
安田社長と2ショット写真を撮らせていただけました! (上写真:右)
マイナス点となる毒薬カードをお互いに押しつけ合い、なるべく失点を抑えたいこのゲーム。シンプルながら白熱すること間違いなし。
お友だちと仲わる……仲良く遊んでみてください。
大盛り上がりのポイズン体験卓に突然、衝撃が走るっ!
グループSNEの安田均、秋口ぎぐる、加藤ヒロノリ、そこにグループSNEの社友にして『ロードス島戦記』『グランクレスト戦記』の著者、水野良先生が着席!!!
ここにドリームマッチが開催されることになりました。
結果はなんと……安田社長、3ゲームの失点「0」で大勝利!
ゲーマー同士の高度なかけひきが繰り広げられた痺れるマッチングでした。
いやぁ〜いいものを見たなぁ。
参加者のみなさんからも「ポイズン売ってますか?」「アサンテありますか?」というご質問をいくつもいただくことができてとても嬉しかったのですが、少々お待ちください、『ポイズン』『アサンテ』は2014年11月に発売予定でございます!
ほかに『王宮のささやき』や『ブラックストーリーズ』も楽しく遊んでいただき、スタッフにとっても充実した体験卓となりました!
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5.怖い話をしませんか ~深夜のホラートーク】 |
JGC1日目のにぎやかな物音もなりをひそめ、草木も眠る丑三つ時。
会場のとある一室に眠らない人々がそっと一同に集結していました。
「本当に怖い話するから気をつけてね」
と、方々でこのイベントの噂を聞いていた割とビビりな僕は何度も心のなかで自分を勇気づけ、同室でその時を一緒に待っていた、同じく新人の石野力とともに会場へと足を運んだのです。
会場には悠然と参加者を待っている友野詳と大井雄紀の姿が。
「さっ、とりあえずまずはボクと大井の著作から紹介していこか」
あっけらかんに言い放った友野さんの一声で、「えっ、これから怖い話をするのでは?」と身構えていた僕のガードはいともたやすく崩れてしまいます。
友野さんからは復刊する『ルナル・サーガ』『コクーン・ワールド』、そして現在好評発売中の『あやかし秘帖千槍組』『からくり隠密影成敗』の次巻情報。
大井さんからはソード・ワールド2.0のドラゴンレイドシリーズリプレイ『できそこないの転生伝承(ウロボロス)』の執筆について。
ちょっとこの場では書けないようなある意味コワイ執筆秘話が展開されました。
とはいえ笑いのたえない空間が広がっていたので、本題に入ろうとしていても「なぁんや、ビビッて損したわぁ〜。これなら本題の怖い話も大丈夫じゃね?」と余裕な態度でレポート用の写真を撮っていると突然……会場の照明が消えたのです!
あとほんの少し気をゆるめていたらおそらく情けない悲鳴をあげていたことでしょう……。
大井さんが寮生活で体験した「音を立てずに寮の階段を這う謎の女性」から始まり、真っ暗闇の中、参加者のみなさんが体験した怖い話が次々と語られていきます。
特に「窓から消えない指の跡」は友野さん曰く
「まさにブラックストーリーズ! 怖ろしい出来事に対して具体的な答え(原因)があるというのはおもしろい! つーか怖っ!」
じわじわと真実が明らかになるゾッとするような体験談でした。
本当に1時間なのかと思うくらい時間が経つのを速く感じた濃密なイベントでした。
正直……噂通りめちゃくちゃ怖かったです。しかしクセになる怖さというか、「まだまだ聞いていたい!」といった魅力の詰まった怖さです。
参加者のみなさんの語り口も上手くて、ついつい聞きこんでしまうこともありました。
ちなみに、翌朝、僕と石野力共々早起きしなければならないのに寝坊するという恐怖体験をしました(笑)。
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