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7.T&TライブRPG

『トンネルズ&トロールズ完全版』の発売、そして「ドラゴンを倒せ!」と続いて、T&Tイヤーを彩るイベントがもうひとつあります。
 一昨年の『ゴーストハンター13』、前年の『ブラインド・ミトス』とSNEでは例年、ミニライブを行ってきましたが、今回はもちろん
「T&TライブRPG」と銘打ったイベントを冒険企画局さまと合同で開催させていただきました。




 カザンの支配者、死の女神レロトラーの依頼で街に出回った財宝の回収を命じられた参加者扮する冒険者たち。冒険者はそれぞれ4つのギルドに所属し、もっとも財宝を集めたギルドにレロトラーは特別報酬を与えると約束した。
 こうしてギルドの威信と勝利をかけ、パーティを組んだ冒険者たちはカザンの街を奔走するのであった。
 
 当イベントには満員100名の参加者が来場し、JGC会場一帯に設置されたカザンの街を模したブースを回って、財宝集めに挑んでもらいました。
 各ギルドマスターにはSNEから清松みゆきベーテ・有理・黒崎。冒険企画局から河嶋陶一朗さん、長尾姿子さんが務め、カザンの街にかかせない「カザンの闘技場」の主人を安田社長が担当しました。

「T&T」のフレーバーがよく効いた、財宝集めの前半戦と、財宝の総数を競い合う最終イベントの両方ではまさに総力戦と呼ぶにふさわしい活気に満ちていました。

 この「T&TライブRPG」の模様は「T&TライブRPG レポート」をご覧ください。



8.怖い話をしてください〜深夜のゴーストハンター&ホラートーク

「T&TライブRPG」終了後、JGC会場内がちょっぴり静かになったころ、とある一室には人々が集い始めていた。
 そこでは「ドラゴンを倒せ!」と共に最初期から続いている恒例イベント「友野詳の深夜のホラートーク」が開かれていたのだった。
 壇上(と、言いつつおなじみのテーブルとチェア)の友野詳大井雄紀と並んで今回はゴーストハンター03の開発に携わっている石野力、そしてこあらだまりもゲスト参加!

 さあ、そろそろイベント開始、とマイクを手に取る友野さんの第一声は……

「いつもなら1時間とかそんくらいしか枠がないのに今回はなんと2時間もあるんで、じゃあ、ゆるっと我々の作品紹介とかやっちゃおっか(笑)」

 JGC最後のホラートークショーも毎年恒例(?)のまったりとしたスタートを切ったのでした。
(このとき紹介していた作品については「グループSNEスペシャルトーク」をご覧ください)

 作品紹介後は、「B級映画トークショー」「作品世界の広がりを参加者と激論する場」になったりとホラートークに縛られず自由にやっていた本イベントの歴史を振り返り、気がつけば「あまりの酷さに途中で早送りしたゾンビ映画」の話題で持ちきりに。

友野「ほら、気を抜けばついこうなっちゃうんです。『歴史は繰り返す』と言いますが、今がまさにその状況やんっ! さっ、本題に行こか」

 イベント開始から1時間、やっとホラートークショーのスタートとなりました(笑) 






 昨年に引き続きふらっと観覧に来ていた秋田みやびも怖い話を引っ提げ壇上に登場しました。

 同人漫画家の友人宅にどうやら幽霊が出るらしく、不自然な物音がしたり視線を感じたりと友人の気が落ち込んでいた。その友人は幽霊に負けないために気分を高めようと、趣味全開の濃厚なボーイズラブ漫画を描き始めると心霊現象になにやら変化が……。

 と、いわゆる“深夜”だからこそ許されるちょっとアダルトな内容へと突入し、怖いような笑えるようなオチと妙なる語り口で場は盛りあがります。

 それに負けじと参加者のみなさんもこの一年温めてきたホラー体験談を順番に披露。「深夜3時に墓地に向かう謎の老婆」「いつも同じ場所で握手を求めてくる少年」など怖さの毛色が異なる様々なエピソードが語られました。
 
「深夜の空き教室から聞こえるボールが跳ねる音(石野力 談)」
 大学で深夜まで残って作業をしていた石野が、空き教室の方から1回だけ壁に向かって強くボールをぶつけて跳ねる音を聞いたという。もちろん間違いなく誰もいないはずの空き教室にも関わらず……。 

 などなど、恐怖体験というより「一体あれは何だったんだろう?」といった話について原因の意見交換にも熱がはいりました。

 それにしても話を聞くたびに妙に肌がゾクゾクするな、と思ったら空調が少し肌寒いくらいにまで設定されていたせいだとわかり、あのときほど冷房を設定したスタッフさんを恨んだことはありません(笑)。

 さあ、そろそろトークも終わろうか……といったところにちょっと赤ら顔の北沢慶『武装伝奇RPG 神我狩』の作者でおなじみの力造先生が登場!
 力造先生はこのトークショーに「絶対に行く!」と豪語していたそうで、どうやらついさっきまで飲み会をやっていた状態ながら、しっかりと怖い話をご用意していました。
 日光東照宮にある徳川家康の位牌が見学できる拝殿で、事前にお祓いを受け、いざ拝殿の敷地に足を踏み入れた瞬間猛烈な寒気に襲われ、その場に立っていられなくなった経験をしたそうです。

 次々と現れるゲストとその怖い話でさらに盛り上がり、まだまだ話し足りない、聞き足りない、そんな気持ちでいっぱいで勢いづく室内でしたが気がつけばもう終了時刻をかなり上回っており会もお開きとなりました。
 来年の「TRPGフェスティバル」でも本イベントの開催を期待しています。



9.グループSNEスペシャルトーク

 2日目のグループSNEコンベンションが終了してすぐさま「グループSNEスペシャルトーク」が開かれました。
 この場ではグループSNEメンバーがこれから発表する作品の数々をご紹介する時間で、毎年
「重大発表」をぽろっと漏らしてしまうことでもおなじみです。

 司会は金髪のソフトモヒカンがかなり目立っている黒田尚吾、タイムキーパーは鐘を手にした松田実愛のふたり、ニコニコ動画グループSNEチャンネルで公開中の
「わんぱくゲームラボ」チームがお送りしました。


〇トンネルズ&トロールズ完全版
 最初に安田均&柘植めぐみが登壇し、『T&T完成版』の制作に至った経緯や、膨大なルールブック翻訳の苦労話など、トークショーならではの裏話が飛びだします。

〇ソード・ワールド2.0の展開
 続いての壇上には、安田均清松みゆき北沢慶こあらだまりベーテ・有理・黒崎の5名。ソード・ワールド2.0の新作ゲーム、サプリメントそしてリプレイについて発表がありました。

 まず清松みゆきデザインの新作ゲーム『ソード・ワールド2.0 カードアドベンチャー』を紹介。
 本作はピラミッド型に配置されたカードをめくっていき、探索イベントまたは戦闘をこなしてクライマックスのイベントクリアを目指す協力ゲームです。時間をかけるほど自身も味方も追いこんでしまうシビアながら絶妙なゲームバランスが、ソード・ワールドファンならずとも大いに熱中してしまうことでしょう。
 ニコニコ動画のグループSNEチャンネルにて今作の紹介プレイ動画が公開されています。発売日は
9月24日です。

 続いて、大型サプリメント
『ディルフラム博物誌』清松みゆき北沢慶より紹介。今年7月に発売された『ソード・ワールド2.0 バルバロスブック』と併せてよりラクシアの一大勢力「蛮族」の実体が掘り下げられ、さらに高レベルまで蛮族キャラクターを遊びつくすことができるサプリメントとなっています。

 そしてリプレイからは2作発表されました。
 SNEのボードゲーム翻訳やサイト記事でよくその名前を目にしていたこあらだまりの商業リプレイデビュー作
『ソード・ワールド2.0リプレイ ウィアードテイルズ 増えゆく街の異界譚』が KADOKAWA/富士見書房・ドラゴンブックより発売されます。
 一夜にして建物や道ができてしまう都市ネスカザラを舞台にPCたちの奇妙な冒険が始まる物語です。今年
10月20日発売

 一方、ベーテ・有理・黒崎
『ソード・ワールド2.0リプレイ Rock 'n Role』シリーズの4巻が発売決定!
 作者曰く「リプレイ第2部」に位置するとのことで、アメリカ人GMと人族蛮族混成パーティが織り成すダイナミックな旅がまた新たにスタートします。




 ここでタイムキーパー松田実愛がうっかりフライングして鐘を鳴らしてしまいちょっとした笑いを誘った後、新作RPGの紹介に移りました(笑)。


〇新作RPG
『ゴーストハンター03』

 グループSNE新作RPG『ゴーストハンター03』について監修の友野詳、デザイナー石野力が解説。
「グループSNEコンベンション」でもご紹介したとおり本作は、2002年発売『ゴーストハンター02』2013年発売『ゴーストハンター13 タイルゲーム』の新旧のゴーストハンターの流れを汲んでいます。
 よりシチュエーションが掴みやすく、タイルゲームで使用するタイルが拡張キットとして使用できるというゲームの特徴や、シナリオ作成が簡単かつ、手短に行いながら短時間でも充実したセッションとなるシステム面の紹介がされました。
 手がかり入手によってプレイヤーにもGMにも作用し、善悪が相関したイベントを発生させる「ウロボロスシステム」。その詳細も今後どんどん公開されていくことでしょう。

『ダイス・オブ・ザ・デッド』
 4月に『サバイバルホラーRPG ダイス・オブ・ザ・デッド』、6月にそのボードゲーム版『ダイス・オブ・ザ・デッド ボードゲーム TOKYO ARMAGEDDON』が発売された通称DOD
 ゾンビに埋め尽くされた東京で、生き残りをかけたハーフゾンビと人間たち。そのサバイバル生活をよりクローズアップした
「コミュニティ管理ルール」を追加した上級ルールブックの発売決定が発表されました。
 登壇したデザイナー大井雄紀と、この西岡もちょこっとだけマイクを手にさせていただきました。
 上級ルールブックでは、様々なミッションをこなし東京脱出を目指す「クエスト」を高経験点キャラクターで遊ぶことができます。そこにコミュニティの運営、成長要素を盛り込んだ「コミュニティ管理ルール」を使って、じっくり腰を据えてDODをプレイできる一冊となっています。




〇新作小説

 友野詳
『ジャバウォック 真田邪忍帖』(Novel 0 刊)と秋田みやび『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』(富士見L文庫 刊)のその概要が語られます。

『ジャバウォック 真田邪忍帖』
友野「第六天魔王・織田信長によって異界の魔物が召還され、魔界と化した戦国時代が終わって……10年。日本最大の魔術戦と呼ばれた大坂夏の陣を生き残った千姫の前に現わる異様な姿の謎の忍者。『あなたは……生きていたのですね佐助殿!』『ふはは! 生憎ですが千姫様、いまの猿飛佐助は以前の佐助ではございません。猿飛“アマツミカボシ”佐助と申します!』」(以降、泣く泣く省略)

 この語り出しを一息に始めた友野さん……さすがでございます。
 霧隠“ロキ”才蔵三好“ダゴン”入道清海ら、悪神、邪神の魂をその身に宿して復活を遂げた真田十勇士ならぬ真田“十幽鬼”たち。泰平の世を破壊しかつての「魔界戦国」復活を目論む十幽鬼に、彼らのかつての主君真田幸村の息子「大介」が立ち向かう……というストーリーになっています。
 このまさしくカオスな本作、そして「魔界戦国」のフレーズ、かなり気になります(笑)。


『ぼんくら陰陽師の鬼嫁』
 やむなき事情で住処をなくし、生活困窮に陥った主人公野崎芹通りすがりの陰陽師「北御門皇臥」と結婚する。皇臥はキュートな式神を連れているとはいえ、不思議な力を大して持っているわけではないぼんくら陰陽師だった!?

「陰陽師が題材の小説」と聞けば、魑魅魍魎を調伏する伝奇小説を思い浮かべてしまいますが、舞台は現代、そして主人公の旦那は陰陽師といえどぼんくら。身に迫る危機といえば生活にかかる税金、姑の小言、将来の不安……なんともリアルな危機といいますか、耳の痛い悩みが登場するそうです(笑)
 ただ、安田、友野両氏曰く、リプレイの数々からうかがえる、軽妙かつ愛嬌がありながら、シリアスをきっちりきめてくる秋田みやびの作風と本領が発揮されているとのこと。
 TRPG「ダブルクロス」シリーズでおなじみ、しのとうこ先生のイラストもとても目を惹きます。


〇ボードゲーム
 SNE/cosaicではボードゲームが新作ラッシュ。壇上には大好評発売中『知ったか映画研究家スペシャル!』のデザイナーであり、さきほどまで司会を務めていた黒田尚吾安田社長柘植めぐみと共に登壇。
 今後発売されるボードゲームを中心に紹介していきます。
 
『シヴライゼーション』
 名作ゲーム『CVLIZATIONS』の日本語版が登場。
 文明を発展させ、幸福になるために、その資源を集めたり幸福を高めるアクションカードの選択の悩ましさ、相手とバッティングすると効果が弱まってしまうという駆け引きがゲームを盛り上げます。

『メディチ ボードゲーム』
 現在発売中、ライナー・クニツィアの『メディチ カードゲーム』、そのボードゲーム版である本作は、物品の価格を高値につり上げて購入、その価値で得点を競う、いわゆる「競りゲー」としてカードゲーム版にはない競りの要素がゲームの駆け引き、奥深さを高めています。
 黒田曰く、
「パッケージにいけてるオジサンが描かれているゲームに名作率高し」とのこと。

 上記2点が今年
10月発売予定です。

『王と道化』
 KOSMOS社の2人用ゲーム『REEPERBAHN』『TIMES SQUARE』リメイク作でありルールにアレンジを利かせてよりボードのコマの動かし合いが白熱必至。こちらもライナー・クニツィア作。イラストは可愛らしい動物たちが描かれた『タルギ』『王宮のささやき』『王への請願』でおなじみ秋津たいら先生です。

『デモンワーカー』
 ここでちょっとした小芝居が(笑)

安田「あっ、ついにデモンワーカーを紹介するときが」
柘植「これ、誰が作ったんですかね」
安田「誰だっけね……ねっ黒田くん」
黒田「……はいっ! はいっ! 僕ですっ!(挙手)」


『知ったか映画研究家スペシャル!』に続き、黒田尚吾の新作ボードゲームが本作『デモンワーカー』です。
 その名のとおり「悪魔」の「労働者」。様々な資源をリソースとして回収し、消費することで得点を高めていくワーカープレイスメント式のゲームです。
 高名な悪魔もなぜか働かされている世界をより魅力的に見せているアートワークにも注目です。




〇最後に


 最後に安田社長から、ドレッドノートの世界観、連載小説で活躍中の河端ジュン一の新作『終末ノ再生者(リアクター)』が刊行されることが発表されました。
 そして新潮NEXで大好評の「階段島シリーズ」の作者河野裕がかつて執筆した
『サクラダリセット』。その新装版の刊行が決定しました。河野曰く、「全編ほぼ書き直し」だそうです。
 そしてこの『サクラダリセット』に大きな展開があると安田社長が高らかに宣言。その内容は一体!? と一同固唾を飲んだところで、「今後の発表をしばし待たれよ」とついうっかり内容をポロリとはいきませんでした(笑)。

 SNEでは、今回紹介した作品のより詳細な情報や、紹介できなかった新たなる作品の情報も今後どんどん公式HPやTwitterfacebookなどのSNSでも発信していきます。どれも注目作ばかりなのでお見逃しなく!



10.Role&Roll新作発表会

 一旦サイン会を後に、安田社長&柘植めぐみの両名はRole&Roll新作発表会へと向かいました。
Role&Roll(編集・アークライト 出版・新紀元社)』とは、TRPGの新作タイトルの紹介だけでなく、TRPGのサポート記事、ボードゲームの紹介記事などなどアナログゲームの専門誌としてVol.143(JGC当日現在)まで刊行されている雑誌です。

 この新作発表会ではその名の通り、現在、Role&Roll誌でサポートが展開されているゲームの著名なデザイナーが一堂に集い、今後発売が決定されている作品の最新情報をまるっと紹介していただく場となっています。

 いわばアナログゲームの最前線。その先陣を切ったのが安田社長と柘植めぐみの両名でした。
 安田社長は今年、実際にアメリカのインディアナポリスで開催された世界最大規模のアナログゲームのGENCON2016に赴き、さらにドイツのエッセン・シュピールに出店した経験から、年々ボードゲーム市場が拡大し続けていると再確認できたとのこと。
 ゲームの数が増えるとやはり、有名デザイナーだけでなくどこからともなく名作と呼ぶにふさわしいゲームが突然現れる状況にわくわくがとまらないそうです。

 そこでSNEのメンバーが膨大な数のボードゲームをプレイし、その中から素晴らしい作品を選りすぐり、レビューした『
ボードゲームストリート2016(新紀元社 10月刊行予定)』の苦労話も飛び出します。

安田「年が経るごとに『これはやるべきだ』というゲームが増えた。あれもこれもとやっていたら本当にキリがないほど、面白いゲームが次々と誕生しているんですよね。そうなるとレビューする作品の選抜も非常に難しくなる。嬉しい悩みだけどこれがなかなか辛いことでもある(笑)」

 さらに、かつて世に出たボードゲームのルールを新たに見直して、より面白くなったゲームが登場したという話題では、

安田「とあるゲームの今と昔のものを比較したくて、かなり昔に柘植さんが訳してくれたルールの原稿を引っ張り出すことがあったんだけど、それを当の本人に見せたら『覚えがない』なんて言いだしたんですよ」
柘植「SNEではいろんな人がルールを訳してて、おおよそ書式(この場合、訳者ごとの定まった文章の書き方)を見れば、どれを誰が書いたかわかるんですね。でも、社長が見せてくださった原稿は、私と同じ書き方のはずなのにまったく覚えがなくって……」
安田「でもそのおかげで互いに新鮮な気持ちでそのゲームができた、というなんとも不思議な体験をしたものです」


 次々と現れる世界のボードゲームを、これまた次々と翻訳、そして実際にプレイしてきた人間ならではのエピソードに会場の全員から感嘆の声が。
 最新のゲームだけでも数百種類ものゲームがあるとなれば、プレイするだけでもその苦労は想像に難くありません。

 そんなボードゲームの中から、自信を持って太鼓判を押せるゲームを紹介した『ボードゲームストリート2016』は、ゲームファンだけでなく、これからボードゲームについて幅広く知ってみたい人にもお勧めできる一冊となっております。ぜひお手に取ってみてください。






11.閉会式

 一気に走り抜けた2日間、楽しい宴の終わりは実に名残惜しいのですが閉会式の時間がやって参りました。

 壇上には北沢慶が立ち、94年のコンプRPG「ハイパートンネルズ&トロールズ」のサポート記事からデビューしたご自身と、ほぼ同時期に開催されたJGCの思い出を振り返っていただきました。

北沢「JGCが登場した96年、僕は……呼ばれませんでした(一同笑)。しかたがないので自費で行ったら、がっつりSNEの先輩たちにこき使われてるという(笑)」

 そして、JGC会場内に設置された、「TRPGフェスティバル」のご意見箱に「『ドラゴンを倒せ!』を継続して開催してほしい」との要望が多数募っていたことに対して、嬉しさで笑いが止まらないどころか膝が笑ってしまって落ち着かない、とこのイベントとT&T愛を感じるスピーチでした。




北沢「じゃ、そういうことなので菊池先生が僕よりもっと面白い話をしてくれます」

 やはり無茶ぶりされたF.E.A.R.の菊池たけし先生。北沢さんがスピーチしながらチラチラと自分の顔をうかがっていた様子に、なんとなくこうなることは予想していたそうです。

「終わりというのはちょっとさみしいけれど、綺麗なエンディングを迎えるには直前で回想シーンを挟んでみるのが王道の展開でしょう」

 JGC創設期のいわゆる「カオス感」が満載だった頃を思い出しつつ、

「……そうやってJGCの終わりをビシッときめる名台詞を考えてきました。でも、よく考えたら終わったわけじゃなくて、これから新しいことが始まろうとしているんだって。このことを開会式の映像を見て初めて知ったので、一からスピーチの内容を変えることに(涙)」

 と、菊池先生のスピーチの受難は開会式から始まっていたそうです(笑)

 最後を締めくくるのは安田均

安田「私は『逆転』というものが大好きですから、JGCの終わりが見えてても、それは決してただの終わりではなく、TRPGフェスティバルの盛況に繋がる大きなチャンスだと思っています。そのためにも来年に向かって、いつものアレをみなさんやりましょう!」

 御療養中でこの場にいらっしゃらない鈴木銀一郎先生の分まで力こめると宣言した安田社長。参加者の皆さまもやはり拳の準備は万端です。

安田「JGC、ありがとーっ!」
一同「ありがとーーーっ!」
安田「21年間、ありがとーっ!」
一同「ありがとーーーっ!」
安田「次はTRPGフェスティバルだーっ!」
一同「おぉ〜〜〜〜〜っ!」
安田「来年もまた会おうっ!」
一同「おぉ〜〜〜〜〜っ!」


 こうして21年続いたJGCが閉幕しました。
 僕は参加してまだ3回目でしたが、それでも充分に参加者一同のJGCを愛するあふれだす思いが伝わった瞬間でした。みなさま本当にお疲れ様でした。

 さあ、来年は熱海
 またみなさまとご一緒にゲームできることを願っております!






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