トルコ・ギリシャ・イスタンブール紀行 ―2000年10月― |
text by M.Kasai
第一章 建前は建前にすぎず…の巻(2000年10月20日(金))SNEのボス安田均が今秋もエッセンのゲーム大会、Spiele2000に参加すると言う。しかもトルコ、ギリシャを経てドイツに入る、全行程11日間の一大冒険旅行。ふむ、結構な話であることよの。 カイにとってそれはあくまで他人事のはずだった。が、なぜか出発当日、カイはパスポートを握りしめ、関西国際空港に姿を現したのだった。 「ボスの取材旅行のお手伝いをするため」なんて建前を信じる人はいるまい。結局は「イスタンブールで買い物三昧」というボスの一言で、あっさりと同行を決意したのだから。 旅の道連れはボスとボスの奥様ヨーコさん、通訳とガイドの2役をこなすボスの息子さん、カイの総勢4名だ。 ボスの息子さんは留学経験もある、20歳を超える立派な青年。いくらなんでも「ちゃん」付けはまずかろうといろいろ検討したが、結局は旅行中「マコちゃん」で通した。なので、彼には申し訳ないが、このレポートでも「マコちゃん」を使わせてもらうことにする。 第二章 年寄りの冷や水、カッパドキア…の巻(2000年10月20日(金))初日と2日目の日程を簡略に言えば、20日の朝関空を出発、フランクフルト、ミュンヘン、イスタンブールと飛行機を乗り継いで、ホテルに到着するのが同日午後11時55分。日本時間では21日午前6時前、実に24時間を越える長旅だ。 しかも、翌朝は5時半起床。飛行機とバスを乗り継いで午前11時半にようやく第一の目的地「カッパドキア」に到達するという強行軍。 さて、そのカッパドキアに出発する朝、イスタンブールのホテルのベル・ボーイがボスを見て「そんな薄着じゃだめだ。カッパドキアは寒い」と力説する。半信半疑ながら、全員が上着を一枚、一泊用の荷物に加えた。 で、問題のカッパドキア。 …寒い…なんてもんじゃない。いい加減にしろよ、とカイは叫んだ。それほど寒い。現地ガイドのセダッツによれば前日は雪が降ったそうな。さもありなん。 常識ある人間ならば、ここらあたりで日程のむちゃさ加減に気づくべきである。 が、海外に出ると元気百倍のボス(ふだんでも人並み以上に元気)は決して足を止めようとせず、次々と名所を見学。 そりゃあバテないほうが不思議ってもの。ふらふらになってホテル・デデマンに到着した一行はとるものもとりあえずトルコ風呂を予約、サウナ・垢すり・マッサージの極楽気分を味わいましたとさ。 ☆ カッパドキアは見所いっぱい世界遺産に認定され、旅行ガイドやテレビで盛んに紹介されているので詳細は省くが、地下都市、ギョレメ屋外博物館、キノコ岩など見所には事欠かない。数億年前のエルジエス火山の噴火でできた地層が風雨に浸食され、世界に類のない(らしい)奇岩が乱立している。どれほど想像をたくましくしようが、それをはるかに上回る奇観が広がる。さながらSF映画のセットのようだ。ボスいわく、スペインの天才建築家ガウディもこのカッパドキアの景観に影響を受けたに違いない、と。
☆ 噂のトルコ風呂(ホテル・デデマンにて)カイの体験したトルコ風呂の手順はこうだ。最初は乾燥したサウナで身体の芯から温まり、次に蒸気の上がった大理石の風呂(浴槽はない)で「蒸し焼き」にされる。毛穴が開いたところでごしごしと垢すり。そのあと全身に香油を塗ってマッサージ。まさに桃源郷である。 が! この間、カイは全裸に薄い布切れ一枚巻きつけただけの格好。しかも風呂は男女共通、スタッフは全員男性の上、垢すりやマッサージの最中にはその布切れさえほとんどはぎとられてしまう。 逆立ちしてもお年頃とは言えないカイだが、そこは恥じらいを知る大和撫子、京女。せっかくの極楽気分が緊張と羞恥心で半減したのは残念しごく。 ◆「第三章 旅行者に優しい国勢調査・イスタンブール観光」に進む。 ◆トルコ・ギリシャ・ドイツ紀行「目次」/◆レポート目次/◆ゲーム日記目次 |